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明日
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あす
ふりがな文庫
“
明日
(
あす
)” の例文
もう
明日
(
あす
)
の朝の
準備
(
したく
)
をしてしまって、
膳
(
ぜん
)
さきの二合を
嘗
(
な
)
めるようにして飲んでいた
主翁
(
ていしゅ
)
は、
盃
(
さかずき
)
を持ったなりに土間の方へ目をやった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
明日
(
あす
)
の晩はもうお前の声も聞かれない、世の中つて厭やな物だねと
歎息
(
たんそく
)
するに、それはお前の心がらだとて不満らしう吉三の言ひぬ。
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
身を暖めるたしになるものなら、わっとばかり飛びついて、
明日
(
あす
)
のことなどは考えもせずに、すっかり荒してしまったわけなのです。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
出陣の始めの日とか
凱旋
(
がいせん
)
のよろこびの日とか、そうでなくても
明日
(
あす
)
は決戦という前の晩とかには、たいていの場合この食べ物が出た。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして先ずこれで美紅は死んだ。あとは
明日
(
あす
)
のお眼見得の式で濃紅姫に勝ちさえすれば、妾は間違いなく女王になれると思いました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
(また、
明日
(
あす
)
にも)という不安と虚無観が消え去らないと見えて、往来の
市人
(
まちびと
)
の顔には、どれもこれも、落着かない色が見えていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さあ、
愈々
(
いよ/\
)
出世の
手蔓
(
てづる
)
が出来かかつたぞ。
明日
(
あす
)
は一つあの殿様のお顔を、
舶来
(
はくらい
)
石鹸
(
しやぼん
)
のやうにつるつるに剃り上げて呉れるんだな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「おいM、
明日
(
あす
)
はしっかりやってくれ、日本人の名声をあげるには
絶好
(
ぜっこう
)
の機会だ、どうか祖国のために
万丈
(
ばんじょう
)
の
気炎
(
きえん
)
をはいてくれ!」
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
というと、「そのことなら本人はもう先刻承知のことだ。善は急げだ、髪も結っていることだし、早速それでは
明日
(
あす
)
俺が
伴
(
つ
)
れて行こう」
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼女の語るところによると、轡川というその男は彼女——
明日
(
あす
)
子という——の夫と同郷の者、当時大阪の私立大学の学生だったという。
ひとりすまう
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
まあ、そのご
馳走
(
ちそう
)
を
見
(
み
)
るだけでも
目
(
め
)
の
楽
(
たの
)
しみになります。
明日
(
あす
)
の
晩方
(
ばんがた
)
、
暗
(
くら
)
くならないうちに、
私
(
わたし
)
が、いいところへご
案内
(
あんない
)
しますよ。
からすとうさぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よる
)
はひとしほ波の音までが聞えるゆゑ、
明日
(
あす
)
の日和なぞ気にかかつて、月の光が白い障子に射すまでは、雨戸も閉めねば、寝ねもせず。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そういう私たちの家では、
明日
(
あす
)
の米もないような日がこれまでなかったというまでで、そう余裕のある生活を送って来たわけではない。
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私の気持は、段々と
侘
(
わび
)
しくなっていった。まだ
明日
(
あす
)
という日もあるものをと、自分を
叱
(
しか
)
ってもみた。しかし侘しさは消えなかった。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三年
前
(
まえ
)
の九月、兄が地方の高等学校へ、
明日
(
あす
)
立とうと云う前日だった。洋一は兄と買物をしに、わざわざ
銀座
(
ぎんざ
)
まで出かけて行った。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おれは
全
(
まる
)
三日苦しみ通しだものを。
明日
(
あす
)
は四日目、それから五日目、六日目……死神は何処に
居
(
お
)
る? 来てくれ! 早く引取ってくれ!
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
(叫ぶ)勇士たち、行け!
明日
(
あす
)
こそわしはお前等を従えて行こう——わしと、「
必勝者
(
かつひと
)
」コナイルと、
愛蘭
(
アイルランド
)
一の勇士クウフリンとで!
