トップ
>
曲
>
ま
ふりがな文庫
“
曲
(
ま
)” の例文
そして、あたりは
静
(
しず
)
かであって、ただ、
遠
(
とお
)
い
街
(
まち
)
の
角
(
かど
)
を
曲
(
ま
)
がる
荷車
(
にぐるま
)
のわだちの
音
(
おと
)
が、
夢
(
ゆめ
)
のように
流
(
なが
)
れて
聞
(
き
)
こえてくるばかりであります。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
草がからだを
曲
(
ま
)
げて、パチパチ
云
(
い
)
ったり、さらさら鳴ったりしました。霧が
殊
(
こと
)
に
滋
(
しげ
)
くなって、
着物
(
きもの
)
はすっかりしめってしまいました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、ここで
余一
(
よいち
)
はことばをきって、オオ、じぶんはなにをきかれて、なにを答えようとしていたのかと、かわいい首をすこし
曲
(
ま
)
げた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其処
(
そこ
)
でもう
所詮
(
しよせん
)
叶
(
かな
)
はぬと
思
(
おも
)
つたなり、これは
此
(
こ
)
の
山
(
やま
)
の
霊
(
れい
)
であらうと
考
(
かんが
)
へて、
杖
(
つえ
)
を
棄
(
す
)
てゝ
膝
(
ひざ
)
を
曲
(
ま
)
げ、じり/\する
地
(
つち
)
に
両手
(
りやうて
)
をついて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
品
(
しな
)
の
硬着
(
かうちやく
)
した
身體
(
からだ
)
は
曲
(
ま
)
げて
立膝
(
たてひざ
)
にして
棺桶
(
くわんをけ
)
へ
入
(
い
)
れられた。
首
(
くび
)
が
葢
(
ふた
)
に
觸
(
さは
)
るので
骨
(
ほね
)
の
挫
(
くぢ
)
けるまで
抑
(
おさ
)
へつけられてすくみが
掛
(
か
)
けられた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「是から
先
(
さき
)
は図書館でなくつちや物足りない」と云つて
片町
(
かたまち
)
の方へ
曲
(
ま
)
がつて仕舞つた。此一言で三四郎は始めて図書館に這入る事を知つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
柄
(
つか
)
の
頭
(
あたま
)
が
槌
(
つち
)
の
頭
(
あたま
)
、あるひは
拳
(
こぶし
)
を
曲
(
ま
)
げたような
形
(
かたち
)
をしてゐるもので、
多
(
おほ
)
くは
金
(
きん
)
めっきをした
銅
(
どう
)
で
出來
(
でき
)
て、
非常
(
ひじよう
)
にきれいなものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その濠に沿って
曲
(
ま
)
がって一町ほど行った所が役場だと清三は教えられた。かれはここで車代を二十銭払って、車を捨てた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ロミオ マーキューシオーどの、
恕
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
され、
實
(
じつ
)
は
是非
(
ぜひ
)
ない
所用
(
しょよう
)
があったからぢゃ。あんな
際
(
をり
)
には、つい、その、
禮
(
れい
)
を
曲
(
ま
)
ぐることがある
習
(
なら
)
ひぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
育
(
そだ
)
ちのいい
家鴨
(
あひる
)
の
子
(
こ
)
はそのお
父
(
とう
)
さんやお
母
(
かあ
)
さんみたいに、ほら、こう
足
(
あし
)
を
広
(
ひろ
)
くはなしてひろげるもんなのだ。さ、
頸
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げて、グワッって
言
(
い
)
って
御覧
(
ごらん
)
。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
嘘つき佐平、で有名な佐平爺は、嘘をつくときには、いつも口尻を
曲
(
ま
)
げるのが癖だった。併し、その口尻の曲がりは、より話に真実性を持たせるのだった。
熊の出る開墾地
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
私と木村氏とはありとあらゆる秘戯の限りを尽して遊んだ。私は木村氏がこうしてほしいと云うことは何でもした。何でも彼の注文通りに身を
捻
(
ね
)
じ
曲
(
ま
)
げた。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
雑木林を抜けて、裏街道を停車場の方へ足を向けた菜穂子は、前方から吹きつける雪のために、ときどき身を
捩
(
よ
)
じ
曲
(
ま
)
げて立ち止まらなければならなかった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
殿様
(
とのさま
)
はそこで、その
玉
(
たま
)
を手に
取
(
と
)
ってよくごらんになりますと、
玉
(
たま
)
の中にごく
小
(
ちい
)
さな
穴
(
あな
)
が
曲
(
ま
)
がりくねってついていて、どうしたって
糸
(
いと
)
の
通
(
とお
)
るはずがありませんでした。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
