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眞
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ま
ふりがな文庫
“
眞
(
ま
)” の例文
新字:
真
何方
(
どつち
)
を
向
(
む
)
いたツて、人の影が一つ見えるのではない。
何處
(
どこ
)
までも
眞
(
ま
)
ツ
暗
(
くら
)
で、其の中に
其處
(
そこ
)
らの流の音が、夜の
秘事
(
ひめごと
)
を
私語
(
ささや
)
いてゐるばかり。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『十八丁だすて、東光院まで。……この道を
眞
(
ま
)
ツ
直
(
す
)
ぐに行きますと、
駐在所
(
ちうざいしよ
)
があつて、
其處
(
そこ
)
から北へ曲るんやさうだす。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
致し
斯成
(
かくなる
)
上
(
うへ
)
は
重置
(
かさねお
)
かれ
眞
(
ま
)
二ツにせらるゝとも致し方無く思ひ
切
(
きつ
)
て云ひけれど忠兵衞儀は妻に
未練
(
みれん
)
の有る處より私しばかり殺す
譯
(
わけ
)
にも
相成
(
あひなら
)
ず其場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火箸
(
ひばし
)
が
眞
(
ま
)
ッ
先
(
さき
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、それから
續
(
つゞ
)
いて
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
や、
皿
(
さら
)
や
小鉢
(
こばち
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
ました。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、
其等
(
それら
)
が
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
打
(
う
)
つをも
平氣
(
へいき
)
で
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
心
(
こゝろ
)
は
不覺
(
そゞろ
)
、
氣
(
き
)
は
動顛
(
どうてん
)
して、
匇卒
(
いきなり
)
、
室
(
へや
)
を
飛出
(
とびだ
)
したが、
帽
(
ばう
)
も
被
(
かぶ
)
らず、フロツクコートも
着
(
き
)
ずに、
恐怖
(
おそれ
)
に
驅
(
か
)
られたまゝ、
大通
(
おほどほり
)
を
眞
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
走
(
はし
)
るのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
マーキュ
出來
(
でき
)
た。
此上
(
このうへ
)
は
洒落競
(
しゃれくら
)
べぢゃぞ。これ、
足下
(
おぬし
)
の
其
(
その
)
薄
(
うす
)
っぺらな
靴
(
くつ
)
の
底
(
そこ
)
は、
今
(
いま
)
に
悉
(
こと/″\
)
く
磨
(
す
)
り
減
(
へ
)
って、
果
(
はて
)
は
見苦
(
みぐる
)
しい
眞
(
ま
)
ッ
赤
(
か
)
な
足
(
あし
)
を
出
(
だ
)
しゃらうぞよ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
矢庭に平次の身體を横抱きにしたガラツ八、有無を言はせず、
眞
(
ま
)
つ
裸
(
ぱだか
)
のまゝ、猛然と焔の中に突進したのです。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
重詰
(
ぢうづめ
)
を
中味
(
なかみ
)
のまゝ
持
(
も
)
つて
來
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
はない、と
思
(
おも
)
つたが、
成程
(
なるほど
)
、
私
(
わたし
)
の
家内
(
かない
)
だつて、
面
(
つら
)
はどうでも、
髮
(
かみ
)
を
結
(
ゆ
)
つた
婦
(
をんな
)
が、「めしあがれ。」とその
火事場
(
くわじば
)
の
眞
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
に
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おれはさういふ手紙でも
眞
(
ま
)
に受けられないから困るよ。おれには母の氣持はよく讀めてゐるつもりだ。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
全く血の氣がなくなつて、消し忘れたうす暗いランプの光りにかの女の額の
眞
(
ま
)
ツ
青
(
さを
)
な色が見える。こちらには、それが、實際、死の命令者たる權威でもあるやうだ。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
この
男
(
をとこ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
眞
(
ま
)
に
受
(
う
)
けるな、
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つても