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
人間は
老少不定
(
ろうしょうふじょう
)
の
例
(
ためし
)
、
明日
(
あす
)
にも知れんが人の身の上、殿様のお顔もこれが
見納
(
みおさめ
)
になるかと、
今日
(
こんにち
)
は御暇乞に
罷
(
まか
)
り出ましてござります
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大神
(
おおかみ
)
は、「それでは、
明日
(
あす
)
お供をして海ばたへ来るがよい。名を取りかえてくださったお礼を上げようから」とおっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
主人
(
しゆじん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
明日
(
あす
)
のことにするからといつた
丈
(
だけ
)
だといふ
返辭
(
へんじ
)
である。
勘次
(
かんじ
)
はげつそりとして
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
ると
蒲團
(
ふとん
)
を
被
(
かぶ
)
つて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
仲仕——権三といわれていた——は、特別の賃銀を支払われると言う約束で、
明日
(
あす
)
のお
屠蘇
(
とそ
)
の余分の一杯をあてにしてやって来たのだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
自分は
明日
(
あす
)
にも番町へ行って、母からでもそっと彼ら二人の近況を聞かなければならないと思った。けれども
嫂
(
あによめ
)
はすでに明言した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
明日
(
あす
)
領事の奥村氏が我等を招かんと云ひ給ひしが、曲げてその仲間に加はり給へ。
今日
(
けふ
)
逢ひしに君の
上
(
うへ
)
をいとよく知り給へば。」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「それはあるわよ……。
屹度
(
きつと
)
あるわよ。でなくつちや生きてゐられないもの……。私と同じね……。それで、
明日
(
あす
)
貴方行くの?」
アンナ、パブロオナ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「都にもお館はあるが、今は、みぞろが池の
傍
(
そば
)
に住んでいられるのじゃ。お前が、都見物に行きたいのなら、
明日
(
あす
)
にも連れて行こうぞ。」
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そこで何と滝沢氏、
明日
(
あす
)
は是非とも年始がてら初湯を試みにお出かけ下され。
確
(
しか
)
とお約束致しやした。しからばこれにて、ハイハイご免。
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
榮子が
明日
(
あす
)
から居る処をみじめな田舎
家
(
や
)
とばかり想像されて、ねんねこの
掛襟
(
かけえり
)
を掛けながら泣いて居たのも鏡子だつたのである。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
飛鳥川
(
あすかがは
)
の
明日
(
あす
)
をも俟たで、絶ゆる
間
(
ま
)
もなく移り變る世の
淵瀬
(
ふちせ
)
に、
百千代
(
もゝちよ
)
を貫きて變らぬものあらば、そは人の情にこそあんなれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
乳母 またしてもお
干渉
(
せっかひ
)
を
爲
(
し
)
やしゃります、さゝ、お
就褥
(
やすみ
)
なされませ。
誓文
(
せいもん
)
、
明日
(
あす
)
は
病人
(
びゃうにん
)
にならしゃりませうぞえ、
此夜
(
こよひ
)
寢
(
ね
)
やしゃらぬと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
おお千三か、おまえのかたきは討ってやったぞ、いいか
明日
(
あす
)
から商売に出るときにはな、鉄砲となぎなたとわきざしとまさかりと七つ道具を
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「お
互
(
たがひ
)
に、
明日
(
あす
)
の
生命
(
いのち
)
もしれない、はかない
生
(
い
)
き
物
(
もの
)
なんだ。
何
(
なん
)
でも
出來
(
でき
)
るうちに
爲
(
す
)
る
方
(
はう
)
がいいし、また、やらせることだ」と。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
会読
(
かいどく
)
は一六とか三八とか
大抵
(
たいてい
)
日が
極
(
きま
)
って居て、いよ/\
明日
(
あす
