トップ
>
魔
>
ま
ふりがな文庫
“
魔
(
ま
)” の例文
魔
(
ま
)
の
日
(
ひ
)
魔
(
ま
)
の
刻
(
こく
)
——
亞尼
(
アンニー
)
の
顏
(
かほ
)
——
微塵
(
みじん
)
に
碎
(
くだ
)
けた
白色檣燈
(
はくしよくしようとう
)
——
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
——
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
などが
更
(
かは
)
る/\
夢
(
ゆめ
)
まぼろしと
腦中
(
のうちゆう
)
にちらついて
來
(
き
)
たが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
魔
(
ま
)
もののように
吼
(
ほ
)
えた呂宋兵衛は、すでに、
味方
(
みかた
)
の
半
(
なか
)
ばはきずつき、半ばはどこかへ逃げうせたのを見て、いよいよ
狼狽
(
ろうばい
)
したようす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
船乗
(
ふなの
)
り
人
(
びと
)
には、
魔
(
ま
)
の
島
(
しま
)
として
知
(
し
)
られています。
島
(
しま
)
には
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
たちがいて、
月
(
つき
)
のいい
晩
(
ばん
)
には、
緑
(
みどり
)
の
木蔭
(
こかげ
)
で
踊
(
おど
)
るということでした。
船の破片に残る話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おゝ!
君達
(
きみたち
)
にも
粗
(
ほゞ
)
想像
(
さうざう
)
出来
(
でき
)
るか、お
浦
(
うら
)
は
魔
(
ま
)
に
攫
(
さら
)
はれた、
天狗
(
てんぐ
)
が
掴
(
つか
)
んだ、……
恐
(
おそ
)
らく
然
(
さ
)
うだらう。……が、
私
(
わたし
)
は
此
(
これ
)
を
地祇神
(
とちのかみ
)
の
所業
(
しよげふ
)
と
惟
(
おも
)
ふ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
噂
(
うは
)
さが
先
(
さ
)
きか、
或
(
あるひ
)
は
事實
(
じじつ
)
が
先
(
さ
)
きか——それはとにかく
魔
(
ま
)
がさしたのだと
彼女
(
かのぢよ
)
はあとで
恥
(
は
)
ぢつゝ
語
(
かた
)
つた——
間
(
ま
)
もなく
彼女
(
かのぢよ
)
が
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
と
共
(
とも
)
に
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
お前さんたち
一家
(
いっか
)
のものを守ってあげている
妖女
(
ようじょ
)
なのだけれど、この五、六年のあいだというものは、わるい
魔
(
ま
)
もののために、
魔法
(
まほう
)
でしばられていて
ジャックと豆の木
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
魔
(
ま
)
の
淵
(
ふち
)
のようなしずけさの底に、
闇黒
(
やみ
)
とともに這いよる夜寒の気を、お艶は薄着の肩にふせぐ
術
(
すべ
)
もなく、じっと動かないお藤の
凝視
(
ぎょうし
)
に射すくめられた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
灯
(
ともし
)
がついて
夕炊
(
ゆうげ
)
のけむりが家々から立ち上る時、すべてのものが楽しく休むその時にお寺の高い
塔
(
とう
)
の上から
澄
(
す
)
んだすずしい鐘の音が聞こえて
鬼
(
おに
)
であれ
魔
(
ま
)
であれ
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
……それを
聴
(
き
)
いているうちに、私はまるで
魔
(
ま
)
にでも
憑
(
つ
)
かれたような薄気味のわるい笑いを浮べ出していた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
明るいところに
魔
(
ま
)
の
住
(
す
)
まないごとく、花前のような生活には
虚偽
(
きょぎ
)
罪悪
(
ざいあく
)
などいうものの
宿
(
やど
)
りようがない。
大悟徹底
(
だいごてってい
)
というのがそれか。
絶対的
(
ぜったいてき
)
安心
(
あんしん
)
というのがそれか。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
たゞ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
膨
(
ふく
)
れた。
天
(
てん
)
が
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
つて
伸
(
の
)
び
且
(
か
)
つ
縮
(
ちゞ
)
