殺人の涯さつじんのはて
「とうとう女房を殺してしまった」 私は尚も液体を掻き廻しながら、独り言を云った。 大きな金属製の桶に、その白い液体が入っていた。桶の下は電熱で温められている。ちょっとでも、手を憩める遑はない。白い液体は絶えずグルグルと渦を巻いて掻き廻わされ …