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次第々々
が、もの
音、
人聲さへ
定かには
聞取れず、たまに
駈る
自動車の
響も、
燃え
熾る
火の
音に
紛れつゝ、
日も
雲も
次第々々に
黄昏れた。
さして
何とは
言はれねども
次第々々に
心細き
思ひ、すべて
昨日の
美登利の
身に
覺えなかりし
思ひをまうけて
物の
恥かしさ
言ふばかり
無く
「その
積が
好くないぢやないか」と
答辯する
樣なものゝ、
此問題は
其都度次第々々に
背景の
奧に
遠ざかつて
行くのであつた。