んだ。
地球
(
ちきう
)
が
糸
(
いと
)
で
釣
(
つ
)
るした
毬
(
まり
)
の
如
(
ごと
)
くに
大
(
おほ
)
きな
弧線
(
こせん
)
を
描
(
ゑが
)
いて
空間
(
くうかん
)
に
搖
(
うご
)
いた。
凡
(
すべ
)
てが
恐
(
おそ
)
ろしい
魔
(
ま
)
の
支配
(
しはい
)
する
夢
(
ゆめ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、
良人
(
やど
)
は
平素
(
ふだん
)
牛肉
(
うし
)
などは三
人前
(
にんまへ
)
も
喰
(
た
)
べました
位
(
くらゐ
)
で……。女「おや、お
待
(
ま
)
ちなさいまし、
早桶
(
はやをけ
)
の
中
(
なか
)
でミチ/\
音
(
おと
)
が
致
(
いた
)
しますよ。妻「
魔
(
ま
)
が
魅
(
さ
)
したのでせう。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この辺で止めて置けば万事が
天衣無縫
(
てんいむほう
)
で、彼女の正体も暴露されず、私の病院も依然としてマスコットを失わずにすんだ訳であったが、
好事
(
こうず
)
魔
(
ま
)
多し、とでも言おうか。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しぜん人も馬も重苦しい気持に
沈
(
しず
)
んでしまいそうだったが、しかしふと
通
(
とお
)
り
魔
(
ま
)
が過ぎ去った
跡
(
あと
)
のような
虚
(
むな
)
しい
慌
(
あわただ
)
しさにせき立てられるのは、こんな日は
競走
(
レース
)
が
荒
(
あ
)
れて大穴が出るからだろうか。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「まさかあの
案山子
(
かゝし
)
に
魔
(
ま
)
が差したやうなのに
凝
(
こ
)
つてゐるんぢやもるまいな」
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それとも山中の
逢
(
お
)
う
魔
(
ま
)
が
時
(
とき
)
の幻に過ぎなかったのか。京子は判断に迷った。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
若
(
も
)
し
戀女
(
こひをんな
)
の
魔
(
ま
)
の
輪近
(
わぢか
)
くへ
奇異
(
おつりき
)
な
魔物
(
まもの
)
を
祈
(
いの
)
り
出
(
だ
)
して、
彼女
(
おてき
)
が
調伏
(
てうぶく
)
してしまふまで、それを
突立
(
つッた
)
たせておいたならば、それこそ
惡戲
(
てんごう
)
でもあらうけれど、
今
(
いま
)
のは
正直正當
(
しゃうぢきしゃうたう
)
な
呪文
(
じゅもん
)
ぢゃ、
彼女
(
おてき
)
の
名
(
な
)
を
借
(
か
)
りて
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さても/\の
替
(
かは
)
り
樣
(
やう
)
、
我身
(
わがみ
)
が
嫁入
(
よめい
)
りの
噂
(
うわさ
)
聞
(
きこ
)
え
初
(
そめ
)
た
頃
(
ころ
)
から、やけ
遊
(
あそ
)
びの
底
(
そこ
)
ぬけ
騷
(
さわ
)
ぎ、
高坂
(
かうさか
)
の
息子
(
むすこ
)
は
丸
(
まる
)
で
人間
(
にんげん
)
が
變
(
かわ
)
つたやうな、
魔
(
ま
)
でもさしたか、
祟
(
たゝ
)
りでもあるか、よもや
只事
(
たゞごと
)
では
無
(
な
)
いと
其頃
(
そのころ
)
に
聞
(
き
)
きしが
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「全く
魔
(
ま
)
が
差
(
さ
)
したんです」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
奇
(
く
)
しき
魔
(
ま
)
の吹く
角
(
かく
)
かとぞ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
逢
(
お
)
う
魔
(
ま
)
が
時刻
(
とき
)
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
段々
(
だん/\
)
村
(
むら
)
が
遠退
(
とほの
)
いて、お
天守
(
てんしゆ
)
が
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
ると、
可怪
(
あやし
)
可恐
(
おそろし
)
い
事
(
こと
)
が
間々
(
まゝ
)
有
(
あ
)
るで、あの
船
(
ふね
)
も
魔
(
ま
)
ものが
漕
(
こ
)
いで
焼
(
や
)
くと、
今
(
いま
)
お
前様
(
めえさま
)
が
疑
(
うたが
)
はつせえた
通
(
とほ
)
り……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから、
例
(
れい
)
の
魔
(
ま
)
の
日
(
ひ
)
魔
(
ま
)
の
