“義父”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちち40.9%
とう27.3%
おや9.1%
とっ4.5%
おとう4.5%
おとっさん4.5%
おやじ4.5%
ぎふ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山内竜平の船室では、義父ちちにあたる野崎孝助と二人の息子が暗いうちから起きて、真剣な顔で何度目かの持物整理をやっていた。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
では友よ——義兄あにだったね! 君の父上平左衛門殿へ——そうそう僕にもお義父とうさんだったね? どうぞよろしくいってくれたまえ
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ええ。義父おやの花夜叉や仲間の衆は、御上覧田楽を誉れとして下りましたが、私だけは、この鎌倉下りこそ、もう自分の舞台のさいごぞと、ひそかに誓うてまいりました」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お義父とっさんこそ、百姓もしないで、馬市でばくちしたり、お酒のんだりしないがいいよ。よその人がみんな、おっ母が可哀そうだっていっているぜ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氏は三木羅風君の義父おとうさんだと紹介される。そこで羅風君の話が出る。ついこの出発の前夜に私たちが逢ったことも私は伝えた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
叔父さんが僕のおとっさんになった、僕はその後何度いくどもおともをして猟に行ったが、岩烏を見つけるとソッと石を拾って追ってくれた、義父おとっさんが見ると気嫌きげんを悪くするから。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「そうして、会いたいのは、山々ですが、家を出る時、ひとかどの男にならなければ帰らないと、誓った言葉がありますから——それに、義父おやじにはなおさら、今の姿では会えません」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ジェーンは義父ぎふ所天おっとの野心のために十八年の春秋しゅんじゅうを罪なくして惜気おしげもなく刑場に売った。にじられたる薔薇ばらしべより消え難きの遠く立ちて、今に至るまで史をひもとく者をゆかしがらせる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)