“のぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノブ
語句割合
37.8%
27.0%
10.8%
5.4%
5.4%
乃信2.7%
乃夫2.7%
乃婦2.7%
2.7%
2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あなたも私が憎いのね。——ああ、のぶや(女中)二階で手が鳴る。——虫がうるさい。このを消して、隣室となりのをけておくれな。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも因幡守とお早と女中二人、あわせて四人の死骸を探り当てましたが、娘のお春と女中のおのぶ、この二人のゆくえは知れませんでした。
其時許りは弟も非常に悦んだらしいけど、「のぶやお上り?」と聞いた母に、只うんと二三度うなずいた丈けで、力ない目にじっと洋食の皿をみつめたまま、
梟啼く (新字新仮名) / 杉田久女(著)
「君は自分の好みでおのぶさんをもらったろう。だけれども今の君はけっしてお延さんに満足しているんじゃなかろう」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
男は用人の外に中間ちゅうげん、小者、庭掃にわはきの爺、女はお小間使のおのぶ、仲働きのお米、外にお針に飯炊き。
小買物にでも行つたらしい内儀のおのぶは、杉之助の前に三つ指を突いて、それから平次と八五郎に丁寧に挨拶しました。
いしき截り石を缺き减らす爲には石斧製造の條下ぜうかのぶべしが如き方法行はれしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
今日学務においてもっとも大切なることなれば、いささか余が所見をのぶること左の如し。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と余は思切ッて同行せざるの遺憾をのぶるに「そうさ、なに構うものか、来るなら一緒においでなさい、随分面白いかも知れませぬから」く聞きて余は嬉しさにこゝろき、返す言葉の暇さえ惜しく
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
一瞬の如くに過ぎ去った四十年足らずの月日を顧みた第一の句は、第二の薄才のぶもっおだやかけられるはずがない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
のぶるというのは反語でなくてはならない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
室香に約束はたがえど大丈夫青雲の志此時このときのぶべしと殊に血気の雀躍こおどりして喜び、米国より欧州に前後七年の長逗留ながとうりゅう、アヽ今頃いまごろ如何どうして居おるか、生れた子は女か、男か、知らぬ顔に、知られぬ顔
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
見ざりし世の人をその墳墓にふは、生ける人をその家に訪ふとは異りて、寒暄かんけんの辞をのぶるにも及ばず、手土産たづさへ行くわづらひもなし。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
のぶれば、昨冬以来だんだん御懇情なし下されし娘粂儀、南殿村稲葉氏へ縁談御約諾申し上げ置き候ところ、図らずも心得違いにて去月五日土蔵二階にて自刃に及び、母妻ら早速さっそく見つけて押しとどめ、親類うち寄り種々申しさとし、医療を加え候ところ、四、五日は飲食ものどに下りかねよほどの難治に相見え申し候。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
のぶれば、愚娘儀につき、先ごろ峠村の平兵衛参上いたさせ候ところ、重々ありがたき御厚情のほど、同人よりうけたまわり、まことにもって申すべき謝辞も御座なき次第、小生ら夫妻は申すに及ばず、老母ならびに近親のものまでも御懇情のほど数度説諭に及び候ところ、当人においても段々御慈悲をもって万端御配慮なし下され候儀、浅からず存じ入り、参上を否み候儀は毛頭これなく候えども、不了簡ふりょうけんの挙動、自業自悔じごうじかい、親類のほかは町内にても他人への面会は憚り多く、今もって隣家へ浴湯にも至り申さざるほどに御座候。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
云うと同時に組まれたまま故意わざと足を踏み辷らし、坂を転がる米俵か、コロコロコロコロと家根に添い、真逆様に落ちたのは、乃信のぶ姫君の佇んで居られる高縁先のお庭前で、落ちるより早く身を飜えし、組まれた相手を振りほどくとひょいとばかりに突っ立った。
善悪両面鼠小僧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二月十八日に棠軒の女乃夫のぶが福山にあつて痘瘡に死した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
毎日繰り返される内々のあいさつは、礼儀という重い一面をかなぐり捨てゝいる。乃婦のぶ百々もも子の口が同時に機械的に開く。
火の扉 (新字新仮名) / 岸田国士(著)
一向ひたぶるしんを労し、思を費して、日夜これをのぶるにいとまあらぬ貫一は、肉痩にくやせ、骨立ち、色疲れて、宛然さながら死水しすいなどのやうに沈鬱しをはんぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
のぶる口上に樸厚すなおなる山家やまが育ちのたのもしき所見えて室香むろか嬉敷うれしく、重きかしらをあげてよき程に挨拶あいさつすれば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)