刻
(
こく
)
の
一件
(
いつけん
)
に
就
(
つ
)
いては、
水兵
(
すいへい
)
一同
(
いちどう
)
は
私
(
わたくし
)
と
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
に、
無※
(
ばか
)
な
話
(
はなし
)
だと
笑
(
わら
)
つてしまつたが、
獨
(
ひとり
)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
のみは
笑
(
わら
)
はなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ところが、
好事
(
こうじ
)
魔
(
ま
)
おおし、せっかくの
白河夜船
(
しらかわよふね
)
を、何者とも知れず、ポカーンと
頬
(
ほ
)
っぺたをはりつけて、かれの夢をおどろかさせた者がある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どこからきたのだろう。あの
船
(
ふね
)
はなにかおもしろい
夢
(
ゆめ
)
を
乗
(
の
)
せてやってきた、
魔
(
ま
)
の
船
(
ふね
)
ではないかしらん。」と
思
(
おも
)
いました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
左
(
そ
)
んな事があるものか」と云つて代助の手を
抑
(
おさ
)
えた。
二人
(
ふたり
)
は
魔
(
ま
)
に
憑
(
つ
)
かれた様な顔をして互を見た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「でも、良い女が三人も揃っていると、何んかこう
魔
(
ま
)
が
射
(
さ
)
すんですね」
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
上
(
うへ
)
へ五
本
(
ほん
)
めの、
一
(
ひと
)
つ
消
(
き
)
え
殘
(
のこ
)
つた
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
所
(
ところ
)
に、
怪
(
あや
)
しいものの
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
える……
其
(
それ
)
は、
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
の
影
(
かげ
)
を
捉
(
と
)
る、
影
(
かげ
)
を
掴
(
つか
)
む、
影法師
(
かげぼふし
)
を
啖
(
くら
)
ふ
魔
(
ま
)
ものぢや。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
忽然
(
たちまち
)
樣々
(
さま/″\
)
な
妄想
(
まうぞう
)
が
胸裡
(
こゝろ
)
に
蟠
(
わだかま
)
つて
來
(
き
)
た、
今日
(
こんにち
)
までは
左程
(
さほど
)
迄
(
まで
)
には
心
(
こゝろ
)
に
留
(
と
)
めなかつた、
魔
(
ま
)
の
日
(
ひ
)
、
魔
(
ま
)
の
刻
(
こく
)
の
怪談
(
くわいだん
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
またいくども、ひろい
試合場
(
しあいじょう
)
の
砂地
(
すなじ
)
や、自分たちの顔に、その
偉大
(
いだい
)
な
怪影
(
かいえい
)
が
太陽
(
たいよう
)
をかすめるごとに、とおり
魔
(
ま
)
のような
影
(
かげ
)
を投げていたのも、まったく知らずにいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔
(
むかし
)
は、
魔
(
ま
)
がついて、
人間
(
にんげん
)
の
生
(
い
)
き
血
(
ち
)
を
吸
(
す
)
うのだといったものだ。
草原の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
爾時
(
そのとき
)
であつた。あの
四谷見附
(
よつやみつけ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
は、
窓
(
まど
)
に
血
(
ち
)
をはめたやうな
兩眼
(
りやうがん
)
を
睜
(
みひら
)
いて、
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
する、
素裸
(
すはだか
)
の
魔
(
ま
)
の
形
(
かたち
)
に
變
(
へん
)
じた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
聞
(
き
)
きますると、
私
(
われら
)
に、
件
(
くだん
)
の
影
(
かげ
)
を
捉
(
と
)
る
魔
(
ま
)
ものの
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いてからは、
瞬
(
またゝ
)
く
間
(
ま
)
さへ、
瞳
(
ひとみ
)
に
着
(
つ
)
いて、
我
(
われ
)
と
我
(
わ
)
