“火事装束”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かじしょうぞく75.0%
くわじしやうぞく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『小袖ではないぞ、火事装束かじしょうぞくだぞ。——期を逸しては、赤穂浪人共が存分に土足の痕をのこして逃げ去ろうぞ。早くせいっ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折から、裏門のくぐりを開けて、「どうも、わりいものが降りやした。」と鳶の頭清五郎がさしこの頭巾ずきん半纒はんてん手甲てっこうがけの火事装束かじしょうぞくで、町内を廻る第一番の雪見舞いにとやって来た。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
手配てくばりが済んで、坂本は役宅やくたくに帰つた。そして火事装束くわじしやうぞく草鞋掛わらぢがけで、十文目筒じふもんめづゝを持つて土橋どばしへ出向いた。蒲生がまふと同心三十人とは揃つてゐた。本多はまだ来てゐない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)