)” の例文
声のする方へ眼をやると、そこには福田博士が古釘のやうに少し頭をげて立つてゐた。
かれたゞ自分じぶん心配しんぱいだけをそこからふたからけてしまはねばへられなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と、すこし首をげて云った。そして露八の袖口からそっと手を忍び入れて
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お医者さんもはじめから首をおげだったそうですよ。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれまた悠長いうちやう茶碗ちやわんをとつてよごれた部分ぶゞんでこすつて、さら茶釜ちやがま熱湯ねつたうそゝいであしもとのはひけた。ふたをとつたのでほう/\と威勢ゐせいよくつて水蒸氣ゆげがちら/\としろつてちるはひうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)