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のぶ
ふりがな文庫
“
信
(
のぶ
)” の例文
お
信
(
のぶ
)
は細身ないつもは蒼白い顔で頼りない寂しい風をしていたが、何かの機会には情熱に燃えて美しく頬を染め出す女であった。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
あゝ
好
(
い
)
い
心持
(
こゝろもち
)
ださつぱりしたお
前
(
まへ
)
が
承知
(
しようち
)
をしてくれゝば
最
(
も
)
う千
人力
(
にんりき
)
だ、
信
(
のぶ
)
さん
有
(
あり
)
がたうと
常
(
つね
)
に
無
(
な
)
い
優
(
やさ
)
しき
言葉
(
ことば
)
も
出
(
いで
)
るものなり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
猪之助という名だが鼻が大きいので、鼻猪之——ひどく気の荒い本性からの
無頼気質
(
やくざかたぎ
)
であったが、お
信
(
のぶ
)
という娘が一人ある。
無頼は討たず
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それでも因幡守とお早と女中二人、あわせて四人の死骸を探り当てましたが、娘のお春と女中のお
信
(
のぶ
)
、この二人のゆくえは知れませんでした。
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三番目のお
信
(
のぶ
)
は、十五、六か、まだ、至ってあどけない小娘で、これは少し丸顔、兄の丈八郎の方に似ている顔だ。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
其時許りは弟も非常に悦んだらしいけど、「
信
(
のぶ
)
やお上り?」と聞いた母に、只うんと二三度うなずいた丈けで、力ない目にじっと洋食の皿をみつめたまま
梟啼く
(新字新仮名)
/
杉田久女
(著)
「十七日。(二月。)雨。夕晴。
慧璘童女
(
ゑりんどうによ
)
七回忌、得悟童子来廿八日三回忌之処取越、法事執行、今日
迨夜
(
たいや
)
也。大賢尼来読経。」按ずるに慧璘は棠軒の女
信
(
のぶ
)
の
法諡
(
はふし
)
である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
佐渡屋の妹娘のお
信
(
のぶ
)
といふ十四になるのと、手代の直次郎と
甥
(
おひ
)
の與之助の三人、女主人のお兼は、すぐ助けられて大したこともなく、娘のお絹は
杭
(
くひ
)
か何んかで肩を打ちましたが
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「本家は大坂安土町」「
信
(
のぶ
)
山家伝の千金丹」「そのまた薬の効能は」「たんせき溜飲食あたり」と面白くもない文句のかけあい、それが妙にぴたりときて我々もよく真似たくらい
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
名古屋の客に呼ばれて……お
信
(
のぶ
)
——ええ、さっき私たち出しなに駒下駄を揃えた、あの
銀杏返
(
いちょうがえし
)
の、内のあの女中ですわ——二階廊下を通りがかりにね、(おい、ねえさんか、湯を一杯。)……
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると老僧は馬場金之助の妻お
信
(
のぶ
)
の墓のあるべき
筈
(
はず
)
はない。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
今、奥さんと一緒に帰つて来た
信
(
のぶ
)
といふ若い女中である。
花問答
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
物いへば眼口にうるさき蚊を払ひて竹村しげき龍華寺の庭先から信如が部屋へのそりのそりと、
信
(
のぶ
)
さん居るかと顔を出しぬ。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
信
(
のぶ
)
は体を方々いたがった。母がま夜中に、このあわれな神経のたかぶった病児の寝付かぬのを静かになでつつ
梟啼く
(新字新仮名)
/
杉田久女
(著)
自分で卑下する心から、気がひがんで、あなたの顔が憎らしかった。あなたも私が憎いのね。——ああ、
信
(
のぶ
)
や(女中)二階で手が鳴る。——虫が
煩
(
うるさ
)
い。この
燈
(
ひ
)
を消して、
隣室
(
となり
)
のを
点
(
つ
)
けておくれな。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おや、
信
(
のぶ
)
ちやんは此處に居たのか」
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
やゝ
餘炎
(
ほとぼり
)
のさめたる
頃
(
ころ
)
に
信
(
のぶ
)
さんお
前
(
まへ
)
は
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
つか
知
(
し
)
らないけれど
時
(
とき
)
の
拍子
(
ひようし
)
だから
堪忍
(
かんにん
)
して
置
(
お
)
いて
呉
(
く
)
んな、
誰
(
た
)
れもお
前
(
まへ
)
正太
(
しようた
)
が
明巣
(
あきす
)
とは
知
(
し
)
るまいでは
無
(
な
)
いか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それ二人とも水をおあげ」と母が出した末期の水を、夢中で
信
(
のぶ
)
の唇にしめしてやった。
梟啼く
(新字新仮名)
/
杉田久女
(著)
信
(
のぶ
)
さん
何
(
ど
)
うした
鼻緒
(
はなを
)
を
切
(
き
)
つたのか、
其姿
(
そのなり
)
は
何
(
どう
)
だ、
見
(
み
)
ッとも
無
(
な
)
いなと
不意
(
ふい
)
に
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
くる
者
(
もの
)
のあり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我れは一足はやくて道端に
珎
(
めづ
)
らしき花などを見つくれば、おくれし信如を待合して、これこんなうつくしい花が咲てあるに、枝が高くて
私
(
わたし
)
には折れぬ、
信
(
のぶ
)
さんは
背
(
せい
)
が高ければお手が届きましよ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
信
(
のぶ
)
さんかへ、と受けて、嫌やな坊主つたら無い、きつと筆か何か買ひに来たのだけれど、私たちが居るものだから立聞きをして帰つたのであらう、意地悪るの、根性まがりの、ひねつこびれの
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“信”の解説
信(しん)は、一般的には真実で偽りのないこと。信用。信仰。宗教・倫理の分野においてさまざまに用いられる。
(出典:Wikipedia)
信
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“信”を含む語句
音信
信天翁
信号
書信
信用
通信
信太
信實
自信
信州
信実
忠信
信濃路
信者
信義
基督教信者
信条
基督信者
信心者
信吉
...