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混
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ま
ふりがな文庫
“
混
(
ま
)” の例文
テーブルの
上
(
うえ
)
には、カーネーションや、リリーや、らんの
花
(
はな
)
などが
盛
(
も
)
られて、それらの
草花
(
くさばな
)
の
香気
(
こうき
)
も
混
(
ま
)
じって、なんともいえない
煙突と柳
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
行くゆく沿道の村落で聞く風説などにも、ずいぶん
戒心
(
かいしん
)
を要するものがある。その中には多分に、敵の流言も
混
(
ま
)
じっているからだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頸筋
(
くびすぢ
)
は
豚
(
ぶた
)
に
似
(
に
)
て
聲
(
こゑ
)
までが
其
(
それ
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は
辨當
(
べんたう
)
をむしやつき、
少
(
すこ
)
し
上方辯
(
かみがたべん
)
を
混
(
ま
)
ぜた五十
幾歳位
(
いくさいぐらゐ
)
の
老婦人
(
らうふじん
)
はすしを
頬張
(
ほゝば
)
りはじめた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
一方、正文はこの大人と子供と
混
(
ま
)
ざり合つたやうな、身体だけは大振りな、女にかけては
強
(
したゝ
)
かな息子を前にして途方に暮れた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
四つ入れてよく
攪
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜてそれからベシン皿へでもあるいは
丼鉢
(
どんぶりばち
)
へでも入れて
外
(
ほか
)
のプデンのようにテンパンへお湯を
注
(
つ
)
いでその中へベシン皿を
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
三四郎は
床
(
とこ
)
のなかで、此
三
(
みつ
)
の世界を
並
(
なら
)
べて、互に比較して見た。次に此
三
(
みつ
)
の世界を掻き
混
(
ま
)
ぜて、其
中
(
なか
)
から
一
(
ひと
)
つの結果を得た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三造の記憶の中で、一昨日通った奉天と、八年も前に、彼がこの中学校の生徒だった時分、修学旅行に行ったときの奉天とが
混
(
ま
)
じり合っていた。
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
思わしい事もなかったにかかわらずとにかく押しも押されもしない一個の男として、大勢の他人に
混
(
ま
)
じって独立して来た。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
さながら麻雀でも
混
(
ま
)
ぜてゐる形で、のんきに且つ熱心に撰り分けてゐる。予の妻などは一見しただけで身を慄はせてゐた。
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
建物も衣服も食物も、そうして用いる言葉さえも、どんなに多く外から来たものが
混
(
ま
)
じるでありましょう。これをよくとれば国際的になったとも思えます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
私は一ツ一ツ五拾銭銀貨が一枚ぐらい
混
(
ま
)
ざっていはしないかと、膝の上にこぼれた銭の縁を指で引掻いて見た。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
わたしがりんごをそぐ(小さく切る)と、おっかあは
卵
(
たまご
)
を
粉
(
こな
)
に
混
(
ま
)
ぜて
衣
(
ころも
)
をしらえ、
乳
(
ちち
)
を少しずつ混ぜていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
この
混
(
ま
)
じりッけのねえおせんの
爪
(
つめ
)
が、たった
小判
(
こばん
)
一
枚
(
まい
)
だとなりゃ、
若旦那
(
わかだんな
)
が
猫
(
ねこ
)
のように
飛
(
と
)
びつくなァ、
磨
(
と
)
ぎたての
鏡
(
かがみ
)
でおのが
面
(
つら
)
を
見
(
み
)
るより、はっきりしてるぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
二、ある人物が登場する時機は、それぞれ自由なるも、故意に舞台を
混
(
ま
)
ぜ返すやうな出方は慎むべきこと。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
そして、カアンと
鐘
(
チャペル
)
に
撞木
(
しゅもく
)
が当る、とその時まさしく
扉
(
ドア
)
の方角で、秒刻の音に入り
混
(
ま
)
ざって
明瞭
(
はっきり
)
と聴き取れたものがあった。ああ、再び扉が開かれたのだった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
初代は見立てのいい柄の、
仕立卸
(
したておろ
)
しの黒っぽい
単衣物
(
ひとえもの
)
を着ていた。帯はやっぱり黒地に少し銀糸を
混
(
ま
)
ぜた織物であった。
臙脂
(
えんじ
)
色の
鼻緒
(
はなお
)
の
草履
(
ぞうり
)
も卸したばかりだった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
爺
(
じん
)
つあんの、薬さ
混
(
ま
)
ぜる砂糖、万の野郎が、みんな
舐
(
な
)
めでしまって無くなったげっとも……」
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
医者
(
いしや
)
の
内弟子
(
うちでし
)
で
薬局
(
やくきよく
)
、
拭掃除
(
ふきさうぢ
)
もすれば
総菜畠
(
さうざいばたけ
)
の
芋
(
いも
)
も
堀
(