なかにも婦人客は、神様が
接吻
(
キツス
)
と嘘とのために特別きやしやに拵へたらしい唇を、邪慳に
圧
(
へ
)
し
曲
(
ま
)
げて、
軽蔑
(
さげす
)
みきつた眼つきをして、この黄いろい肌の日本人を見た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
筆
(
ふで
)
の
軸
(
ぢく
)
は
先
(
さき
)
の
方
(
はう
)
だけを
小刀
(
こがたな
)
か
何
(
なに
)
かで
幾
(
いく
)
つにも
割
(
わ
)
りまして、
朝顏
(
あさがほ
)
のかたちに
折
(
を
)
り
曲
(
ま
)
げるといゝのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お
花
(
はな
)
の
手
(
て
)
から
羽織
(
はおり
)
を
引
(
ひ
)
ッたくった
伝吉
(
でんきち
)
は、
背筋
(
せすじ
)
が二
寸
(
すん
)
も
曲
(
ま
)
がったなりに
引
(
ひ
)
ッかけると、もう一
度
(
ど
)
お
花
(
はな
)
の
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
りもぎって、
喧嘩犬
(
けんかいぬ
)
のように、
夢中
(
むちゅう
)
で
見世
(
みせ
)
を
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
うつかり金の話をすると、お靜の髮の物までも
曲
(
ま
)
げ
兼
(
か
)
ねない、錢形平次の氣性が、八五郎に取つては、嬉しいやうな悲しいやうな、まことに變てこなものだつたのです。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
背中をすべっこい壁にもたせかけ、
脚
(
あし
)
を
曲
(
ま
)
げ、両手を
膝
(
ひざ
)
の上に組み、じっとしていると、まことに工合がよい。実際、これ以上場所を取らないというわけには行くまい。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
釜右ヱ門
(
かまえもん
)
は
金
(
きん
)
の
茶釜
(
ちゃがま
)
のある
家
(
いえ
)
を五
軒
(
けん
)
見
(
み
)
とどけますし、
海老之丞
(
えびのじょう
)
は、五つの
土蔵
(
どぞう
)
の
錠
(
じょう
)
をよくしらべて、
曲
(
ま
)
がった
釘
(
くぎ
)
一
本
(
ぽん
)
であけられることをたしかめますし、
大工
(
だいく
)
のあッしは
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
あるいは
極
(
ごく
)
上等に出来たとしても、
話頭
(
はなし
)
を
漸々
(
ぜんぜん
)
に
曲
(
ま
)
げて自分の痛いところより遠く離さんとし、然らざれば正反対に自分の弱点を弁護するごとき議論や物語をしたりする。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
かきあみとは
攩網
(
すくひだま
)
なり、鮏を
攩
(
すく
)
ひ
捕
(
と
)
るをいふ。その
攩
(
すく
)
ひ
網
(
だま
)
の作りやうは又ある木の
枝
(
えだ
)
を
曲
(
ま
)
げあはせて
飯櫃
(
いひびつ
)
なりに作りこれに
網
(
あみ
)
の
帒
(
ふくろ
)
をつけ、長き
柄
(
え
)
ありてすくふたよりとす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
窓のへりなどにつかまって身を
曲
(
ま
)
げていると、勝った方の子がそれに
馬乗
(
うまの
)
りになって、指を出して、その数を下の子にいい当てさせ、それが当るまではこの問答をくりかえし
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
母
(
はゝ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
何方
(
いづかた
)
に
走
(
はし
)
れりとも
知
(
し
)
らで、
乳
(
ちゝ
)
に
飽
(
あ
)
きれば
乳房
(
ちぶさ
)
に
顏
(
かほ
)
を
寄
(
よ
)
せたるまゝ
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
なく
寐入
(
ねいり
)
し
兒
(
ちご
)
の、
頬
(
ほゝ
)
は
薄絹
(
うすぎぬ
)
の
紅
(
べに
)
さしたるやうにて、
何事
(
なにごと
)
を
語
(
かた
)
らんとや
折々
(
をり/\
)
曲
(
ま
)
ぐる
口元
(
くちもと
)
の
愛
(
あい
)
らしさ
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
前髮
(
まへがみ
)
を
切
(
き
)
り
下
(
さげ
)
て
可愛
(
かはゆ
)
く
之
(
これ
)
も
人形
(
じんぎやう
)
のやうに
順
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
る
廣庭
(
ひろには
)
では六十
以上
(
いじやう
)
の
而
(
しか
)
も
何
(
いづ
)
れも
達者
(
たつしや
)
らしい
婆
(
ばあ
)
さんが三
人立
(
にんたつ
)
て
居
(
ゐ
)
て
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
の
赤兒
(
あかんぼ
)
を
脊負
(
おぶつ
)
て
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げ
居
(
を
)
