)” の例文
葛湯くずゆを練るとき、最初のうちは、さらさらして、はし手応てごたえがないものだ。そこを辛抱しんぼうすると、ようやく粘着ねばりが出て、ぜる手が少し重くなる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
乗り込んで来るのは真昼間まっぴるまである。鍋の底からは愛嬌あいきょういて出る。ただようは笑の波だと云う。ぜるのは親切の箸と名づける。鍋そのものからがひんよく出来上っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)