譃
(
うそ
)
と
思
(
おも
)
へ、——おれはそんな
意味
(
いみ
)
を
傳
(
つた
)
へたいと
思
(
おも
)
つた。しかし
妻
(
つま
)
は
悄然
(
せうぜん
)
と
笹
(
ささ
)
の
落葉
(
おちば
)
に
坐
(
すわ
)
つたなり、ぢつと
膝
(
ひざ
)
へ
目
(
め
)
をやつてゐる。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
數
(
かず
)
の
中
(
なか
)
には
眞
(
ま
)
にうけて
此樣
(
こん
)
な
厄種
(
やくざ
)
を
女房
(
にようぼ
)
にと
言
(
い
)
ふて
下
(
くだ
)
さる
方
(
かた
)
もある、
持
(
も
)
たれたら
嬉
(
うれ
)
しいか、
添
(
そ
)
うたら
本望
(
ほんもう
)
か、
夫
(
そ
)
れが
私
(
わたし
)
は
分
(
わか
)
りませぬ、そも/\の
最初
(
はじめ
)
から
私
(
わたし
)
は
貴君
(
あなた
)
が
好
(
す
)
きで
好
(
す
)
きで
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されど
眞
(
ま
)
ともに之を見て彼は青銅の槍さけつ、 525
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
木原
(
こばら
)
した路
眞
(
ま
)
くだりに
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
黄塵
(
くわうぢん
)
濛々
(
そう/\
)
々として、日光さへ
黄
(
き
)
ばむで見える
大都
(
たいと
)
の空に、是が二百
萬
(
まん
)
の人間を活動させる
原動
(
げんどう
)
力かと思はれる
煤煙
(
はいえん
)
が毒々しく
眞
(
ま
)
ツ黒に噴出し
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
眞
(
ま
)
ツ
直
(
す
)
ぐに行かうとしても、一筋道が長々と北へ續いてゐるだけで、當てもなく歩くといふ氣にはなれなかつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ロミオ はて、
見
(
み
)
ぐるしい
眞
(
ま
)
ッ
赤
(
か
)
な
恥
(
はぢ
)
を
駄洒落
(
だじゃ
)
るとは
足下
(
おぬし
)
のこと。それ、もう、
薄
(
うす
)
っぺらな
智慧
(
ちゑ
)
の
底
(
そこ
)
が
見
(
み
)
えるわ!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
吾助は得たりと
太刀
(
たち
)
振上
(
ふりあげ
)
只
(
たゞ
)
一刀に討たんとするやお花は
眞
(
ま
)
二ツと見えし時友次郎が
曳
(
えい
)
と打たる
小柄
(
こづか
)
の
手裏劍
(
しゆりけん
)
覘
(
ねら
)
ひ
違
(
たがは
)
ず吾助が右の
肱
(
ひぢ
)
に打込みければ忽ち
白刄
(
しらは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
乃
(
そこ
)
で
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
眼鏡
(
めがね
)
をかけ、
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
程
(
ほど
)
帽子屋
(
ばうしや
)
を
凝視
(
みつめ
)
られました、
帽子屋
(
ばうしや
)
は
眞
(
ま
)
ッ
蒼
(
さを
)
になつて
顫
(
ふる
)
へてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「憎い奴等だ。地獄の釜の中へ、
眞
(
ま
)
つ
逆樣
(
さかさま
)
に叩き込み度いほど憎い奴等だが、仕組みが
巧過
(
うます
)
ぎて、手も出せない——口惜しいが
極
(
き
)
め
手
(
て
)
になる證據が一つも無いのだよ」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
溝
(
みぞ
)
に
浸
(
つか
)
つた
麥藁帽子
(
むぎわらばうし
)
が、
竹
(
たけ
)
の
皮
(
かは
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、プンと
臭
(
にほ
)
つて、
眞
(
ま
)
つ
黒
(
くろ
)
になつて
撥上
(
はねあ
)
がる。……もう、やけになつて、
鳴
(
な
)
きしきる
蟲
(
むし
)
の
音
(
ね
)
を
合方
(
あひかた
)
に、
夜行
(
やかう
)
の
百鬼
(
ひやくき
)
が
跳梁跋扈
(
てうりやうばつこ
)
の
光景
(
くわうけい
)
で。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つらねて
見
(
み
)
に
行
(
ゆ
)
きしはそもいつの
世
(
よ
)
の
夢
(
ゆめ
)
になりて
精靈棚
(
しやうりやうだな
)
の
眞
(
ま
)
こもの
上
(
うへ
)
にも
表
(
おもて
)
だちては
祀
(
まつ
)
られずさりとては
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
うらめしゝ
照
(
て
)
る
月
(
つき
)
の
秋
(
あき
)
の
夜
(
よ
)
草葉
(
くさば
)
に
脆
(
もろ
)
き
白玉
(
しらたま
)
の
露
(
つゆ
)
と