ほ
)
る、
近
(
ちか
)
い
所
(
ところ
)
へは
車夫
(
しやふ
)
も
勤
(
つと
)
めた、
下男
(
げなん
)
兼帯
(
けんたい
)
の
熊蔵
(
くまざう
)
といふ、
其頃
(
そのころ
)
二十四五
歳
(
さい
)
、
稀塩散
(
きゑんさん
)
に
単舎利別
(
たんしやりべつ
)
を
混
(
ま
)
ぜたのを
瓶
(
びん
)
に
盗
(
ぬす
)
んで
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なお華族に属しつつまた政府から幾分の税金を
徴収
(
ちょうしゅう
)
されるです。ですから人民は二重の税金を払わなくてはならん。
人頭税
(
じんとうぜい
)
まで
混
(
ま
)
ぜますと随分沢山な税金を納めなくてはならん。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
トクべえさんが、れいの感じを
混
(
ま
)
ぜながら、奇妙な赤い帆のヨットの話をした。
キャラコさん:07 海の刷画
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
地主と小作人などはお互に都合の良い様に仕合ってうまく行きそうに思えるけれ共、実際は、なかなかそうは行かず、丁度、資本主と職工の様に絶えず不平と反抗的な気持が
混
(
ま
)
じって居る。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「これでお内儀さんを可愛がれア申し分なしだ。」と誰やらが
混
(
ま
)
ぜッ
交
(
かえ
)
した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『愛の
籠
(
こも
)
れる草の食事は、憎惡の
混
(
ま
)
じれる
肥
(
こ
)
えたる
牡牛
(
をうし
)
のそれに
優
(
まさ
)
る。』
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に
混
(
ま
)
じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに
巷の子
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
「あ、親分。その中には毒が
混
(
ま
)
じつて居やしませんか」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その盃中に宿老の酌むべき美酒を
混
(
ま
)
ずる時
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「
町
(
まち
)
って、どんなところなの?」と、
娘
(
むすめ
)
は、
町
(
まち
)
を
怖
(
おそ
)
ろしいところと
思
(
おも
)
いながら
聞
(
き
)
きました。すると、その
紅
(
あか
)
い
羽
(
はね
)
の
混
(
ま
)
じっている
小鳥
(
ことり
)
は
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なぜならば、木下隊には、先頃、長亭軒の城や苅安城——その他、諸所で収容した降参人がたくさん
混
(
ま
)
じっているからである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それへ塩を小匙半分位加えてよく
掻
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜて水をホンの少し即ち大匙一杯も入れてそのまま一時間も置くと肉のエキス分が段々溶けて来ます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
手紙には新蔵が蜂蜜を呉れたから、焼酎を
混
(
ま
)
ぜて、毎晩
盃
(
さかづき
)
に一杯づゝ飲んでゐるとある。新蔵は
家
(
うち
)
の小作人で、毎
年
(
とし
)
冬
(
ふゆ
)
になると年貢米を二十俵づゝ持つてくる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
神に
混
(
ま
)
じるをわれ恐る、われの心に惱あり
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
これを
見
(
み
)
て、
美代子
(
みよこ
)
が、あのごみの
混
(
ま
)
じった
豆
(
まめ
)
が、どれほど
長
(
なが
)
いこと、はとや
子供
(
こども
)
を
喜
(
よろこ
)
ばしたろうと
感心
(
かんしん
)
したのであります。
ごみだらけの豆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「舎弟と、つき
混
(
ま
)
ぜるとちょうどいい。あの男は、何もいわんが、野望があり、
怖
(
おそ
)
ろしいことも考えている。君は、人間がよすぎるからいかん」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第百三十三 スカンボロエッグス 玉子へ塩を加えてよく
掻
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜて牛乳少しとバターを少し入れて
炒
(
い
)
り付けます。ちょうど日本風の
炒玉子
(
いりたまご
)
と同じ事です。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
夫
(
それ
)
で
能
(
よ
)
く
自分
(
じぶん
)
で
自分
(
じぶん
)
の
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
つてみて、二つのものを
混
(
ま
)
ぜやうと
力
(
つと
)
めたものである。
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
枕
(
まくら
)
の
上
(
うへ
)
へ
髪
(
かみ
)
を
着
(
つ
)
けたなり、
右
(
みぎ
)
の手を
固
(
かた
)
めて、
耳
(
みゝ
)
の
上
(
うへ
)
を二三度
敲
(
たゝ
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから、
幾
(
いく
)
十
年
(
ねん
)
もの
間
(
あいだ
)
、
惜
(
お
)
しげもなく、
