“有勝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ありがち87.5%
ありが12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから熱がめて、あの濡紙をぐように、全快をしたんだがね、病気の品に依っては随分そういう事が有勝ありがちのもの。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お杉が評判の美人であるにもかかわらず、さかりを過ぎるまで縁遠いについても、山里には有勝ありがち種々しゅじゅの想像説が伝えられた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あの年頃の青年に有勝ありがちの、妙な神経衰弱的厭世観えんせいかんに捕われていたのであろう。その前の年までは盛に山を歩いていたのだが、この夏休には、とても山に登る元気がない。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
顔は鉛色を帯びてつやが無く、切れの鋭い眼には思索に疲れたものに有勝ありがちなうるんだ瞳をして居た。だが、顔色に不似合な赤い唇と、ちぢれて濃い髪の毛とは彼が感情家らしいことを現わして居る。
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)