手練しゆれん)” の例文
ほ、しや写真班しやしんはん英雄えいゆう、三うらさんが、自籠巌じこもりいはのぼり、御占場おうらなひば鉄階子てつはしご飛下とびおり、いたところ手練しゆれんのシヤターをしぼつたのも、保勝会ほしようくわい皆様みなさまはじめ、……十和田わだかみ……
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しりへよりみの毛をさはらす、熊又まへにすゝむ。又さはり又すゝんで熊つひには穴の口にいたる。これをまちかまへたる猟師れふしども手練しゆれん槍尖やりさきにかけて突留つきとむる。一槍ひとやりあやまつときは熊の一掻ひとかきに一めいうしなふ。
もし井上侯を猛獣にたとへるなら、H氏は差し詰め手練しゆれんな猛獣使ひといふ事になる。猛獣使ひが余り名誉な職業しごとで無いと同じやうに、井上侯を手管てくだに取るのも、大して立派な事業しごとでは無かつた。
白縮はうち見たる所はおりやすきやうなれば、たゞ人はあやあるものほどにはおもはざれども、手練しゆれんはよく見ゆるもの也。村々の婦女ふぢよたちがちゞみに丹精たんせいつくす事なか/\小さつにはつくしがたし。