“赤貧”の読み方と例文
読み方割合
せきひん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もなく家財は残らず売払うりはろうて諸道具もなければ金もなし、赤貧せきひん洗うがごとくにして、他人の来て訪問おとずれて呉れる者もなし、寂々寥々せきせきりょうりょう
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
君が赤貧せきひん洗ふが如き中より身を起して独力を以て住屋と画室とを建築し、それより後二年ならずして洋行を思ひ立ちしかも他人の力を借らざるに至ては君が勤倹の結果に驚かざるを得ず。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
(縁側にどかりと腰をおろし)いかに我等国民学校教員が常に赤貧せきひん洗うが如しといえども、だ、あに必ずしも有力者どもの残肴余滴ざんこうよてきにあずからんや、だ。ねえ、菊代さん、そうじゃありませんか。
春の枯葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)