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旅装束
こんな
苦しい
道中のことでございますから、
御服装などもそれはそれは
質素なもので、
足には
藁沓、
身には
筒袖、さして
男子の
旅装束と
相違していないのでした。
道庵も江戸へ帰るものと見えて、すっかり
旅装束になっていました。その時にお松が
私はそこですっかり
身づくろいを
直しました。むろん
心でただそう
思いさえすればそれで
宜しいので、そうすると
今までの
旅装束がその
場できちんとした
謁見の
服装に
変るのでございます。