多少いくらか)” の例文
多少いくらか纏まった銭が骨折れずに入った時であったから、何時もちょび/\本を売っては可笑おかしな処ばかしを彷徨うろついていたが、今日は少し気楽な贅沢が為て見たくなって
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
小野田の話によると、父親の財産として、すこしばかりの山が、それでもまだ残っていると云うのであった。その山を売りさえすれば、多少いくらかの金が手につくというのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)