のぶ)” の例文
今日学務においてもっとも大切なることなれば、いささか余が所見をのぶること左の如し。各地方小学教師のために備考の一助ともならば幸甚こうじんのみ。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
是小弟長く浪遊して仕禄を求めず、半生労苦辞せざる所、老兄ハ小弟を愛するもの故、大略をのぶ。御察可下候。
皆その習うところにへきするもの、まことに人情の常なり。これをもって今ここにこの文を述るのみ。平仮名のごとき、すでに書あり。その序、ほぼその意をのぶべし。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)
ものすることいといぶかしきに似たりといえどもまた退しりぞいて考うればひとえおじのぶる所の深く人情のずい穿うがちてよく情合じょうあいを写せばなるべくたゞ人情の皮相ひそうを写して死したるが如き文を
怪談牡丹灯籠:01 序 (新字新仮名) / 坪内逍遥(著)
いしき截り石を缺き减らす爲には石斧製造の條下ぜうかのぶべしが如き方法行はれしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかれどもこれ中人ちゅうじん以上、家道やや豊富なる者につきてその理をのぶるなり。なんとなれば文明の国といえども、父母たるもの、家において十分によくその子女を訓育する者まれなり。
教育談 (新字新仮名) / 箕作秋坪(著)
彼れが秘密を見現すは今なり、と余は思切ッて同行せざるの遺憾をのぶるに「そうさ、なに構うものか、来るなら一緒においでなさい、随分面白いかも知れませぬから」く聞きて余は嬉しさにこゝろ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
つき私共は紅屋庄藏大和屋三郎兵衞と申て當町の者なり何卒急速きふそくに常樂院樣に御目とほり願ひ相うかゞひ度儀ありて推參すゐさん仕れり此段御取次下さるべしと慇懃いんぎんに相のぶれば藤代要人は承知し中の口に控させ此趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あるいはいわくなんじこの編をのぶる、何ぞ平仮名をもってせざる。曰、唯々否々いいひひ、わが平仮名の説のごとき、ただ後進の人に便するのみ。この編のごとき、ひとえに学者に謀るものなり。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)
学校設立の説をのぶる者あり、文字改革の議を発する者あり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おほせ付られ御助け下さるやうねがひ上げ奉りますとのぶれば武士一人のこりて夫は不便ふびんの事なり今に此所御通行つうかう相成時怖れずと委細に申上よと云ひければ兩人はよろこびて今やおそしと待居まちゐる處へ宿役人大勢おほぜい領主々々りやうしゆ/\の役人先を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取出しヤッと髪の毛の性質だけ調べ上げました(荻)無駄事は成る可く省いて簡単にのぶるが好いぜ(大)ハイ無駄事は申しません先ず肝腎な縮れ毛の訳から云いましょう髪の毛の縮れるには夫だけの原因が無くてはなら
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
のぶほどに傳吉も是迄の艱難を物語り偖五時頃皆々いとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)