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西洋画の場合では、さように観者の想像にかせる事はあまりしない。画家が眼に映じた地球の奥行きをそのままに表現せんとする。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
こう極端になってはもう物頭ものがしらたちのおさえもきかない。帷幕いばくからの厳命も、部将にかせておいたのでは、到底収拾しゅうしゅうはつくまいと、勝家は思い極めたものとみえる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょっと心さえ入れ変えたら、案外立身出世もする。だからよ、万端、かして置きな。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すべての人生劇にとっても、困難なのはいずれ大詰の一幕で、歴史への裁断のように見通しはつきにくいのであった。それに庸三は、すべての現象をとかく無限への延長にかせがちであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
所詮しょせんは人力を尽した後、天命にかせるより仕方はない。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「なるほどこれは面白い。それではそなたにかそうかな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
子供にかしきりにしておくのも何か不安であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
全生涯をかそうとするものであるにおいてをや。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)