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忍
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しのび
ふりがな文庫
“
忍
(
しのび
)” の例文
「これは自慢にはなりませぬが、私血統より慶長年間、高阪甚内と申す賊、三甚内の一人として出で
忍
(
しのび
)
の術もて横行いたしました」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
初陣
(
ういじん
)
の此の
若武者
(
わかむしゃ
)
、霧に打たれ、雨に悩み、
妖婆
(
ようば
)
のために取つて伏せられ、
忍
(
しのび
)
の
緒
(
お
)
をプツツリ切つて
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見て此品は一昨夜我等方へ
盜賊
(
たうぞく
)
忍
(
しのび
)
入
(
いつ
)
て
盜
(
ぬす
)
まれし娘が
簪
(
かんざ
)
しなり如何して手に入しやと問ければ與兵衞大に肝を潰し彼旅籠屋の
客人
(
きやくじん
)
より
買
(
かひ
)
たりと答ふるに利兵衞
礑
(
はた
)
と
横手
(
よこて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
島は、
浮
(
うき
)
島、
八十
(
やそ
)
島。浜は、
長浜
(
ながはま
)
。浦は、
生
(
おう
)
の浦、和歌の浦。寺は、壺坂、笠置、法輪。森は、
忍
(
しのび
)
の森、
仮寝
(
うたたね
)
の森、
立聞
(
たちぎき
)
の森。関は、なこそ、白川。古典ではないが、着物の名称など。
古典竜頭蛇尾
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
敵前間近く冑の
忍
(
しのび
)
の緒を締め、鎗をしごいて立った兵等の勇気は百倍した。
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
種彦は最初一目見るが早いか、
忍
(
しのび
)
入った
彼
(
か
)
の男というはほど遠からぬ
鳥越
(
とりごえ
)
に立派な店を構えた紙問屋の若旦那で、一時
己
(
おの
)
れの弟子となった処から
柳絮
(
りゅうじょ
)
という俳号をも与えたものである事を知っていた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
学者でもあるし茶人でもあるし、伊賀流の
忍
(
しのび
)
もよくするし、侠気もあれば気概もあったが、放浪性に富んでいて、物に飽き易くて辛抱がなくて、
則
(
のり
)
に附くことが出来なかった。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
悪心むらむらと
起
(
おこ
)
り、介抱もせず、呼びも
活
(
い
)
けで、
故
(
わざ
)
と
灯火
(
ともしび
)
を
微
(
ほのか
)
にし、「かくては
誰
(
た
)
が眼にも……」と
北叟笑
(
ほくそゑ
)
みつゝ、
忍
(
しのび
)
やかに
立出
(
たちい
)
で、
主人
(
あるじ
)
の
閨
(
ねや
)
に
走行
(
はしりゆ
)
きて、
酔臥
(
ゑひふ
)
したるを
揺覚
(
ゆりさ
)
まし
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
形勢非となったので憤然として母衣を脱して家来にわたし、わが子信豊に与えて
遺物
(
かたみ
)
となし、兜の
忍
(
しのび
)
の緒をきって三尺の大刀をうちふり、群がり来る越兵をきりすて薙たおし、鬼神の如く戦ったが
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
滝太郎と
囁
(
ささや
)
き合い、かかることに
馴
(
な
)
れて
忍
(
しのび
)
の術を得たるごとき両個の人物は、ものおもうお雪が
寝起
(
ねおき
)
の目にも留まらず、垣を
潜
(
くぐ
)
って外へ出ると、まだ閉切ってある、荒物屋の小店の、
燻
(
くすぶ
)
った
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
万歳々々
(
ばんざいばんざい
)
、今夜お
忍
(
しのび
)
か。)
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忍
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
“忍”を含む語句
堪忍
忍耐
忍冬
忍返
耐忍
忍坂
不忍池
忍術
忍入
忍川
忍笑
忍耐力
陰忍
忍路
不忍
忍辱
残忍
勘忍
忍込
忍草
...