るのが
何事
(
なにごと
)
か
婆
(
ばあ
)
さん
聲
(
ごゑ
)
を
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
保吉は少し
体
(
からだ
)
を
扭
(
ね
)
じ
曲
(
ま
)
げ、向うの窓の下を
覗
(
のぞ
)
いて見た。まず彼の目にはいったのは何とか
正宗
(
まさむね
)
の広告を兼ねた、まだ火のともらない
軒燈
(
けんとう
)
だった。それから巻いてある
日除
(
ひよ
)
けだった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして
自分
(
じぶん
)
の
部屋
(
へや
)
に
入
(
はひ
)
ると、
古
(
ふる
)
びた
青
(
あを
)
いビロードの
椅子
(
いす
)
に
腰
(
こし
)
をおろして、その
膝
(
ひざ
)
をもんだり、
痛
(
いた
)
さをこらへて
少
(
すこ
)
しでも
折
(
を
)
り
曲
(
ま
)
げやうとしたり、または
罨法
(
あんはふ
)
してそつとのばしたり
等
(
など
)
した。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
胴体
(
どうたい
)
も、手も、足も、黒い鉄の輪が、何十となく、かさなりあったような形をしています。ですから、鉄でできていても、自由自在に、
曲
(
ま
)
がるらしいのです。大きな鉄の
靴
(
くつ
)
をはいています。
電人M
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
酒田山王山で
鰕
(
えび
)
ンコとかんじかコ(かんじかコはかじか=鰍のこと)と
相撲
(
すも
)
取つたば(取ったれば)コバエテ/\、蝦コなして(何故に)又
腰
(
こし
)
や
曲
(
ま
)
がた、かんじかコと
相撲
(
すも
)
取つて投んげられて
春雪の出羽路の三日
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
もともと
神霊界
(
しんれいかい
)
ありての
人間界
(
にんげんかい
)
なのでございますから、
今更
(
いまさら
)
人間
(
にんげん
)
が
旋毛
(
つむじ
)
を
曲
(
ま
)
げて
神様
(
かみさま
)
を
無視
(
むし
)
するにも
及
(
およ
)
びますまい。
神様
(
かみさま
)
の
方
(
ほう
)
ではいつもチャーンとお
膳立
(
ぜんだて
)
をして
待
(
ま
)
って
居
(
い
)
て
下
(
くだ
)
さるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
全川の水は
捩
(
ね
)
じ
曲
(
ま
)
げられた様に左に折れて、また
滔々
(
とう/\
)
と流して
行
(
ゆ
)
く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それを
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
へ
曲
(
ま
)
げなければなりませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
風
(
かぜ
)
がなくていいな。」と
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
だけれど
思
(
おも
)
っていたときです。
蒸気
(
じょうき
)
ポンプの
轍
(
わだち
)
が、あちらの
広
(
ひろ
)
い
通
(
とお
)
りを
横
(
よこ
)
の
方
(
ほう
)
へ
曲
(
ま
)
がったようです。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お母さんは、
曲
(
ま
)
げ
物
(
もの
)
の二つの
櫃
(
ひつ
)
と、
達二
(
たつじ
)
の小さな
弁当
(
べんとう
)
とを紙にくるんで、それをみんな
一緒
(
いっしょ
)
に大きな
布
(
ぬの
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
に
包
(
つつ
)
み
込
(
こ
)
みました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、静かに、
曲
(
ま
)
がった
烏帽子
(
えぼし
)
の
緒
(
お
)
をむすび直すあいだに、薄い自嘲と度胸をすえた
太々
(
ふてぶて
)
しさとを、どこやらにたたえていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おつぎは二
町
(
ちやう
)
ばかり
上流
(
じやうりう
)
の
板橋
(
いたばし
)
を
渡
(
わた
)
つて
行
(
い
)
つて、
漸
(
やうや
)
くのことで
枝
(
えだ
)
を
曲
(
ま
)
げて
其
(
その
)
針
(
はり
)
をとつた。さうして
又
(
また
)
與吉
(
よきち
)
の
棒
(
ぼう
)
へ
附
(
つ
)
けてやつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
取り上げて、
障子
(
しょうじ
)
の方へ向けて見る。障子には植木鉢の
葉蘭
(
はらん
)
の影が暖かそうに写っている。首を
曲
(
ま
)
げて、
覗
(
のぞ
)
き込むと、
杢
(
もく
)
の字が小さく見える。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
縞
(
しま
)
の
羽織
(
はおり
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
を
細
(
ほそ
)
く
着
(
き
)
た、
脇
(
