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勝
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ま
ふりがな文庫
“
勝
(
ま
)” の例文
それも真面目なら貴族の道楽として
芸妓
(
げいしや
)
を買うより
勝
(
ま
)
しだらうが、矢張浮気で妄想の恋愛小説を書いて見たいが山だから誠に困つたもんだ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
他力易行と教えて来たが、思いに
勝
(
ま
)
さる事実の応験。愛慾泥裏の
誑惑
(
きょうわく
)
の男と女がそのままに、登る仏果の安養浄土、恐ろしき法力ではあるなあ。
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ソレよりもマダ今の幕府の方が
勝
(
ま
)
しだ。けれども
如何
(
どう
)
したって幕府は
早晩
(
そうばん
)
倒さなければならぬ、
唯
(
ただ
)
差当
(
さしあた
)
り倒す人間がないから仕方なしに見て居るのだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
敵の寄り身に驚かず、悠然立っていることは、それにも
勝
(
ま
)
して至難である。それにも関らず宗三郎、進まず退かず居待ち懸け、生え抜いたように立っている。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ウン、二三年来、日本アルプスとかいって、信州や飛騨の山を歩いているらしい。東京にいて女狂いや詐欺みたいな事をされるより
勝
(
ま
)
しだと思っているんだ」
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
自分の
衷心
(
ちゆうしん
)
の苦しい思ひなどを頻りに吹聽したりする良吉は、誰れにも
勝
(
ま
)
して眞心から聽いて呉れる筈の母親に宛てゝ、心の中を打ち明けることが出來なかつた。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
善くこれを開発すれば小島も能く大陸に
勝
(
ま
)
さるの産を産するのであります。ゆえに国の小なるはけっして
歎
(
なげ
)
くに足りません。これに対して国の大なるはけっして誇るに足りません。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
不自由な境涯に置かれて暗いところを歩きつづけて来たような節子の心持が
悲哀
(
かなしみ
)
というものから離れたと言って見せてあるように、岸本の浸って行った歓びはそれにも
勝
(
ま
)
して大きかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
焚火は益〻元気よく、夕暮れの空へ立ち昇り、次第に暮れ
勝
(
ま
)
さる夜の闇も、ここへばかりは寄りつかない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一郎は新しく替った学校の
徽章
(
きしょう
)
を帽子に附け、
手土産
(
てみやげ
)
を
提
(
さ
)
げ、改まった顔付をしてやって来た。この一郎と一緒になることは泉太や繁をめずらしがらせた。節子は平素にも
勝
(
ま
)
して静粛に見えた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すると今度は
後方
(
あと
)
へも戻らず
勝
(
ま
)
して
前方
(
まえ
)
へは進もうともせず岸から十間の距離をへだててただ
岸姿
(
きしなり
)
に横へ横へとあたかも湖水を巡るかのように急速に革船は廻り出した。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
誰にも
勝
(
ま
)
して詫びる心を実際に自分の身に
表
(
あらわ
)
さねば成らないと思った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“勝”を含む語句
勝負
勝手
殊勝
打勝
勝利
景勝
勝田
遠慮勝
自分勝手
御勝手
勝手口
勝敗
勝山
厭勝
大勝利
勝者
入勝橋
有勝
勝手元
勝手許
...