“のべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノベ
語句割合
野辺47.1%
10.3%
8.8%
野邊7.4%
7.4%
5.9%
延期4.4%
2.9%
伸板1.5%
1.5%
野方1.5%
野部1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「夕されば野辺のべに鳴くてふかほ鳥の顔に見えつつ忘られなくに」などとも口にしていたが、ここにはだれも聞く人がいなかった。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
岩崎山、大上山、賤ヶ嶽、田上山、木之本などの第二陣地区にわたる広範囲なもので、当然、のべ何十万人もの労員を要する。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其処そこで僕は最早もはや進んで僕の希望のぞみのべるどころではありません。たゞこれめいこれしたがうだけのことを手短かに答えて父の部屋を出てしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ひろ野邊のべにもまたそのはなに、ときならぬしもりたがやうに、んでむすめ、ヂュリエット!
翁未だ壮年の勇気をうしなはざれど、生年限りあれば、かねて存命に石碑を建つるの志あり、我が来るを待ちて文をしよくせしめんとの意をのべければ、我は快よく之を諾しぬ
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そっくり白の装束でいつの間にかかいがいしく鮫魚さめのべ棒を洗っていた。
その主人に一年の馴染、氣に入りの奉公人が少々の無心を聞かぬとは申されまじ、此月末に書かへを泣きつきて、をどりの一兩二分を此處に拂へば又三月の延期のべにはなる、斯くいはゞ慾に似たれど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
先頃さきごろよりの礼厚くのべて子爵より礼のおくり物数々、金子きんす二百円、代筆ならぬ謝状、お辰が手紙を置列おきならべてひたすら低頭平身すれば珠運少しむっとなり、ふみケ受取りて其他には手もつけ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
銀の伸板のべをびいどろの棒で叩くような、それは現世このよのものとも思えない女の咽喉のど。拳の連中は気がつかないが、藤吉はぐいと一つ顎をしゃくって
贋勅使だとのべまで、贋勅使の一行が、贋勅使に見えなかったのは、勝れた作者の技倆でしょう。もっとれが解ってしまっては、この作の値打は消えますがね。
二つの作品 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
六九古郷ふるさとに捨てし人の消息せうそこをだにしらで、七〇萱草わすれぐさおひぬる野方のべに長々しき年月を過しけるは、七一まことなきおのが心なりける物を。
今朝、野部のべを立った信玄の大兵は、天龍川をわたり大菩薩だいぼさつを経て、なおその行軍態勢をつづけながら、午下ひるさがりの頃、さいたにの前面へかかって来た。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)