)” の例文
もうまったくの子供こどもではなく、いくらかもののわかるとしは、このさいいかにけぬであっても、それはむだなこととおもいました。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんな素直すなおかんがえもこころのどこかにささやかないでもなかったのですが、ぎの瞬間しゅんかんにはれいけぎらいがわたくし全身ぜんしんつつんでしまうのでした。
海岸かいがんで、とび喧嘩けんくわをしてけたくやしさ、くやしまぎれにものをもゆはず、びをりてきて、いきなりつよくこつんと一つ突衝つゝきました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「とう/\雪子ゆきこけた」とせきはづして、宗助そうすけはういたが、「うですまた洞窟とうくつへでもみますかな」とつてがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
關取せきとり、ばんどり、おねばとり、と拍子ひやうしにかゝつたことばあり。けずまふは、大雨おほあめにて、重湯おもゆのやうにこしたぬと後言しりうごとなるべし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もしあの童子どうじけましたらば、それこそ詐欺師さぎし証拠しょうこでございますから、さっそくくらいげて、かえしていただきとうございます。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おこったために力がわいてきたのでしょうか、こんどは、ほかのガンたちにもけないくらい、よく飛ぶことができるようになりました。
村の旧家の某が賭博にけて所有地一切勧業銀行の抵当ていとうに入れたの、小農の某々が宅地たくちまでなくしたの、と云う噂をよく聞いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今度はもう掛値かけねなし、一日もからないと云う日になった、と云うのを私は政府の飜訳局ほんやくきょくに居てつまびらかしって居るからたまらない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一日いちんちに十六手水場てうづばつたの一とうだつけが、なあに病氣びやうきなんぞにやけらツるもんかつちんだから、ときにや村落中むらぢうかたではあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くそいま/\しい! 八銭を十銭にしたら、どの位手間が省けるか知れねえんだ。何んならこッちからけて、八銭を五銭にしてやらア。」
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
これほど明らかに口に出さなくとも、これにけないほどの不合理な理由から、人の批評をしたり、歴史の事実を判断するものは許多あまたある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
だつてぼくよわいもの。よわくてもいよ。万燈まんどう振廻ふりまわせないよ。振廻ふりまわさなくてもいよ。ぼく這入はいるとけるがいかへ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『ど、ど、如何どうしたんだらう、こ、この武村たけむらをおかしなすつたな、『どれもう一番いちばん——。』とたゝかつたが、またまけた。
私がその話を聞いてゐるうちに、私の心は、つひにけん氣を起した。その上に、學校は、完全な變化であらう。
林茂光りんもくわうがくるやうになつてから、だいぶすべてが調とゝのつてたが、ぼくはその時分じぶんから大概たいがいけなかつたよ。」
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
すなわち彼等は長州がつも徳川がくるもごうも心にかんせず、心に関するところはただ利益りえきの一点にして
「はい」とさる面目めんぼくなさそうにこたえました。「智慧ちえでならたれにもけませんが、力ずくのことはこまってしまいます。甚兵衛さん、どうかその大蛇おろち退治たいじてください」
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
善き師曰ふ、子よ、今汝は怒りにけしものゝ魂を見るなり、汝またかたく信すべし 一一五—一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さア、やれ、よるよ、くろづくめのきものた、るから眞面目まじめな、嚴格いかめしい老女らうぢょどの、はやをしへてたも、清淨無垢しゃうじゃうむくみさをふたけたこの勝負しょうぶける工夫くふうをしへてたも。
諭吉ゆきちけずぎらいな気持きもちが、むくむくと、むねのなかにわきあがって、そういわせました。
やつらがたうとけようと、中国ちうごく日本にほん兄弟きやうだいうへに×(3)あつむちそうそうたか
軍艦ぐんかん兵隊へいたいでは競爭きようそう出來できなくとも、かうしたものでけないでかうといふのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
例のきらひから、丁度夏座敷だつたので、女中に台所から冷し素麺そうめんの桶を持ち込ませて、それをいきなり頭からひつかぶつて、素麺の雨の中から鵞鳥のやうな苦しい声を振絞つて
「笑はせようたつて、だめさ。」言ひながら、はつきりけたのを意識した。
火の鳥 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
そして海蔵かいぞうさんは、この芸当げいとうではほかのどの人力曳じんりきひきにもけませんでした。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのころ赤間あかませきに、法一ほういちというびわ法師ほうしがいました。この法師は生まれつきめくらでしたので、子どものときから、びわをならい、十二、三さいのころには師匠ししょうけないようになりました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ふふふ 智慧は地球の人にけませんよ、そら あの人たちをごらんなさい
