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得堪
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えた
ふりがな文庫
“
得堪
(
えた
)” の例文
浪子は
忿然
(
ふんぜん
)
として放ちたる眼光の、彼がまっ黒き目のすさまじきに見返されて、不快に
得堪
(
えた
)
えずぞっと震いつつ、はるかに目をそらしぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼を
喝
(
かつ
)
せし
怒
(
いかり
)
に任せて、
半
(
なかば
)
起したりし
体
(
たい
)
を投倒せば、
腰部
(
ようぶ
)
の
創所
(
きずしよ
)
を強く
抵
(
あ
)
てて、
得堪
(
えた
)
へず
呻
(
うめ
)
き苦むを、不意なりければ満枝は
殊
(
こと
)
に
惑
(
まど
)
ひて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
思ひもかけぬ旅僧の
手練
(
てなみ
)
に、さしもの大勢あしらひ兼ね、
白
(
しら
)
み渡つて見えたりければ、雲井喜三郎今は
得堪
(
えた
)
へず、
小癪
(
こしゃく
)
なる坊主の腕立て
哉
(
かな
)
。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
他に寒紅梅一枝の春をや探るならんと邪推なし、
瞋恚
(
しんい
)
を燃す胸の炎は一段の熱を加えて、鉄火五躰を
烘
(
あぶ
)
るにぞ、美少年は最早数分時も
得堪
(
えた
)
えずなりて
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
後に目科は余に向い「誠に残念ですが、勤めには代られぬ
譬
(
たとえ
)
です、此勝負は明日に譲り今日は是で失敬します」とて早や立去らん様子なり、勝負の中止も快からねど
夫
(
それ
)
よりも不審に
得堪
(
えた
)
えず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
常に
可忌
(
いまは
)
しと思へる物をかく
明々地
(
あからさま
)
に見せつけられたる貫一は、
得堪
(
えた
)
ふまじく
苦
(
にが
)
りたる
眉状
(
まゆつき
)
して
密
(
ひそか
)
に目を
翥
(
そら
)
しつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
渠の心は再び
得堪
(
えた
)
うまじく激動して、その身のいまや殺されんとするを
免
(
のが
)
れんよりも、なお幾層の危うき、恐ろしき
想
(
おも
)
いして、一秒もここにあるにあられず、出刃を投げ
棄
(
す
)
つるより早く
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は
殊
(
こと
)
に
推
(
お
)
して来にけるを、
得堪
(
えた
)
へず心の
尤
(
とが
)
むらん
風情
(
ふぜい
)
にて
佇
(
たたず
)
める
姿
(
すがた
)
限無
(
かぎりな
)
く
嬌
(
なまめ
)
きて見ゆ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
坂道
(
さかみち
)
に
得堪
(
えた
)
へぬらしい、なよ/\とした
風情
(
ふぜい
)
である。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
堪
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“得”で始まる語句
得
得意
得物
得心
得体
得々
得手
得度
得態
得策