が
影
(
かげ
)
が
目前
(
めさき
)
を
離
(
はな
)
れぬ。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
み
)
が
言
(
い
)
うて
聞
(
き
)
かす
事
(
こと
)
を
眞
(
まこと
)
とは
思
(
おも
)
はぬ
汝
(
こなた
)
に、
言託
(
ことづ
)
けるのは
無駄
(
むだ
)
ぢやらうが、ありやうは、
右
(
みぎ
)
の
魔
(
ま
)
ものは、さしあたり
汝
(
こなた
)
の
影
(
かげ
)
を、
掴
(
つか
)
まうとするではない。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて
接吻
(
キツス
)
の
音
(
おと
)
がした。
天幕
(
テント
)
にほんのりとあかみが
潮
(
さ
)
した。が、やがて
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、もやに
沈
(
しづ
)
むやうに
消
(
き
)
えた。
魔
(
ま
)
の
所業
(
なすわざ
)
ではない、
人間
(
にんげん
)
の
擧動
(
ふるまひ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
其
(
それ
)
に
気
(
き
)
が
着
(
つ
)
く
了見
(
れうけん
)
なら、こんな
虚気
(
うつけ
)
な、——
対手
(
あひて
)
が
鬼
(
おに
)
にしろ、
魔
(
ま
)
にしろ、
自分
(
じぶん
)
の
女房
(
にようばう
)
を
奪
(
うば
)
はれる
馬鹿
(
ばか
)
は
見
(
み
)
ない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
南無三寶
(
なむさんばう
)
、
魔
(
ま
)
が
魅
(
さ
)
した。ぶく/\のし/\と
海坊主
(
うみばうず
)
。が——あゝ、
之
(
これ
)
を
元來
(
ぐわんらい
)
懸念
(
けねん
)
した。
道
(
みち
)
其
(
そ
)
の
衝
(
しよう
)
にあたつたり。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俗
(
ぞく
)
に、
蟇
(
ひきがへる
)
は
魔
(
ま
)
ものだと
言
(
い
)
ふ。
嘗
(
かつ
)
て
十何匹
(
じふなんびき
)
、
行水盥
(
ぎやうずゐだらひ
)
に
伏
(
ふ
)
せたのが、
一夜
(
いちや
)
の
中
(
うち
)
に
形
(
かたち
)
を
消
(
け
)
したのは
現
(
げん
)
に
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、いづれ
魔
(
ま
)
ものに
近
(
ちか
)
いのであるから、
又
(
また
)
ばける、といはれるのを
慮
(
おもんぱか
)
つて、
内々
(
ない/\
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
がちに
話
(
はな
)
したけれども、
實
(
じつ
)
は、みゝづくは
好
(
す
)
きである。
第一
(
だいいち
)
形
(
かたち
)
が
意氣
(
いき
)
だ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さらぬだに、
地震
(
ぢしん
)
で
引傾
(
ひつかし
)
いでゐる
借屋
(
しやくや
)
である。
颶風
(
ぐふう
)
の
中心
(
ちうしん
)
は
魔
(
ま
)
の
通
(
とほ
)
るより
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わる
)
い。——
胸
(
むね
)
を
引緊
(
ひきし
)
め、
袖
(
そで
)
を
合
(
あは
)
せて、ゐすくむと、や、や、
次第
(
しだい
)
に
大風
(
おほかぜ
)
は
暴
(
あ
)
れせまる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時々
(
とき/″\
)
、
魔
(
ま
)
の
腕
(
うで
)
のやうな
眞黒
(
まつくろ
)
な
煙
(
けむり
)
が、
偉
(
おほい
)
なる
拳
(
こぶし
)
をかためて、
世
(
よ
)
を
打
(
う
)
ちひしぐ
如
(
ごと
)
くむく/\
立
(
た
)
つ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちやるめらを
吹
(
ふ
)
く、さゝらを
摺
(
す
)
る、
鈴
(
ベル
)
を
鳴
(
な
)
らしたり、
小太鼓
(
こだいこ
)
を
打
(
う
)
つたり、
宛然
(
まるで
)
お
神樂
(
かぐら
)
のやうなんですがね、
家
(
うち
)
が
大
(
おほき
)
いから、
遠
(
とほ
)
くに
聞
(
きこ
)
えて、
夜中
(
よなか
)
の、あの
魔
(
ま
)
もののお
囃子
(
はやし
)
見
(
み
)
たやうよ
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こんな
時
(
とき
)
は
魔
(
ま
)
が
唆
(
そゝの
)
かして、
狂人
(
きちがひ
)
じみた
