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嘲
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あざわら
ふりがな文庫
“
嘲
(
あざわら
)” の例文
彼の頭には、藤木と千鶴子とが、自分のすぐ前で、淫らな姿態をして、彼を
嘲
(
あざわら
)
っている様子がまざまざと描かれることがあった。
二人の盲人
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
そこに発表されて在る作品だって、みんな卑俗だ。私だって、もとより卑俗の作家である。他の卑俗を
嘲
(
あざわら
)
うことは私には許されていない。人おのおの懸命の生きかたが在る。
困惑の弁
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
辺幅
(
へんぷく
)
を飾らず、器量争わず、人を
嘲
(
あざわら
)
わず、率直に「私」を語る心こそ詩人のものだと思います。僕の好きな一人の詩人の名を云ってみましょうか。ハンス・クリスティアン・アンデルセン。
わが師への書
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
中央に怪神の抱き合うた形の
炉
(
ろ
)
あり、炉には汗のように油脂が滲み出て居る。
嘲
(
あざわら
)
うような青き焔が炉の口から時々現れる。屋根裏より燻製の猿、
鰐
(
わに
)
の子などが古血のように固まって垂れて居る。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と
遣瀬
(
やるせ
)
なげに、眉をせめて
俯目
(
ふしめ
)
になったと思うと、まだその上に——
気障
(
きざ
)
じゃありませんか、
駈出
(
かけだ
)
しの女形がハイカラ娘の
演
(
す
)
るように——と
洋傘
(
かさ
)
を持った
風采
(
なり
)
を自ら
嘲
(
あざわら
)
った、その
手巾
(
ハンケチ
)
を顔に当てて
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
わが一生を
過
(
あやま
)
たしめたと言うと、犬脱走して河に入りて再び現われなんだとも、魔が、汝、死んでも必ず蘇らせてやると誓うたので自殺すると、魔、
嘲
(
あざわら
)
って取り合わなんだので死に切れたともいう。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
痩馬
(
やせうま
)
に乗せられ刑場へ曳かれて行く死刑囚が、それでも自分のおちぶれを見せまいと、いかにも気楽そうに馬上で低吟する小唄の謂いであって、ばかばかしい負け惜しみを
嘲
(
あざわら
)
う言葉のようであるが
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「人は人を
嘲
(
あざわら
)
うべきでない」云々。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
嘲
常用漢字
中学
部首:⼝
15画
“嘲”を含む語句
嘲笑
嘲弄
冷嘲
嘲罵
自嘲
嘲侮
嘲謔
御嘲笑
嘲哢
嘲蔑
自嘲的
嘲殺
嘲笑的
嘲弄者
嘲嗤
嘲弄的
解嘲
嘲声
自嘲癖
自嘲心
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