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竢
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ま
ふりがな文庫
“
竢
(
ま
)” の例文
されどこの歌を以て
直
(
ただち
)
に「歌にあらず」(厳格なる意味の)とはなさず。
但
(
ただし
)
この歌が幾分か歌ならざる方に近づきをるは論を
竢
(
ま
)
たず。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
何らかの意味において基底的なるものが考えられるかぎり、それは自ら働くものではない。自己否定を他に
竢
(
ま
)
たなければならない。
デカルト哲学について
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
これは第三者の判決を
竢
(
ま
)
たなければならぬが、歴史家が筆を
執
(
と
)
ったならば、露帝が破ったのであると見はしないかと思う(拍手)。
平和事業の将来
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
この人と、この人を
竢
(
ま
)
つ時世とを見て泣いた時から、子路の心は決っている。
濁世
(
だくせ
)
のあるゆる
侵害
(
しんがい
)
からこの人を守る
楯
(
たて
)
となること。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
おそらくは
無望塔
(
むばうたふ
)
にやあらん。住僧の心には
死
(
しぬ
)
がいやさに
無望塔
(
のぞみなきたふ
)
なるべし。こゝに
無稽
(
むけい
)
の
一笑
(
いつせう
)
を
記
(
しる
)
して
博識
(
はくしき
)
の
確拠
(
かくきよ
)
を
竢
(
ま
)
つ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
右の歌、蛇を悪魔とせしは、
耶蘇
(
ヤソ
)
教説に同じ。
梨
(
ありのみ
)
と言い掛けた山梨姫とは、野猪が山梨を
嗜
(
この
)
むにや、識者の教えを
竢
(
ま
)
つ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その酷刑であることは論を
竢
(
ま
)
たないが、ハワイその他の蛮族中には、タブーを犯す者は、多くはこれを死刑に処するものとするものがあるのに較べたならば
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
強
(
あなが
)
ちにそれを足そうともせず、
却
(
かえ
)
って今は足らぬが当然と思っていたように、
急
(
せ
)
かず、騒がず、
優游
(
ゆうゆう
)
として時機の熟するを
竢
(
ま
)
っていた、その心の
長閑
(
のどか
)
さ、
寛
(
ゆるやか
)
さ、今
憶
(
おも
)
い出しても
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
この時においてその余力の
延
(
ひ
)
いて我に及ぶ、
何
(
なん
)
ぞ必らずしも
和蘭
(
オランダ
)
王の忠告を
竢
(
ま
)
たんや。いわんや六千年来の新発明たる海上飛行器械——蒸汽船は、今や既に彼らの利器となりたるにおいてをや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
客観主観感情理窟の語につきて、あるいは愚意を誤解
被致
(
いたされ
)
をるにや。全く客観的に詠みし歌なりとも感情を本としたるは言を
竢
(
ま
)
たず。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
おそらくは
無望塔
(
むばうたふ
)
にやあらん。住僧の心には
死
(
しぬ
)
がいやさに
無望塔
(
のぞみなきたふ
)
なるべし。こゝに
無稽
(
むけい
)
の
一笑
(
いつせう
)
を
記
(
しる
)
して
博識
(
はくしき
)
の
確拠
(
かくきよ
)
を
竢
(
ま
)
つ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一人は石を切り終って
揚代
(
あげだい
)
を代償さると心得て
竢
(
ま
)
つ内、文なし漢は両人承引の上はわれここに用なしと挨拶して去った。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
客観、主観、感情、理屈の語につきてあるいは愚意を誤解
被致居
(
いたされおる
)
にや。全く客観的に詠みし歌なりとも感情を本としたるは言を
竢
(
ま
)
たず。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
とにかく昔の仏徒が弥勒の出世を
竢
(
ま
)
つ事、古いキリスト教徒がミルレニウムを竢ったごとく、したがって、中国や朝鮮で弥勒と
僭号
(
せんごう
)
して乱を
作
(
な
)
した者もありと記憶し
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「神代のにほひ吐く草の花」といえる歌は彼の神明的理想を現したるものにて、この種の思想が日本の歌人に乏しかりしは論を
竢
(
ま
)
たず。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
息の通わぬまで
捧腹
(
ほうふく
)
させ、むやみに酒を
奢
(
おご
)
らせる事毎々だったが、それらは鬼が笑う来巳の年の新年号に「蛇の話」として出すから読者諸君は竜の眼を
瞼
(
みは
)
り蛇の鎌首を立て
竢
(
ま
)
ちたまえというのみ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
されども両者ともに美の要素なることは論を
竢
(
ま
)
たず。その分量よりして言わば消極的美は美の半面にして積極的美は美の他の半面なるべし。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
芭蕉が創造の功は俳諧史上特筆すべきものたること論を
竢
(
ま
)
たず。この点において
何人
(
なんぴと
)
かよくこれに
凌駕
(
りょうが
)
せん。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
全く客觀的に詠みし歌なりとも感情を本としたるは言を
竢
(
ま
)
たず。
歌よみに与ふる書
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
竢
漢検1級
部首:⽴
12画