養父やうふ)” の例文
ひとあれほどにてひとせいをば名告なのらずともとそしりしもありけれど、心安こゝろやすこゝろざすみちはしつて、うちかへりみるやましさのきは、これみな養父やうふ賜物たまものぞかし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其中そのうちあつらへた御飯ごはん出来できましたから、御飯ごはんべて、過去帳くわこちやうみなうつしてしまつた。過去帳くわこちやううちに「塩原多助しほばらたすけ養父やうふ塩原覚右衛門しほばらかくゑもん実父じつぷ塩原覚右衛門しほばらかくゑもん
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
見廻し拔放ぬきはな元末もとすゑ倩々つく/″\ながめ是ぞ此身のえてつゆ白刄しらはと成けるが義理ぎりある養父やうふ忠々敷まめ/\しきの久八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
養父やうふ清左衞門せいざゑもん去歳こぞより何處どこ开處そこからだに申分まうしぶんありてきつとのよしきしが、常日頃つねひごろすこやかのひとなれば、さしてのことはあるまじと醫者いしや指圖さしづなどを申やりて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
幸ひにみせの有金の内五十兩養父やうふかすめ彼小夜衣を根引ねびきかこひ置て自儘に我が家内にもせん者と思ひ居たる心より村井長庵の惡計あくけいかゝ夫而已それのみならず金と引替に長庵より受取置たる證文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
身受なし貴宅へ置とのお話し故貴殿のいはるゝ其意にまかせ五十兩の金とても勿々なか/\に出來兼たれど延引えんいんして居る時は外へ身受に成との事故道ならぬ事とは知りながら養父やうふの金を引出ひきいだし命がけにて其金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)