答
(
こた
)
へて
消
(
き
)
えかぬる
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
相變らずぴかり、ぴかり
體
(
からだ
)
を光らしてゐる。それからまたふうわ、ふうわ飛んで來るのを
眞
(
ま
)
ツ
暗
(
くら
)
な中に
待伏
(
まちぶせ
)
してゐて笹の葉か何んかで叩き落す。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
玄竹
(
げんちく
)
は
意氣揚々
(
いきやう/\
)
と、
舟
(
ふね
)
の
眞
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
へ『
多田院御用
(
ただのゐんごよう
)
』の
兩掛
(
りようが
)
けを
据
(
す
)
ゑて、
下男
(
げなん
)
と
二人
(
ふたり
)
それを
守護
(
しゆご
)
する
位置
(
ゐち
)
に
跪
(
ひざまづ
)
いた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
急ぎしに※らずも
踏迷
(
ふみまよ
)
ひ
喘
(
あへ
)
ぎ/\
漸々
(
やう/\
)
秋葉の
寶前
(
はうぜん
)
に來りしが此時は
早
(
はや
)
眞
(
ま
)
夜中にてゴーン/\と
鳴
(
なり
)
しは
丑刻
(
やつ
)
の
鐘
(
かね
)
なれば
最早
(
もはや
)
何へも行難し
麓
(
ふもと
)
へ下れば
狼
(
おほかみ
)
多く又夜
深
(
ふけ
)
に本坊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と立直るところを、足をさらはれて、さすがの八五郎、
眞
(
ま
)
つ
逆樣
(
さかさま
)
に引くり返つて了ひました。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
驅
(
か
)
けて
人中
(
ひとなか
)
を
拔
(
ぬ
)
けつ
潜
(
くゞ
)
りつ、
筆屋
(
ふでや
)
の
店
(
みせ
)
へをどり
込
(
こ
)
めば、三五
郎
(
らう
)
は
何時
(
いつ
)
か
店
(
みせ
)
をば
賣仕舞
(
うりしま
)
ふて、
腹掛
(
はらがけ
)
のかくしへ
若干金
(
なにがし
)
かをぢやらつかせ、
弟妹
(
おとうといもと
)
引
(
ひき
)
つれつゝ
好
(
す
)
きな
物
(
もの
)
をば
何
(
なん
)
でも
買
(
か
)
への
大兄樣
(
おあにいさん
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
しろ
皆
(
みな
)
顏色
(
かほいろ
)
が
眞
(
ま
)
つ
蒼
(
さを
)
です
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五日ばかりの月も落ちて了ツて、
四方
(
あたり
)
が急に
眞
(
ま
)
ツ
暗
(
くら
)
になると、いや螢の光ること飛んで來ること! 其の晩は取分け螢の出やうが多かツたやうに思はれた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「親分さん、小僧の言ふことなどを
眞
(
ま
)
に受けないで下さい。そいつは何んでもありませんよ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いづれも
嬉
(
うれ
)
しさうにして、
舟
(
ふね
)
へ
近付
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
るのを、
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けるやうにして、
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
眞
(
ま
)
つ
先
(
さ
)
きに
舟
(
ふね
)
へ、
雪駄
(
せつた
)
の
足
(
あし
)
を
跨
(
また
)
ぎ
込
(
こ
)
んだ。
其
(
そ
)
の
途端
(
とたん
)
、
玄竹
(
げんちく
)
はいつにない
雷
(
らい
)
のやうに
高聲
(
たかごゑ
)
で、
叱咜
(
した
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
足の
形
(
かたち
)
でも
腰
(
こし
)
の
肉付
(
にくつき
)
でも、または
胴
(
どう
)
なら
乳
(
ちゝ
)
なら胸なら肩なら、
總
(
す
)
べて
何處
(
どこ
)
でもむツちりとして、
骨格
(
こつかく
)
でも
筋肉
(
きんにく
)
でも
姿勢
(
しせい
)
でも
好
(
よ
)
く
整
(
とゝの
)
ツて
發育
(
はついく
)
してゐた。
加之
(
それに
)
肌
(
はだ
)
が
眞
(
ま
)
ツ
白
(
しろ
)
で
滑々
(
すべ/″\
)
してゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
竹丸は
眞
(
ま
)
ともに母の方を見ることが出來なくなつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
正直
眞
(
ま
)
つ
當
(
たう
)
に話してもらひたいが
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞
部首:⽬
10画
“眞”を含む語句
眞實
眞向
眞正面
眞個
眞中
眞直
眞心
眞青
眞箇
眞白
眞逆
眞盛
眞最中
眞面目
眞黒
眞赤
眞紅
眞珠
眞蒼
眞先
...