“のば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノバ
語句割合
60.5%
32.7%
2.7%
1.4%
0.7%
延引0.7%
延長0.7%
野生0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
過ぎ行く舟の奥床おくゆかしくも垂込たれこめた簾の内をば窺見うかがいみようと首をのばしたが、かの屋根船は早くも遠く川下の方へと流れて行ってしまった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
古木こぼくやうみにくうでのばして、鐵車てつしやおり引握ひきつかみ、力任ちからまかせにくるま引倒ひきたほさんとするのである。猛犬稻妻まうけんいなづま猛然まうぜんとしてそのいた。
大きな玉子二つでよく溶いて粉と混ぜて水でねますがその加減は饂飩の捏ねたのよりも柔いほどにして厚さ二分か三分位にのばします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
前よりもまた一層広々ひろびろと、一面の日当りになった畠の上には、大根と冬菜とが、いかにも風土の恵みを喜ぶがように威勢好くその葉をのばしている。
冬日の窓 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
うしておつぎもいつかくちのばつたのである。それでも到底たうてい青年せいねんがおつぎとあひせつするのは勘次かんじ監督かんとくもと白晝はくちう往來わうらいで一べつしてちがその瞬間しゆんかんかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
養母の鶴勝はその悦びを共にすることを得ず、もはや鬼籍きせきにはいっていた。二人の心は一日も早くと焦燥あせりはしたが、席亭よせ組合の懇願もだしがたく、綾之助の引退は一ヶ年の後に延引のばされた。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
以て鐵軌レール延長のばし道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
木々は野生のばえのままに育ち、春は梅桜乱れ咲き、夏は緑陰深くしげりて小川の水も暗く、秋は紅葉もみじにしきみごとなり。
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)