“傾国”の読み方と例文
旧字:傾國
読み方割合
けいこく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
急にニッコリ白い歯並はなみを覗かせたのだから、女なら傾国けいこくの一笑というやつ——壁辰、訳もなく釣り込まれて、こっちも、にっと笑ってしまった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
甘い抑揚よくようをつけて言った。嫣然えんぜん一笑、東洋でいう傾国けいこくの笑いというやつ。そいつをやりながら、触れなば折れんず風情ふぜい、招待的、挑発的な姿態を見せる。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
脂粉にいろどられた傾国けいこくの美こそなかったかも知れないが、美の価値を、自分の目の好悪こうおによって定める、男の鑑賞眼は、時によって狂いがないとはいえない。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)