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火事場
重詰を
中味のまゝ
持つて
來る
事はない、と
思つたが、
成程、
私の
家内だつて、
面はどうでも、
髮を
結つた
婦が、「めしあがれ。」とその
火事場の
眞ん
中に
始め
諸侯方方角火消等夫々に持場々々へ
詰かけるゆゑ
其混雜云ばかりなし其上御使番
火事場見廻り并に火元見等東西へ
乘違へ
乘違ひ
駈通るゆゑ車坂下四ツ辻の邊は老人及び女子供等には
勿々通り
難く只々人の
波を
火事場で
雪駄の
焼け
残りを
踏んだ
時と、まるッきり
変りがねえじゃねえか