彼
(
かれ
)
の
作
(
つく
)
った
陶器
(
とうき
)
は、
心
(
こころ
)
ない
人
(
ひと
)
たちの
手
(
て
)
に
取
(
と
)
り
扱
(
あつか
)
われたのでありましょう。がらくたの
間
(
あいだ
)
に
混
(
ま
)
じっていました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
八時間の後
温
(
あったか
)
い処から出してみるとプツプツと
盛
(
さかん
)
に醗酵していますからその中へメリケン粉二斤を加えてよく
混
(
ま
)
ぜると
饂飩
(
うどん
)
の少し柔い位なものが出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
酒には、
麻睡薬
(
ますいやく
)
が
混
(
ま
)
ぜてあったらしい。三名とも、
蒟蒻
(
こんにゃく
)
のように正体なく、よだれを垂らして伸びてしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天水桶
(
てんすいおけ
)
を
攪
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜたくらいの価値はその色の上において充分あらわれている。これからが化物の記述だ。
大分
(
だいぶ
)
骨が折れる。天水桶の方に、突っ立っている
若造
(
わかぞう
)
が二人いる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
花壇
(
かだん
)
にきて、
自分
(
じぶん
)
のみすぼらしい、いじけた
姿
(
すがた
)
が、ほとんど
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
らないほど、きれいな
花
(
はな
)
の
間
(
あいだ
)
に
混
(
ま
)
じっているのを
悲
(
かな
)
しく、
恥
(
は
)
ずかしく
感
(
かん
)
じました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
玉子の
良否
(
よしあし
)
を択ぶのは必要な事ですが日本人は
平生
(
へいぜい
)
食物問題に不注意だから玉子屋が
善
(
よ
)
いのも悪いのも
皆
(
み
)
んな
混
(
ま
)
ぜて売っていますし、買う方も構わずに買います。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
こういう
頭脳
(
あたま
)
が、奉公人たちの中に
混
(
ま
)
じっていたら、奉公人には目まぐるいであり、憎まれ
嫉
(
そね
)
まれるのは当然である。——嘉兵衛は、そう思って苦笑をうかべた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嘴
(
くちばし
)
の色を見ると
紫
(
むらさき
)
を薄く
混
(
ま
)
ぜた
紅
(
べに
)
のようである。その紅がしだいに流れて、
粟
(
あわ
)
をつつく
口尖
(
くちさき
)
の
辺
(
あたり
)
は白い。
象牙
(
ぞうげ
)
を半透明にした白さである。この嘴が粟の中へ
這入
(
はい
)
る時は非常に早い。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
めっそうな、
私
(
わたし
)
が
見
(
み
)
たら、いまごろは
破産
(
はさん
)
せんけりゃならん。
白
(
しろ
)
い、
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
目
(
め
)
つきをした
男
(
おとこ
)
が
見物人
(
けんぶつにん
)
の
中
(
なか
)
に
混
(
ま
)
じって、じっとしていたということでな。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
別に玉子二つへ砂糖大匙二杯加えてよくよく
攪
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜて少しずつ今のミルクを混ぜながら
注
(
さ
)
して行って
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
汀
(
みぎわ
)
の水を、仔細に見ると、それは水その物が黄色いのではなく、
砥石
(
といし
)
を粉にくだいたような黄色い
沙
(
すな
)
の
微粒
(
びりゅう
)
が、水に
混
(
ま
)
じっていちめんにおどっているため、
濁
(
にご
)
って見えるのであった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
胸の中を棒で
攪
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜられるような、また胃の
腑
(
ふ
)
が不規則な大波をその全面に向って層々と描き出すような、
異
(
い
)
な心持に
堪
(
た
)
えかねて、
床
(
とこ
)
の上に起き返りながら、吐いて見ましょうかと云って
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、その
黒
(
くろ
)
ずんだ
木立
(
こだち
)
の
間
(
あいだ
)
に
混
(
ま
)
じって、なんの
木
(
き
)
か
知
(
し
)
らないけれど、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いていました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから別に煮てある赤茄子を
裏漉
(
うらご
)
しにすると液も身も沢山出ますから
皆
(
み
)
んな一緒に今の白湯へ加えてよく
攪
(
か
)
き
混
(
ま
)
ぜて塩と胡椒とホンの少しの砂糖で味を付けます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
純良な
金質
(
きんしつ
)
に、銀や銅を
混
(
ま
)
ぜ、銀貨には
錫
(
すず
)
や銅を加えて、新貨幣が発行された。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
“混”を含む語句
混雑
混合
混入
混凝土
混血児
混乱
混々
混和
混沌
混雜
混同
混交
入混
混淆
人混
混亂
混返
混合酒
打混
混多
...