トップ
>
優
>
まし
ふりがな文庫
“
優
(
まし
)” の例文
明日
(
あした
)
から引っ込んでるがいい。店へなんぞ出られると、かえって家業の邪魔になる。奥でおん
襤褸
(
ぼろ
)
でも
綴
(
つづ
)
くッてる方がまだしも
優
(
まし
)
だ。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お葉は覚悟を
極
(
き
)
めた。
𤢖
(
わろ
)
見たような奴等の
玩弄
(
おもちゃ
)
になる位ならば、
寧
(
いっ
)
そ死んだ方が
優
(
まし
)
である。
彼女
(
かれ
)
は足の向く方へと
遮二無二
(
しゃにむに
)
と進んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
次いで糧食乏しくなりて人
相食
(
あいは
)
むに
迨
(
およ
)
んだ、その時一婦人坐して餓死するよりはいっそインディアンか野獣に殺さるるが
優
(
まし
)
と決心して
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
どうぞして
物
(
もの
)
にせうと
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
まっしゃるのぢゃが、あのよな
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
ふよりは、
予
(
わし
)
ゃ
蟾蜍
(
ひきがへる
)
に
逢
(
あ
)
うたはうが
優
(
まし
)
ぢゃ、と
言
(
い
)
うてな、あの
蟾蜍
(
ひきがへる
)
に。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
早速右の肩が
瘤
(
こぶ
)
の様に
腫
(
は
)
れ上がる。明くる日は左の肩を使ふ。左は勝手が悪いが、痛い右よりまだ
優
(
まし
)
と、左を使ふ。直ぐ左の肩が腫れる。両肩の
腫瘤
(
こぶ
)
で人間の駱駝が出来る。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
早速右の肩が
瘤
(
こぶ
)
の様に
腫
(
は
)
れ上がる。明くる日は左の肩を使う。左は
勝手
(
かって
)
が悪いが、痛い右よりまだ
優
(
まし
)
と、左を使う。直ぐ左の肩が腫れる。
両肩
(
りょうかた
)
の
腫瘤
(
こぶ
)
で人間の駱駝が出来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
の誰とかに
肖
(
に
)
てるッて御意の上……(私は人の妾やよって、えらい相違もないやろけれど、畜生に世話になるより、ちっとは
優
(
まし
)
や。旦那に頼んで出世させて上げる、来なはれ、)
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「とても、想像も出来ないくらいの
吝嗇漢
(
けちんぼ
)
でな。監獄の中の懲役人だって、あれよりゃ
優
(
まし
)
な暮らしをしていまさあね。あいつの家じゃあ、みんなを飢え死にさせてしまったのですからね。」
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「そんなだつたら四十字迄はいいでせう、泣かれるよりか
優
(
まし
)
ですからね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
遁
(
のが
)
るゝこそ
優
(
まし
)
ならめ
然
(
さり
)
ながら如何なる因果の報いにや我
幼少
(
えうせう
)
にて父に
後
(
おく
)
れ
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
の其中に又母をも
亡
(
うしな
)
ひしかど兩親の
遺言
(
ゆゐごん
)
を大事に守り江戸にて五ヶ年の千
辛
(
しん
)
萬苦
(
ばんく
)
も水の
泡
(
あわ
)
蟻
(
あり
)
の
塔
(
たふ
)
を
組
(
くみ
)
鶴
(
つる
)
の
粟
(
あは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
立たして置いて奥さんは新聞紙で帽子を
拵
(
こしら
)
えて乃公の頭に
被
(
かぶ
)
せた。いくら見せしめの為めだって
余
(
あんま
)
り人を馬鹿にしている。「これでも仮髪よりか
優
(
まし
)
だ」と言ったら、奥さんは火のようになって怒った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼に打たれて、光榮の死を遂ぐる事
優
(
まし
)
ならむ。 110
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「それじゃお前、初めの話と違うぞえ、そのくらいなら日本橋にいた方がまだしも
優
(
まし
)
だ。続いて今までおればよかったに。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
おとなしい彼女は世間にもう顔向けができないように思って、その事実の
有無
(
うむ
)
を弁解するよりも、いっそ死んだ方が
優
(
まし
)
であると一途に思いつめた。
半七捕物帳:24 小女郎狐
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
萠黄色
(
もえぎいろ
)
の、
活々
(
いき/\
)
とした
美
(
うつく
)
しい
眼附
(
めつき
)
、
鷲
(
わし
)
の
目
(
め
)
よりも
立派
(
りっぱ
)
ぢゃ。ほんに/\、こんどのお
配偶
(
つれあひ
)
こそ
貴孃
(
こなた
)
のお
幸福
(
しあはせ
)
であらうぞ、
前
(
まへ
)
のよりはずっと
優
(
まし
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いかなる理由ありてか、紀州でウグちゅう魚に刺されたら、一日ばかり劇しく痛み、死ぬ方が
優
(
まし
)
じゃなど叫ぶ時、女の陰毛三本で創口を
衝
(
つ
)
かば治るという。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
両手に提げるより
幾何
(
いくら
)
か
優
(
まし
)
だが、使ひ馴れぬ肩と腰が思ふ様に言ふ事を聴いてくれぬ。天秤棒に肩を入れ、
曳
(
えい
)
やつと立てば、腰がフラ/\する。膝はぎくりと折れさうに
体
(
からだ
