“間:ま” の例文
“間:ま”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花98
芥川竜之介77
吉川英治64
小川未明45
夏目漱石38
“間:ま”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語20.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)14.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌6.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
けれども私の鼓の評判はよくなかった。第一調子が出ないし、や呼吸なぞもなっていないといって内弟子からいつも叱られた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
半分道も来たと思う頃は十三夜の月が、から影をさして尾花にゆらぐ風もなく、露の置くさえ見える様な夜になった。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
だから私は彼を私のうちへ置いて、二人前ふたりまえの食料を彼の知らないにそっと奥さんの手に渡そうとしたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時に一知の背後うしろなかでマユミがオロオロ泣出している声が聞えた。両親の不幸がやっとわかったらしい。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
洋燈らんぷひかり煌々くわう/\かゞやいて、何時いつにか、武骨ぶこつなる水兵等すいへいら
『オヤおきぬ!』とおももなくくるまぶ、三にんたちままどしたた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
人間が悧口りこうになったので、胡弓や鼓などの、のびのした馬鹿らしい歌には耳をさなくなったのだと人々はいう。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
空家の中は殆んど真暗であった。その中を探り探り娘の死体を吊るしておいた奥の八畳のへ来て、マッチを擦って見ると……。
縊死体 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
飯「そんな事を云うと孝助がるがります、孝助折角の思召おぼしめし、御免をこうむって此方こちらへ来い」
を置き、女郎花、清らかなる小掻巻こがいまきを持ち出で、しずかに夫人のせなに置き、手をつかえて、のち去る。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
徐大盡じよだいじんかつり、とこに、これも自慢じまんの、贋物にせものらしい白鞘しらさや
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つながはっとおもに、おばさんはみるみるおに姿すがたになって、そらがりました。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
するともなく、ひどいしけになって、ふねはずんずんかわくだってうみほうながされました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いつのにか戸はしまっているではないか、いまの列車の動揺どうようのために、ひとりでにしまったのに相違そういない。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
を隔ってあたかも草双紙の挿絵を見るよう、きぬしまも見えて森閑と眠っている姿を覗くがごとくにして、立戻って
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まず高さが二丈ばかり厚さが六尺ばかりある石塀の門を通り抜けて門内に入りいろいろの堂の間を通って本堂のに着きました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
玄関げんかんさきはこの別室全体べっしつぜんたいめているひろ、これが六号室ごうしつである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「こうしていても、いつ軍務のため、おもてへ立つかもしれぬし、真夜半、六波羅へ馬を飛ばすなども、再三なのでな」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに。義助(脇屋)や貞満(堀口)らが、はやおもてに詰めて待っているというのか。待たせておけ、待たせておけ」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「殿。……江田行義、篠塚伊賀守などが、明日先発のうちあわせとかで、さいぜんよりお表のでお待ち申しあげておりますが」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
評議のへ出ると、老臣以下、まだ暗澹あんたんとそこに坐っていた。家厳は、面々が夜に入ったのも知らずにいる態を見て、
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、妻女山でも、今朝は、朝雲のに洩る陽に、それを発見するなり、眼をみはり、小手をかざしているにちがいない。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのたくましい叛骨はんこつを、坊主あたまと、法衣につつんで、彼は、が悪そうに、信雄について、秀吉の前へ出た。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一瞬のを措かず、そこへ、疾風のようにとんで来たひとりの武士、六尺棒をかいこんで、ハッ、ハッ、と白い息をはきながら、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私のうしろにあるとこには、花もけてない青銅のかめが一つ、かつくどっしりと据えてあった。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
Nさんはこう云う雪さんの言葉に軽い反感――と云うよりもむしろ侮蔑ぶべつを感じながら、その機会に茶のを立って行った。
春の夜 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
のみならずトックの雌の河童もいつのに敵意を忘れたのか、「警官横暴」と叫んでいることは少しもトックに変わりません。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
菜売なうりおうな いやいや、難有ありがた御上人おしやうにんかも知れぬ。わたしは今のに拝んで置かう。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、この町が火事だと聞くが早いか、尻を端折はしょも惜しいように「お」の字街道かいどうへ飛び出したそうです。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
Mの次のへ引きとったのち、僕は座蒲団ざぶとんを枕にしながら、里見八犬伝さとみはっけんでんを読みはじめた。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
裏の方にすすぎものをしているおゆうにせて、そこでしばらく立話をしているに、鶴さんも例の折鞄を持って
