“延引”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんいん72.7%
のっぴき9.1%
のば9.1%
のびのび9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実は忠通にもかねてその下心したごころがあったのであるが、自分のそばを手放すのが惜しさに、自然延引えんいんして今日こんにちまで打ち過ぎていたのである。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
延引のっぴきならない仕事がありましたので、つい御無沙汰しました」
ふみたば (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
養母の鶴勝はその悦びを共にすることを得ず、もはや鬼籍きせきにはいっていた。二人の心は一日も早くと焦燥あせりはしたが、席亭よせ組合の懇願もだしがたく、綾之助の引退は一ヶ年の後に延引のばされた。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
彼奴やつも可哀そうだ、一度は行って見てやらなければ……という気はあっても、さて踏み出して行く決心が出来なかった。明日あすは明日はと思いながら、つい延引のびのびになってしまった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)