“手練”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅれん34.5%
てだれ32.8%
てなみ8.6%
しゆれん5.2%
てくだ3.4%
てだ3.4%
てなれ3.4%
てれん3.4%
てぎわ1.7%
てな1.7%
タクト1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは米友の手練しゅれんだから、どうも仕方がありません。無法で突くのと、手練で突くのとの相違は、心得さえあれば直ぐにわかるはず。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一あめ、さっと聞くおもい、なりも、ふりも、うっちゃった容子のうちに、争われぬ手練てだれが見えて、こっちは、ほっと息をいた。……
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
思ひもかけぬ旅僧の手練てなみに、さしもの大勢あしらひ兼ね、しらみ渡つて見えたりければ、雲井喜三郎今は得堪えたへず、小癪こしゃくなる坊主の腕立てかな
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ほ、しや写真班しやしんはん英雄えいゆう、三うらさんが、自籠巌じこもりいはのぼり、御占場おうらなひば鉄階子てつはしご飛下とびおり、いたところ手練しゆれんのシヤターをしぼつたのも、保勝会ほしようくわい皆様みなさまはじめ、……十和田わだかみ……
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
即座にその場を一人ひとりだけで飛び出してしまいたい衝動と、もっと巧みな手練てくだでどうしても倉地をおびき出さなければいけないという冷静な思慮とが激しく戦い合った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
咄嗟にそこの長押なげしから短槍はずし取って青江流あおえりゅう手練てだれの位取りに構えながら威嚇したのは、九十一の老神官の沼田正守です。
奥のことは一切取り仕切って、永い間の手練てなれの世帯向きのように気が利いた。新吉の目から見ると、することが少し蓮葉はすはで、派手のように思われた。けれど働きぶりがき活きしている。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
必定ひつぢやう悪魔波旬はじゆん仕業しわざ。……(忽ち南蛮寺の門に気付きて)あれ、此処は邪法の窟宅くつたく、南蛮寺の門前なるよな。さてこそ必定邪法の手練てれん……
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
はだか武兵衛様のあのお手練てぎわは人間業とは思われぬ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして、さすが手練てなれた大きな肉切り包丁を鮮やかに使って見せ、肉も吟味に吟味して、やっとのこと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
葉子の頭に描かれた夫人はの強い、情のほしいままな、野心の深い割合に手練タクト露骨ろこつな、良人おっとを軽く見てややともするとかさにかかりながら、それでいて良人から独立する事の到底できない
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)