)
は
顛倒
(
ひつくりかへ
)
りさうになる。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
支那にある活動小屋の
優
(
まし
)
なのは、大抵米国人の経営で、そんなのを数へ立ててみると、
彼是
(
かれこれ
)
八十余りもあるが、それが揃ひも揃つて
観客
(
けんぶつ
)
の一万五千をも
容
(
い
)
れる事が出来ると聞いては一寸驚かれる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鮎
(
あゆ
)
の大きいのは越中の自慢でありますが、もはや落鮎になっておりますけれども、
放生津
(
ほうじょうづ
)
の
鱈
(
たら
)
や、
氷見
(
ひみ
)
の
鯖
(
さば
)
より
優
(
まし
)
でありまするから、
魚田
(
ぎょでん
)
に致させまして、吸物は
湯山
(
ゆさん
)
の
初茸
(
はつたけ
)
、後は玉子焼か何かで
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
買って
戻
(
もど
)
った天秤棒で、早速翌朝から手桶とバケツとを振り分けに
担
(
にの
)
うて、
汐汲
(
しおく
)
みならぬ髯男の水汲と出かけた。両手に提げるより
幾何
(
いくら
)
か
優
(
まし
)
だが、使い馴れぬ肩と腰が思う様に言う事を聴いてくれぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見に
釣
(
つる
)
し上られた
儘
(
まゝ
)
死
(
し
)
したる體ゆゑ重四郎も
流石
(
さすが
)
氣の毒に思ひハヽア僧主は僧主
丈
(
だけ
)
正直な者然し
打殺
(
うちころ
)
さるゝ迄云ぬと言ふは武士にも
優
(
まし
)
た丈夫な
精神
(
たましひ
)
天晴々々
(
あつぱれ/\
)
感心した然し彼の掃部めは三五郎が殺したと心得しは
鐵扇
(
てつせん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
逝かば却つて
優
(
まし
)
ならむ、汝のために斯く願ふ
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「
手前
(
てめえ
)
のような能なしを飼っておくより、猫の子を飼っておく方が、はるかに
優
(
まし
)
だ。」とか、「さっさと出て行ってくれ、そうすれば己も
晴々
(
せいせい
)
する。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
斯
(
こ
)
うなるからは
寧
(
いっ
)
そのこと、どん底まで
真直
(
まっすぐ
)
に降りて行って、
彼
(
か
)
のお杉の安否を
確
(
たしか
)
めた方が
優
(
まし
)
かも知れぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
誰
(
た
)
れぞ
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
され、たれぞ!
姫
(
ひい
)
さまが
死
(
し
)
なしゃってぢゃ! おゝ、
悲
(
かな
)
しや/\、
生
(
うま
)
れなんだが
優
(
まし
)
であったものを!
速
(
はや
)
う
火酒
(
しゃうちう
)
を
持
(
も
)
って
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
され!
殿
(
との
)
さまえ、
奧
(
おく
)
さま!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
また仏教に
摩睺羅伽
(
まほらか
)
てふ一部の下等神ありて天、竜、夜叉、
乾闥婆
(
けんだつば
)
、阿修羅、
金翅鳥
(
がるら
)
、
緊那羅
(
きんなら
)
の最後に
列
(
なら
)
んで八部を成す。いずれも働きは人より
優
(
まし
)
だが人ほど前途成道の望みないだけが劣るという。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
麋鹿並びに猛獸を屠ふることこそ
優
(
まし
)
ならめ。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
苟且
(
かりそめ
)
の平和より真面目の争はまだ
優
(
まし
)
です。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いや、
其
(
そ
)
の乞食すらも満足に
能
(
でき
)
るか
何
(
ど
)
うだか解ったものでは無い。
斯
(
こ
)
うなると、人間よりも犬の方が
寧
(
いっ
)
そ
優
(
まし
)
である。お葉は犬にも劣った重太郎の不幸に泣いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
あっし
)
はまた、どうせ死んでるんだから、なまじい顔でも見ちゃ、かえっていい心持がしねえだろうから、見ない方が
優
(
まし
)
だという考えで……それにあのころは、小野の公判があるんで
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
世間には親の病気を癒す為に身を売る娘もあるそうだが、
寧
(
いっ
)
そその方が
優
(
まし
)
であったろう。
黄八丈の小袖
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「一生職人で終る人間だね。それでも田を踏んで暮す親よりかいくらか
優
(
まし
)
だろう」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「私は何だか一向不調法ですが……娘の方はいくらか
優
(
まし
)
でござんす。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この唄はむしろこの人々と共に亡びてしまう方が
優
(
まし
)
かも知れない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“優”の意味
《名詞》
(ユウ)大学等の成績評価で最上位のもの。 cf.良、可、不可。
(出典:Wiktionary)
優
常用漢字
小6
部首:⼈
17画
“優”を含む語句
俳優
優雅
優美
優婉
優劣
優渥
優容
優柔
優越
優秀
優子
優男
優婆塞
優等
優艶
優善
女俳優
優婆夷
優勢
優勝劣敗
...