有勝ありが)” の例文
あの年頃の青年に有勝ありがちの、妙な神経衰弱的厭世観えんせいかんに捕われていたのであろう。その前の年までは盛に山を歩いていたのだが、この夏休には、とても山に登る元気がない。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
顔は鉛色を帯びてつやが無く、切れの鋭い眼には思索に疲れたものに有勝ありがちなうるんだ瞳をして居た。だが、顔色に不似合な赤い唇と、ちぢれて濃い髪の毛とは彼が感情家らしいことを現わして居る。
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)