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有勝
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ありがち
ふりがな文庫
“
有勝
(
ありがち
)” の例文
それから熱が
醒
(
さ
)
めて、あの濡紙を
剥
(
は
)
ぐように、全快をしたんだがね、病気の品に依っては随分そういう事が
有勝
(
ありがち
)
のもの。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お杉が評判の美人であるにも
拘
(
かかわ
)
らず、
盛
(
さかり
)
を過ぎるまで縁遠いに
就
(
つい
)
ても、山里には
有勝
(
ありがち
)
の
種々
(
しゅじゅ
)
の想像説が伝えられた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕は第三者に
有勝
(
ありがち
)
な無遠慮を以て、度々
背後
(
うしろ
)
を振り向いて見たが、お玉の注視は
頗
(
すこぶ
)
る長く継続せられていた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
其上
(
そのうへ
)
御米
(
およね
)
は
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
に
有勝
(
ありがち
)
の
嬌羞
(
けうしう
)
といふものを、
初對面
(
しよたいめん
)
の
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて、あまり
多
(
おほ
)
く
表
(
あら
)
はさなかつた。たゞ
普通
(
ふつう
)
の
人間
(
にんげん
)
を
靜
(
しづか
)
にして
言葉
(
ことば
)
寡
(
すく
)
なに
切
(
き
)
り
詰
(
つ
)
めた
丈
(
だけ
)
に
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも藝術家に
有勝
(
ありがち
)
の芝居氣のまじらない純粹の人の愛が、一字一句に籠つてゐて、幾度繰返して讀んで見ても、自分は歡喜に伴ふ涙ぐましい程の心地を覺えるのである。
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
金側の時計が銀側の時計に変ったということは、三吉にはさ
程
(
ほど
)
不思議でもなかった。「正直なと見えるテ」と言われる三吉にすら、それ位のことは若いものに
有勝
(
ありがち
)
だと思われた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私
(
わたくし
)
は只今江戸表より流罪になりました
囚人
(
めしゅうど
)
でござります、只今一同の囚人の大騒ぎを見るに忍びず、一旦鎮め置きまして段々仔細を聞きましたるところ、囚人に
有勝
(
ありがち
)
の食料のこと
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といふのは、田舍の小學校にはよく
有勝
(
ありがち
)
な奴で、自分が此學校に勤める樣になつて既に三ヶ月にもなるが、
未
(
いま
)
だ嘗て此時計がK停車
場
(
ぢやう
)
の大時計と正確に合つて居た
例
(
ためし
)
がない、といふ事である。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鬚髭
(
ひげ
)
ぐらい焼かれる間はまだしもだが、背中へ追いかかって来て、
身柱大椎
(
ちりけだいつい
)
へ火を吹付けるようにやられては、
灸
(
きゅう
)
を据えられる訳では無いし、向直って闘うに至るのが、世間
有勝
(
ありがち
)
の事である。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
信一郎は、青年のさうした心の動揺が、屹度青年時代に
有勝
(
ありがち
)
な、人生観の上の疑惑か、でなければ恋の悶えか何かであるに違ひないと思つた。が、何う云つて、それに答へてよいか分らなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
この朝は誰も知っている通り、二百十日前後に
有勝
(
ありがち
)
の何となく穏かならない空模様で、
驟雨
(
しゅうう
)
がおりおりに見舞って来た。広くもない家のなかは
忌
(
いや
)
に蒸暑かった。
火に追われて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
といふのは、田舎の小学校にはよく
有勝
(
ありがち
)
な奴で、自分が此学校に勤める様になつて既に三ヶ月にもなるが、未だ
嘗
(
かつ
)
て此時計がK停車場の大時計と正確に合つて居た
例
(
ためし
)
がない、といふ事である。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
信一郎は、青年のそうした心の動揺が、
屹度
(
きっと
)
青年時代に
有勝
(
ありがち
)
な、人生観の上の疑惑か、でなければ恋の
悶
(
もだ
)
えか何かであるに違いないと思った。が、
何
(
ど
)
う云って、それに答えてよいか分らなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その晩は、私も
仮
(
ほん
)
の出来心で、——若い内に
有勝
(
ありがち
)
な量見から。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“有”で始まる語句
有
有難
有無
有様
有之
有頂天
有耶無耶
有明
有名
有体