うだ名譽めいよ大切たいせつだ。全體ぜんたい這麼町こんなまちあし踏込ふみこんだのが間違まちがひだつた。』と、かれさらにドクトルにむかつてふた。『じつわたしけたのです。で、奈何どうでせう、ぜにを五百ゑんしてはくださらんか?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
貴樣あなたえらひとになるのだから、けつして病氣位びやうきぐらゐまけてはならん病氣びやうきかしてやらなければ』とつてぼくげましたことがあります。伸一先生しんいちせんせいけつして此意味このいみ舊式きうしきつたのではありません。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
らうさんの祖母おばあさんといふひと日頃ひごろらうさんを可愛かあいがつてましたから、大層たいそう立腹りつぷくして、とうさんのおうちんでたのです。問屋とんや祖母おばあさんとへば、なか/\けてはないひとでしたからね。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「のうお爺さん、昨日のように、術くらべをしようじゃあるまいか。伊賀流とかいう忍術と、わしが勝手に発明した吹矢流という忍術とどっちが勝つかくじひくか、くらべて見ようじゃあるまいか」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
われはおのれ生涯しやうがいのあまりきよくないこと心得こゝろえてゐる、みちかたはら菩提樹下ぼだいじゆか誘惑いうわくけたことつてゐる。たま/\われにさけませる会友くわいいうたちの、よく承知しようちしてゐるごとく、さういふもの滅多めつた咽喉のどとほらない。
これもよるしづかにむろのうちにこもつて、みゝすまし、には、そのとりいてゐる場所ばしよ光景こうけいを、あきらかにうかべてゐるのであります。こんなうたになると、赤人あかひとは、人麿ひとまろにも黒人くろひとにもけることはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
いくさ! それもはや近ごろは耳新しいことでもない。……わけて世は裏切り流行ばやりだ。この鎌倉も落日とみて、裏切らぬやつは、近頃、ばかみたいなものだからの。はははは、そうじゃあるまいか、金沢の爺」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おけいたしておきましょう。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しきいくさふゆ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
けざらむため
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
56 いくさ
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「もう、これなら、だれにもけず、どんなところへでもんでいける。」と、すずめは、たかやま見上みあげて、ひとりごとをしました。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、將棋しやうぎに、またしても、おけにるのが、あら/\、おいたはしい、とわか綺麗きれいどころが、畫伯ぐわはくふとまたしきりむ。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どちらもけずおとらぬえらいちからでしたから、えいやえいや、両方りょうほうあたまりこをしているうちに、けかかって、にわとりきました。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それで、ガチョウは、じぶんだっておまえたちにけやしないということを、このガンたちに見せてやりたかったのです。
『そればかりか、少年せうねん活溌くわつぱつことツたらはなしになりませんよ。獅子狩しゝがりもやります、相撲すまふります。よわ水兵すいへいなんかはかされます。』とかれ至極しごく眞面目まじめ
けてもいのさ、れは仕方しかたいとあきめるから、おまへなにないでいからたゞ横町よこてうくみだといふで、威張ゐばつてさへれると豪氣がうぎ人氣じんきがつくからね
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
で、そこはまた拔目ぬけめのない所謂いはゆる政商せいしやうなどは莫大ばくだいもないかねけてちやう卓子たくしかこむ。そして、わざとける。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
このひと一生いっしょうには随分ずいぶん過失あやまちもあったようで、したがって帰幽後きゆうご修行しゅぎょうには随分ずいぶんつらいところもありましたが、しかしもともとしっかりした、けぬ気性きしょうかただけに
相手あひてをんなとしは、むつばかりえた。あかはゞのあるリボンを蝶々てふ/\やうあたまうへ喰付くつつけて、主人しゆじんけないほどいきほひで、ちひさなにぎかためてさつとまへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「お前はなんでもできるといったのに、大蛇位おろちぐらいなものにけるのかい?」と甚兵衛はいいました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
目籠めかご背負せおって、ムロのおかみが自然薯じねんじょを売りに来た。一本三銭宛で六本買う。十五銭にけろと云うたら、それではこれがめぬと、左の手で猪口ちょこをこさえ、口にあてがって見せた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)