“きのふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キノフ
語句割合
昨日95.3%
1.2%
明日1.2%
0.6%
咋日0.6%
昔日0.6%
昨夜0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さればわが昨日きのふ遙かに御嶽おんたけの秀絶なる姿を群山挺立ていりつうちに認めて、雀躍して路人ろじんにあやしまるゝの狂態を演じたるもまたむべならずや。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
われは生涯その時の事を忘れず。父の燒け殘りたる葡萄を摘みてわれに食はせしは、今も猶きのふのごとしと云ひぬ。
もと富家ふかひととなりて柔弱にうじやくにのみそだちしれとおぼえしげいもなく十露盤そろばんりならへどものあたりしことなければときようにはちもせずしてくらへばむなしくなる山高帽子やまたかばうし半靴はんぐつ明日きのふかざりしまはりもひとふたりはては晦日みそか勘定かんぢやうさへむねにつかふるほどにもなりぬ。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われ等は劇場に入りて、磴級とうきふをなせる石榻せきたふに坐したり。舞臺を見るに、その柱の石障石扉、昔のまゝに殘りて、羅馬の俳優のこゝに演技せしはきのふの如くぞおもはるゝ。
抱持はうぢ不十分ふじふぶん甲斐かひなきうらめしくなりててたしとおもひしは咋日きのふ今日けふならず我々われ/\二人ふたりくとかば流石さすが運平うんぺい邪慳じやけんつのれるこゝろになるはぢやうなりおやとてもとほ一徹いつてつこゝろやはらぎらば兩家りやうけ幸福かうふくこのうへやある我々われ/\二人ふたりにありては如何いか千辛萬苦せんしんばんくするとも運平うんぺい後悔こうくわいねんまじくしてや
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
善くをさむれども、内には事足る老婢ろうひつかひて、わづかに自炊ならざる男世帯をとこせたいを張りて、なほもおごらず、楽まず、心は昔日きのふの手代にして、趣は失意の書生の如く依然たる変物へんぶつの名を失はでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昨夜きのふは雅子さんの夢を見た。雅子さんに手紙を書かうかなどゝ朝のとこの中では考へた。川上さんの女の書生さんが見え、吉小神きこがみさんが来た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)