“胸元”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むなもと66.7%
むねもと22.2%
むね11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乳母 そのきずましたが、此眼このめましたが……南無なむさんぼう!……ちょうどこの立派りっぱ胸元むなもとに。いた/\しい、無慚むざんな、いた/\しい死顏しにがほ
……もうあと十分だぞ、やって来るかなあ、と、彼は考えながら無意識に胸元むねもとに眼をやった。絹大島きぬおおしま羽織はおりけた茶の平紐ひらひもの右の附け根に結びつけた赤いリボンが花のように見えた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一つ深あい呼吸いきをして、疲れたようにそうッと顔を上げて、此度はさも思い余ったように胸元むねをがっくりと落して、頸を肩の上に投げたまゝ味気なさそうに、目的あてもなく畳の方を見詰めて居た。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)