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泡沫
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あわ
ふりがな文庫
“
泡沫
(
あわ
)” の例文
この管から彼は速に、二十乃至三十の
泡沫
(
あわ
)
を吹き出すのだが、それが空中を漂って行く有様は、管から紙片を吹き出すようである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
水へ向って射込んでも、矢は用をなさず、
刺叉
(
さすまた
)
で掻き廻しても、投げ
鑓
(
やり
)
を
抛
(
ほう
)
りこんでも、笑うが如き
泡沫
(
あわ
)
が一面ぶつぶつ明滅するのみである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霧
(
きり
)
の
這
(
は
)
ふ
田川
(
たがわ
)
の水を、ほの
白
(
じろ
)
い、
笊
(
ざる
)
で
掻
(
か
)
き/\、
泡沫
(
あわ
)
を薄青く
掬
(
すく
)
ひ取つては、
細帯
(
ほそおび
)
につけた
畚
(
びく
)
の中へ、ト腰を
捻
(
ひね
)
り
状
(
ざま
)
に、ざあと、光に照らして移し込む。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
願はくは
恩惠
(
めぐみ
)
速かに汝等の良心の
泡沫
(
あわ
)
を消し、記憶の流れこれを傳ひて清く下るにいたらむことを 八八—九〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
銀の珠でも溶かしたように重く、鈍く輝く水の中では、微かに藻が揺れ、
泡沫
(
あわ
)
が立ちのぼります。肩にたれた髪から潮の薫りが流れ出して、足許には渚の桜貝が散りそうです。
ようか月の晩
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
男のささやきはおよそ四
半刻
(
はんとき
)
も続いた。奈尾の全神経はしびれたようになり、合歓木の幹にもたれた躯は地上から浮きあがって、
泡沫
(
あわ
)
のように空間へ消えてゆきそうに思えた。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ハダカの石鹸をコスリ付けて
泡沫
(
あわ
)
を山のように盛り上げながら、女とは思えない乱暴さで無茶苦茶に引っ掻きまわしたあとから、断りもなしにザブザブと熱い湯を引っかけて
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼女は本当に都会の
泡沫
(
あわ
)
の中から現われた美しい
蜉蝣
(
かげろう
)
ですよ、ネネは、その
僅
(
わず
)
かな青春のうちに、最も多くの人から注目されたい、という、どの女にもあるその気持を、特に多分に
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
あたら帆村も、ここへ来て慎みを忘れたがために、折角糸子が提供しようという蠅男の秘密を聞く機会を失ってしまって、遂にこれまでの苦労を水の
泡沫
(
あわ
)
と化してしまうのだろうか。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
青々と茂っている
羊歯
(
しだ
)
の間から矢車草の白い花が潮に浮かんだ
泡沫
(
あわ
)
のようにそこにもここにも見えているのも高原雀が幾百羽となく木の間を縫って
翔
(
か
)
けているのも、鼻を刺す高い木の
馨
(
かおり
)
も
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
水のおもての
泡沫
(
あわ
)
と知れど
秋 なげかひ
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
死力を
籠
(
こ
)
めて、起上ろうとすると、その渦が、風で、ごうと巻いて、
捲
(
ま
)
きながら乱るると見れば、
計知
(
はかりし
)
られぬ高さから
颯
(
さっ
)
と大滝を
揺落
(
ゆりおと
)
すように、
泡沫
(
あわ
)
とも、しぶきとも、粉とも、灰とも
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
死力
(
しりよく
)
を
籠
(
こ
)
めて、
起上
(
おきあが
)
らうとすると、
其
(
そ
)
の
渦
(
うづ
)
が、
風
(
かぜ
)
で、ぐわうと
卷
(
ま
)
いて、
捲
(
ま
)
きながら
亂
(
みだ
)
るゝと
見
(
み
)
れば、
計知
(
はかりし
)
られぬ
高
(
たか
)
さから
颯
(
さつ
)
と
大瀧
(
おほだき
)
を
搖落
(
ゆりおと
)
すやうに、
泡沫
(
あわ
)
とも、しぶきとも、
粉
(
こな
)
とも、
灰
(
はひ
)
とも
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“泡沫”の意味
《名詞》
泡 沫(ほうまつ、うたかた)
儚いもの。
(ほうまつ)異常な好景気。バブル。
(ほうまつ)影響力の非常に弱いもの。存在意義の希薄なもの。
(ほうまつ)泡沫候補、泡沫政党の略。
(出典:Wiktionary)
泡
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
沫
漢検準1級
部首:⽔
8画
“泡沫”で始まる語句
泡沫夢幻
泡沫玉
泡沫銭