“我(お)” の例文
角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふふんと言つてあの兀頭(はげあたま)には惜しい物だ、御初穂(おはつう)を我(お)れでも着て遣(や)らうかと言へば
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ところで下枝の方は、我(お)れが女房にして、公債や鉄道株、ありたけの財産を、我(お)れが名に書き替えてト大分旨い仕事だな。しかし、下枝めがまた悪く強情で始末におえねえ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我(お)れが餡(あん)この種なしに成つてもう今からは何を売らう、直様(すぐさま)煮かけては置いたけれど中途(なかたび)お客は断れない、どうしような、と相談を懸けられて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我(お)れも、あの創を目標(めじるし)にして這(しゃ)ッ面(つら)を覚えておりますのだ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我(お)れが饀(あん)この種(たね)なしに成(な)つて最(も)う今(いま)からは何(なに)を賣(う)らう、直樣(すぐさま)煮(に)かけては置(お)いたけれど中途(なかたび)お客(きやく)は斷(ことは)れない、何(ど)うしような、と相談(そうだん)を懸(か)けられて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
向(むか)ふの主人(しゆじん)もお前(まへ)の姿(すがた)を褒(ほ)めて居(ゐ)るさうに聞(き)いたぞと、録(ろく)でもなき根(ね)すり言(ごと)、懶怠者(なまけもの)だ懶怠者(なまけもの)だ、我(お)れは懶怠者(なまけもの)の活地(いくぢ)なしだと大(だい)の字(じ)に寐(ね)そべつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我(お)れが私立の寐ぼけ生徒といはれればお前の事も同然だから、後生だ、どうぞ、助けると思つて大万燈(おほまんどう)を振廻しておくれ、己れは心(しん)から底から口惜しくつて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我(お)れが私立(しりつ)の寢(ね)ぼけ生徒(せいと)といはれゝばお前(まへ)の事(こと)も同然(どうぜん)だから、後生(ごせう)だ、どうぞ、助(たす)けると思(おも)つて大萬燈(おほまんどう)を振廻(ふりまわ)しておくれ、己(お)れは心(しん)から底(そこ)から口惜(くや)しくつて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白粉つけて美(い)い衣類(きもの)きて迷ふて來る人を誰れかれなしに丸めるが彼の人達が商賣、あゝ我(お)れが貧乏に成つたから構いつけて呉れぬなと思へば何の事なく濟ましよう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白粉(おしろい)つけて美(い)い衣類(きもの)きて迷ふて来る人を誰(た)れかれなしに丸めるがあの人達が商売、ああ我(お)れが貧乏に成つたから搆(かま)いつけてくれぬなと思へば何の事なく済(すみ)ましよう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あのやうな狸(たぬき)の忘れられぬは何の因果かと胸の中かき廻されるやうなるに、我れながら未練ものめと叱(しか)りつけて、いや我(お)れだとてその様に何時(いつ)までも馬鹿ではいぬ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白粉(おしろい)つけて美(い)い衣類(きもの)きて迷(まよ)ふて來(く)る人(ひと)を誰(た)れかれなしに丸(まる)めるが彼(あ)の人達(ひとたち)が商買(しやうばい)、あゝ我(お)れが貧乏(びんぼう)に成(な)つたから搆(かま)いつけて呉(く)れぬなと思(おも)へば何(なん)の事(こと)なく濟(すみ)ましよう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手前が居ぬからとて乞食にもなるまじく太吉が手足の延ばされぬ事はなし、明けても暮れても我(お)れが店おろしかお力への妬み、つくづく聞き飽きてもう厭やに成つた
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手前が居ぬからとて乞食にもなるまじく太吉が手足の延ばされぬ事はなし、明けても暮れても我(お)れが店(たな)おろしかお力への妬(ねた)み、つくづく聞き飽きてもう厭(い)やに成つた
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手前(てまへ)が居(ゐ)ぬからとて乞食(こじき)にもなるまじく太吉(たきち)が手足(てあし)の延(の)ばされぬ事(こと)はなし、明(あ)けても暮(く)れても我(お)れが店(たな)おろしかお力(りき)への妬(ねた)み、つくづく聞(き)き飽(あ)きてもう厭(い)やに成(な)つた
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ねへ美登利さん今度一処に写真を取らないか、我(お)れは祭りの時の姿(なり)で、お前は透綾(すきや)のあら縞(じま)で意気な形(なり)をして、水道尻(すいだうじり)の加藤でうつさう、龍華寺の奴が浦山しがるやうに
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
默つて居れば能い事にして惡口雜言は何の事だ、知人(しつたひと)なら菓子位子供にくれるに不思議もなく、貰ふたとて何が惡い、馬鹿野郎呼はりは太吉をかこつけに我(お)れへの當こすり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
己(おい)らあ今度のまつりには如何しても亂暴に仕掛て取かへしを付けようと思ふよ、だから信さん友達がひに、夫れはお前が嫌やだといふのも知れてるけれども何卒我(お)れの肩を持つて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夫(そ)れはお前(まへ)が嫌(い)やだといふのも知(し)れてるけれども何卒(どうぞ)我(お)れの肩(かた)を持(も)つて、横町組(よこてうぐみ)の耻(はじ)すゝぐのだから、ね、おい、本家本元(ほんけほんもと)の唱歌(しようか)だなんて威張(ゐば)りおる正太郎(しようたらう)を取(とつ)ちめて呉(く)れないか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴樣(きさま)が出(で)ずば何(どち)ら道(みち)同(おな)じ事(こと)をしくもない九尺(しやく)二間(けん)、我(お)れが小僧(こぞう)を連(つ)れて出(で)やう、さうならば十分(ぶん)に我鳴(がな)り立(たて)る都合(つがう)もよからう、さあ貴樣(きさま)が行(ゆ)くか、我(お)れが出(で)ようかと烈(はげ)しく言(い)はれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は今夜中に此れ一枚(ひとつ)を上げねば成らぬ、角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふゝんと言つて彼の兀頭(はげあたま)には惜しい物だ、御初穗(おはつう)を我(お)れでも着て遣らうかと言へば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何(ど)うで我(お)れは此樣(このやう)な活地(いくぢ)なし、馬車(ばしや)は思(おも)ひも寄(よ)らぬ事(こと)、此後(このご)辻車(つぢぐるま)ひくやら知(し)れた物(もの)で無(な)ければ、今(いま)のうち身(み)の納(おさま)りを考(かんが)へて、利口(りこう)で物(もの)の出來(でき)る、學者(がくしや)で好男子(いろをとこ)で、年(とし)の若(わか)いに乘(のり)かへるが隨(ずゐ)一であらう
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)