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こんな事をふと思ったのもしかしつかで、その追憶は心の戸をたたいたと思うとはかなくもどこかに消えてしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それを聞くと葉子は始めて事の真相がわかったように、夢から目ざめたように、急に頭がはっきりして六畳のに走り込んだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「さあ。それはさうでございますが、旦那様、あなたがせと仰やれば、致しません。()。薔薇を切つて参りませうか。」
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
ぬけさ加減は尋常一様にあらず、この時派出はでやかなるギグに乗って後ろからきたりたる一個の紳士
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
するとその山がどれもこれも、黒ずんで、すごいほど木をかぶっている上に、雲がかかって見るに、遠くなってしまう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この山全体がある伯爵の別荘地で、時には浴衣ゆかたの色がから見えたり、女の声ががけの上で響いたりします。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どうでも構わないという風に、眼をよそへ持って行った彼女は、それをとこけてある寒菊の花の上に落した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
柏手かしわでを打って鈴を鳴らして御賽銭おさいせんをなげ込んだ後姿が、見ているにこっちへ逆戻ぎゃくもどりをする。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白水は、自分の六畳の薄暗いというより、ほとんどまっ暗なを、夜間――昼間でもいいのだが、昼間は皆仕事に出るのであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
とチエ子も駈け出したが、石ころにつまずいてバッタリと倒おれた。そのに母親は大急ぎで横町へれてしまった。
人の顔 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかるに先刻さっきから津田君の容子ようすを見ると、何だかこの幽霊なる者が余の知らぬに再興されたようにもある。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こう静かになっては、どんな厭な事が背後に起りつつあるのか、知らぬかもされつつあるか見当けんとうがつかぬ。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どこからどこまでまっ黒にすすけながら、だだっ広い囲炉裏のはきちんと片付けてあって、居心よさそうにしつらえてある。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「……エヘ……エヘ……声を立てるはねえんだよ。ええかねお嬢さん。温柔おとなしく夢を見ているんだよ……ウフウフ……」
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これでは、ぬまが、なんだか不氣味ぶきみなやうですが、なに一寸ちよつとこと
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次のでは話をしている間、今年生まれた子がしっきりなしに泣いたが、しかしあるじはそれをやかましいとも言わなかった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「ガリラヤ人よ、何ぞ天を仰いで立つや。」吾等は兎角青空ばかり眺めて、足もとに咲くつゆ草をつい知らぬみにじる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
栄玄はこれを認めて子としたのに、「あんなきたない子は畳の上には置かれない」といって、板のござを敷いて寝させた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これより先成善の兄専六は、山田源吾の養子になって、東京に来て、まだ父子の対面をせぬに死んだ源吾の家に住んでいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
華族様に似合はない器用な男で、何時いつにか自動車の練習所を卒業して巴里パリイ市庁からの免状をも取つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
僕の前の次のにはここへ来てやとつた女中が一人ひとり、こちらへは背中を見せたまま、おむつを畳んでゐるらしかつた。
鵠沼雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
『お前にも阿母おつかさんにも迷惑めいわくは掛け無い。わしの友人ともだちが来て知らぬれ出したとお言ひ。』
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「はい、有難うございます。」と、言っているうちに、お婆さんの手の中の二銭の苞は、見るに二つ三つになってしまいました。
納豆合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
といっているに、艇の姿は青白い瓦斯ガス噴射ふんしゃしながら、グングン空高くのぼって、みるみる遠ざかっていった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
画家。(手にて拒む如きふりし、暫くを置き、温かに。)僕は幾らか姉さんのたすけになりたいと思うのです。
はて、当分はここはかずのだと聞いて、あらかじめ子供遊びの舞台に申し入れて置いたのに、意外に客が引いてある。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
むく/\とふとつた黒毛くろげつや天鵝絨びろうどのやうなめすひとつ、何時いつにか
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我もミノタウロのしかするを見き、彼ときをみてよばゝりていふ、走りて路を得よ、彼狂ふにくだるぞ善き 二五―二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また正月が来た。振り返ると過去が丸で夢のやうに見える。何時の年齢としを取つたものか不思議な位である。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
に、我はすべてこれらの物よりかれ、ベアトリーチェとともに、かくはな/″\しく天に迎へ入れられき 一〇―一二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
もなく一つのけわしいさかのぼりつめると、其処そこはやや平坦へいたん崖地がけちになっていました。
中のの十二畳、蔵前の拭き込んだ板の間の方によって、茶だんすや菓子戸棚や、釣棚つりだなのある隅に大きな長火鉢がある。
そのに、さるがするするとたか岩壁いわかべをよじのぼっていって、ぞうさなくもんを中からあけました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いつのにか、その点々てんてんすらえないほどのとおくにへだたって、あいだにははるかすみ
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
何時いつにか、からだはちやんといてあつた、おはなまをすも恐多おそれおほいか、はゝはゝはゝ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
