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夙
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とっ
ふりがな文庫
“
夙
(
とっ
)” の例文
とベタ一面に鉛筆を走らせた
藁半紙
(
わらばんし
)
を署長の鼻先につきつけたのは、もう
夙
(
とっ
)
くに帰ったものとばかり思っていたK新報社長の田熊だった。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
普通ならば
夙
(
とっ
)
くにもう花も変えて生けかえるべきものを、いつまでも水仙を生けたままで
擲
(
ほう
)
って置いてあったものとすると
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そして彼女の姿が
夙
(
とっ
)
くに見えなくなってしまったあとも、なおそのまま根が生えたように立ちつくしていた。
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
画で云えば、未来派、構成派、感覚派、印象派なぞいう式の表現のなやみは
夙
(
とっ
)
くの昔に通過してしまった。
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今障子に落書は残っていても、その人はもう
夙
(
とっ
)
くに醒めているのである。唯その憂いとか不平とかを落書として障子の上に残して置いたまでである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
つまりあんたは生きていると思っているらしいけれど、本当は
夙
(
とっ
)
くの昔死んでしまっているのよ。女房殺しの罪で死刑になったんじゃありませんか。ホ、ホ、ホ、ホ
殺人の涯
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そんな筈はない。もう交番の旦那は
夙
(
とっ
)
くに見えてるんだ。由蔵に
訊
(
き
)
きたいことがあるって、待ってるんじゃないか。ええ、それより早く蒲団を持って来いというに——」
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あなたの血液型なんかその
喀痰
(
かくたん
)
からして、もう
夙
(
とっ
)
くの昔に判っていることでしょうよ
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“夙”の解説
夙(しゅく、夙の者、宿の者)は、中世から近世にかけて近畿地方に多く住んでいた賎民。中世の非人身分が分解する際に生じ、被差別部落の起源の多くであったかわたよりも下位でありながら、その差別はそれほど強烈ではなかったといわれる。
(出典:Wikipedia)
夙
漢検準1級
部首:⼣
6画
“夙”を含む語句
夙夜
夙慧
夙川
夙縁
夙昔
夙人
夙起
夙志
夙懟
夙才
馬夙彩
臣夙夜
夙約
夙村
夙望
夙少
夙卒
夙分