わき
)
あけの
口
(
くち
)
へ、
腕
(
かひな
)
を
曲
(
ま
)
げて、
些
(
ちつ
)
と
寒
(
さむ
)
いと
云
(
い
)
つた
體
(
てい
)
に、
兩手
(
りやうて
)
を
突込
(
つツこ
)
み、ふりの
明
(
あ
)
いた
處
(
ところ
)
から、
赤
(
あか
)
い
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
が
見
(
み
)
える。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つまりあの
方
(
かた
)
を
見失
(
みうし
)
わない
様
(
よう
)
にしてみんなが
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
ってる
証拠
(
しょうこ
)
なの。さあさ、そんなに
趾
(
あしゆび
)
を
内側
(
うちがわ
)
に
曲
(
ま
)
げないで。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
岸には
楊
(
やなぎ
)
がその葉を水面にひたして
漣
(
さざなみ
)
をつくっている。細い板橋が川の
折
(
お
)
れ
曲
(
ま
)
がったところにかかっている。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そこでまた
国中
(
くにじゅう
)
へおふれを
出
(
だ
)
して、
曲
(
ま
)
がりくねった
玉
(
たま
)
の
穴
(
あな
)
に
絹糸
(
きぬいと
)
を
通
(
とお
)
す
者
(
もの
)
があったら、たくさんの
褒美
(
ほうび
)
をやると
告
(
つ
)
げ
知
(
し
)
らせました。これでまた
国中
(
くにじゅう
)
のさわぎになりました。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
曲
(
ま
)
げて
捻
(
ねじ
)
って
紺屋
(
こうや
)
などにも持って行くのだが、以前は
機
(
はた
)
を織る女がそのままで首に掛けていることもあったらしく、それが大きな蚯蚓の首に白い輪のあるものと似ているので
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
自己の心の
据
(
す
)
えどころこそ成敗を
測
(
はか
)
る
尺度
(
しゃくど
)
であって、この尺度が
曲
(
ま
)
がらぬ以上は、いかなる失敗に
遭遇
(
そうぐう
)
しても心に
憂
(
うれ
)
うることがない、これ
霊丹
(
れいたん
)
一
粒
(
りゅう
)
、鉄を
点
(
てん
)
じて
金
(
きん
)
と成すものか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
母が心の
何方
(
いづかた
)
に走れりとも知らで、乳に
倦
(
あ
)
きれば乳房に顔を寄せたるまゝ思ふ事なく
寐入
(
ねいり
)
し
児
(
ちご
)
の、
頬
(
ほう
)
は
薄絹
(
うすぎぬ
)
の
紅
(
べに
)
さしたるやうにて、何事を語らんとや、
折々
(
をり/\
)
曲
(
ま
)
ぐる口元の愛らしさ
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
イズムと云ふ意味や必要と云ふ意味が、考へ次第でどうにでも
曲
(
ま
)
げられさうです。
イズムと云ふ語の意味次第
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「もう一つ。三人のうち二人、或は三人共無實であらう。父親が娘を
庇
(
かば
)
ひ、娘が父親を庇ふ心根がいかにも
不憫
(
ふびん
)
、助けられるものなら助けてやりたい、
曲
(
ま
)
げて力を貸してはくれまいか」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もっとおとなしいものは、運動場の中を
千篇一律
(
せんぺんいちりつ
)
に廻っていたが、これは、「さようなら」のしるしに手を振ってみせる。小使いは、鞄の下で背中を
曲
(
ま
)
げ、
隔
(
へだ
)
たりを保つために止まっている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
マーキュ ふん、あんな
際
(
をり
)
には、
足腰
(
あしこし
)
の
曲
(
ま
)
げ
方
(
かた
)
が
異
(
ちが
)
ふといふのぢゃな?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
中
(
なか
)
には、
顔
(
かお
)
さえ
洗
(
あら
)
やもう
用
(
よう
)
はねえと、
流
(
なが
)
しのまん
中
(
なか
)
に
頑張
(
がんば
)
って、四
斗樽
(
とだる
)
のような
体
(
からだ
)
を、あっちへ
曲
(
ま
)
げ、こっちへ
伸
(
のば
)
して、
隣近所
(
となりきんじょ
)
へ
泡
(
あわ
)
を
飛
(
と
)
ばす
暇
(
ひま
)
な
隠居
(
いんきょ
)
や、
膏薬
(
こうやく
)
だらけの
背中
(
せなか
)
を
見
(
み
)
せて、
弘法灸
(
こうぼうきゅう
)
の
効能
(
こうのう
)
を
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
佐平は眼を釣りあげて口尻を
曲
(
ま
)
げた。
熊の出る開墾地
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
“曲”を含む語句
委曲
屈曲
曲節
折曲
彎曲
謡曲
曲事
迂曲
曲線
大曲
曲尺
序曲
曲芸
戯曲
一曲
曲舞
行進曲
部曲
小曲
曲者
...