して、ばあさんのみせなりに、おうら身体からだむかふへ歩行あるいて、それ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くば弱つて喘いでゐる大きな魚をつかまへることが出来たりするので、童らは何時いつまでも陸に上らうとはしない。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その鴉の群は、雲のように拡がると見るに、さっと畑のうえに舞い降り、やがてまた、どことも知れず飛び去ってゆくのだった。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
ドクトル、アンドレイ、エヒミチはベローワとをんな小汚こぎたないいへの一りることになつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
此二書に就き世評既に定まれるにもかゝはらず、余はいさゝか余が読来り読去るに念頭に浮びし感を記する事となしぬ。
この雨はもなくれて、庭も山も青き天鵞絨びろうど蝶花ちょうはな刺繍ぬいとりあるかすみを落した。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそくあるべきのところが早過ぎたり、かとおもうとトントンとゆくべきとこではじれったいほど「間」を持たせたりした。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
――そこが、いまの隣家となりの格子戸から、を一つかまちに置いて、おおきな穴のようにと見えました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御用ごようとなれば精限せいかぎけてけてかならずおかざるべし、されど車に乗るとふは
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
涼しい滝縞たきじま暖簾のれんきあげた北国特有の陰気な中のに、著物を著かえているおひろの姿も見えた。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
翌日よくじつハバトフは代診だいしんれて別室べっしつて、玄関げんかんでまたも立聞たちぎき
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたしたちは、それから、御所前ごしよまへ廣場ひろばこゝろざして立退たちのくのにはなかつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼女が中殿へ伺った頃は、みかどはすでに、御餉みけ御座ぎょざについて、陪膳のお相手を待ち久しげにしておられた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またいはには、青紫あをむらさきのちしまぎきょう、いはぎきょう、はな白梅はくばい
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
さうなると腹を痛めないかぎりに許しがでるのをこつそりとがなすきがなちぎつてぼたん杏の〓気おくびがでるまでくふ。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
かかるに、いつのまにか道中師の伊兵衛、そこからドロンをきめたまま、席へ戻って来ませんが、たれも気のつく者はない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
如何いか万法ばんぱふ流転るてんするとはいへ、かういふ変化の絶えない都会は世界中にも珍らしいであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ではこう言えばわかるだろう。ロックは僕の影響を受けない。が、僕はいつのにかロックの影響を受けてしまうのだ。」
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼等がそんな事を話している内に、お絹はまだ顔を曇らせたまま、急に長火鉢の前から立上ると、さっさと次のへはいって行った。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
次のへ来て見ると、果して野村のむら栗原くりはらの娘と並んで、大きな暖炉だんろの前へたたずんでいた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と、広告屋の真紅しんくの旗が、喇叭らっぱ太鼓たいこの音を風に飛ばせながら、またた電車の窓をふさいだ。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それから又、胴のには、沢庵漬たくあんづけ鰌桶どぢやうをけへつめたのが、足のふみ所もない位、ならべてある。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
船頭は客よりも後ろの次のにいまして、丁度お供のような形に、先ずは少し右舷うげんによってひかえております。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「さあ、すっかりおからだをお洗いなさい。王様から新らしい着物とくつを下さいました。まだ十五分があります。」
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ことごと窓帷カアテンを引きたる十畳の寸隙すんげきもあらずつつまれて、火気のやうやく春を蒸すところに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
毎日通う役所から四時過ぎに帰って、十畳ばかりのにすわっていると、家主いえぬしの飼う蜜蜂が折々軒のあたりを飛んで行く。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「よくころりと死ぬ人があるじゃありませんか。自然に。それからあっと思うに死ぬ人もあるでしょう。不自然な暴力で」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昼間ッからの霧雨がしとしと降りになって来たで、みんな胴のへもぐってな、そん時に千太どんががしっけえ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少年せうねんは、いまゆめなつかしき父君ちゝぎみ母君はゝぎみ出逢であつてるのである。
追憶おもいでがだんだんと多くなってきた、帰りを雨に降られて本郷の村落のとっつきの百姓家にその晴れを待ったこともある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
然しはなした二階のに、たつた二人ふたり胡坐あぐらをかいてゐるのは、園遊会より却つてらくであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちやを通ると、門野かどのは無細工な手をしてすゞ茶壺ちやつぼから玉露をつましてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
毀して手分てわければ、三十人も五十人も居るからまたたに出来て仕舞しまううが、それは出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
気がつくと、四、五人、山のように背後うしろから押被おっかぶさって、何時いつにかに見物が出来たて。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
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