“死装束”の読み方と例文
旧字:死裝束
読み方割合
しにしょうぞく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「長左衛門(宗治のこと)。いま仔細は聞いたが、お前が死ぬには及ばぬことだ。この兄が代ってあげる。死装束しにしょうぞくはわしに譲れ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その都度死装束しにしょうぞくとして身装みなりを繕ったろう、清い襦袢じゅばんくれないの袂は、ちらちらと蝶の中に交って、あれば、おのが肩を打ち、且つ胸のあたりを払っていたが、たちまち顔をしかめて唇を曲げた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
美男であり、勝入の姫とのあいだには、ほのかな恋のうわさまで立って夫婦ひとつになった彼として——きょうの死装束しにしょうぞくは、あまりにも悽愴せいそうすぎる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)