業
(
わざ
)
をさせて、
此
(
これ
)
を
奪
(
うば
)
はうとするのかも
知
(
し
)
れぬ。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丈
(
せい
)
もすら/\と
急
(
きふ
)
に
高
(
たか
)
くなつたやうに
見
(
み
)
えた、
婦人
(
をんな
)
は
目
(
め
)
を
据
(
す
)
ゑ、
口
(
くち
)
を
結
(
むす
)
び、
眉
(
まゆ
)
を
開
(
ひら
)
いて
恍惚
(
うつとり
)
となつた
有様
(
ありさま
)
、
愛嬌
(
あいけう
)
も
嬌態
(
しな
)
も、
世話
(
せわ
)
らしい
打解
(
うちと
)
けた
風
(
ふう
)
は
頓
(
とみ
)
に
失
(
う
)
せて、
神
(
しん
)
か、
魔
(
ま
)
かと
思
(
おも
)
はれる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丈
(
せい
)
もすらすらと急に高くなったように見えた、
婦人
(
おんな
)
は目を
据
(
す
)
え、口を結び、
眉
(
まゆ
)
を開いて
恍惚
(
うっとり
)
となった
有様
(
ありさま
)
、
愛嬌
(
あいきょう
)
も
嬌態
(
しな
)
も、世話らしい
打解
(
うちと
)
けた風はとみに
失
(
う
)
せて、神か、
魔
(
ま
)
かと思われる。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
魔
(
ま
)
の
棲
(
す
)
むべき
岩窟
(
がんくつ
)
を、
嘗
(
かつ
)
て
女賊
(
ぢよぞく
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
であつたと
言
(
い
)
ふのは
惜
(
をし
)
い。……
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
流
(
ながれ
)
と一
所
(
しよ
)
に
私
(
わたし
)
の
傍
(
そば
)
においでなさいといふてくれるし、まだ/\
其
(
それ
)
ばかりでは
自身
(
じぶん
)
に
魔
(
ま
)
が
魅
(
さ
)
したやうぢやけれども、こゝに
我身
(
わがみ
)
で
我身
(
わがみ
)
に
言訳
(
いひわけ
)
が
出来
(
でき
)
るといふのは、
頻
(
しきり
)
に
婦人
(
をんな
)
が
不便
(
ふびん
)
でならぬ
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天狗
(
てんぐ
)
——
魔
(
ま
)
の
手
(
て
)
など
意識
(
いしき
)
しましたのは、
其
(
そ
)
の
樹
(
き
)
のせゐかも
知
(
し
)
れません。たゞし
此
(
これ
)
に
目標
(
めじるし
)
が
出來
(
でき
)
たためか、
背
(
せ
)
に
根
(
ね
)
が
生
(
は
)
えたやうに
成
(
な
)
つて、
倒
(
たふ
)
れて
居
(
ゐ
)
る
雪
(
ゆき
)
の
丘
(
をか
)
の
飛移
(
とびうつ
)
るやうな
思
(
おも
)
ひはなくなりました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
逆寄
(
さかよ
)
せの決心で、そう言ったのをキッカケに、どかと土手の草へ腰をかけたつもりの
処
(
ところ
)
、負けまい気の、
魔
(
ま
)
ものの顔を
見詰
(
みつ
)
めていたので、横ざまに落しつけるはずの腰が
据
(
すわ
)
らず、
床几
(
しょうぎ
)
を
辷
(
すべ
)
って
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
就中
(
なかんづく
)
、ねうちものは、
毛卷
(
けまき
)
におしどりの
羽毛
(
うまう
)
を
加工
(
かこう
)
するが、
河蝉
(
かはせみ
)
の
羽
(
はね
)
は、
職人
(
しよくにん
)
のもつとも
欲
(
ほつ
)
するところ、
特
(
とく
)
に、あの
胸毛
(
むなげ
)
の
火
(
ひ
)
の
燃
(
も
)
ゆる
緋
(
ひ
)
は、
魔
(
ま
)
の
如
(
ごと
)
く
魚
(
うを
)
を
寄
(
よ
)
せる、といつて
價
(
あたひ
)
を
選
(
えら
)
ばないさうである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“魔”の意味
《名詞》
宗教等において、誘惑などして正しい道に進もうとするものを妨害するもの。
不気味でまがまがしいこと。害をなすこと。細心の注意を要すること。
(出典:Wiktionary)
“魔”の解説
魔
魔(ま)とは一般に、人の心を惑わす悪鬼(悪魔)や災いをもたらす魑魅魍魎、人を一事に熱中させるもの(例:詩魔)や一事に偏執すること(例:電話魔)などを指す。これは以下の仏教における「魔」に由来する。
(出典:Wikipedia)
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
“魔”を含む語句
悪魔
魔神
邪魔
魔法使
魔女
魔術
魔力
夢魔
阿魔
逢魔
魔性
魔除
妖魔
降魔
魔王
閻魔王
誤魔化
閻魔
胡魔化
魔法
...