)
が会読だと云うその晩は、
如何
(
いか
)
な
懶惰
(
らいだ
)
生でも大抵寝ることはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「そういう
料簡
(
りょうけん
)
ではお相手が勤まらん。
明日
(
あす
)
とはいわぬ、今日
唯今
(
ただいま
)
、帰りなさい。さあ。帰りなさい。自分の家へ帰りなさい」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
明日
(
あす
)
訪ねてくれい? さうは
可
(
い
)
かん、僕もこれでなかなか用が有るのぢやから。ああ、貴方も
浮世
(
うきよ
)
が
可厭
(
いや
)
か、僕も御同様じや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「では、
明日
(
あす
)
までに支度をするやうに、ハナァに仰しやつて下さいまし。それからこれが教室の
鍵
(
かぎ
)
。私の家のは朝、お渡しいたしませう。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ああ、この先の、生のない、声のない、
落莫
(
らくばく
)
たる世間……いや、今日はまだそんな事は考えられない……だが
明日
(
あす
)
は、明日はそうなるだろう。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
「
明日
(
あす
)
、
明後日
(
あさつて
)
、
明々後日
(
やのあさつて
)
」と女は指を折つて、「
明々後日
(
やのあさつて
)
に
決定
(
きま
)
つたの。然しね、私は今になつて又氣が迷つて來たのよ」
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
すると、有難いことには、私は
明日
(
あす
)
の朝までには、多分アイス・クリームで作った人魚のようにコチコチに固まっているのに違いありません。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
『
明日
(
あす
)
は
大楠山
(
おおくすやま
)
の
巻狩
(
まきが
)
りじゃ』などと
布達
(
おふれ
)
が
出
(
で
)
ると、
乗馬
(
じょうば
)
の
手入
(
てい
)
れ、
兵糧
(
へいろう
)
の
準備
(
したく
)
、
狩子
(
かりこ
)
の
勢揃
(
せいぞろ
)
い、まるで
戦争
(
いくさ
)
のような
大騒
(
おおさわ
)
ぎでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
知りたかつたら、
明日
(
あす
)
の晩でも、麻布市兵衞町の私の家へ來て下さい、今晩はお通夜で、明日はお
葬
(
とむら
)
ひ、——明日の晩は家へ歸つて居りますから
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手に愛せられまた相手を愛してるらしい女の心の中に生ずる、一徹な怨恨を、だれが説明し得よう!
今日
(
きょう
)
と
明日
(
あす
)
との間にすべては一変する。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
裡家風情
(
うらやふぜい
)
の例として、其日に得たる銭をもて
明日
(
あす
)
の米を買ふ事なれば、米一粒の尊さは余人の
能
(
よ
)
く知るところにあらず。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
今日
(
きょう
)
は、兇悪な殺人者の
命
(
いのち
)
を取るかと思うと、
明日
(
あす
)
は、百姓の
倅
(
せがれ
)
から六ペンスを奪ったけちな小盗の
命
(
いのち
)
を取ったりした。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「じゃあ、どうすればいいのです。……そんなに僕がお邪魔になるのだったら、出て行けばいいのでしょう。エエ、
明日
(
あす
)
からでも出て行きますよ」
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
此
(
この
)
大漁獲
(
だいりよう
)
があつたので、
明日
(
あす
)
からは
餓死
(
うゑじに
)
の
心配
(
しんぱい
)
はないと
思
(
おも
)
ふと、
人間
(
にんげん
)
は
正直
(
せうじき
)
なもので、
其
(
その
)
夜
(
よ
)
の
夢
(
ゆめ
)
はいと
安
(
やす
)
く、
朝
(
あさ
)
の
寢醒
(
ねざめ
)
も
何時
(
いつ
)
になく
胸
(
むね
)
穩
(
おだやか
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかし、
明日
(
あす
)
にも下水人夫がその泥濘孔を掃除に来れば、殺された男を見つけ出すかも知れません。殺した方ではそんなことをいやがったのです。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
原子爆弾だか水素爆弾だか、悪魔の発明にかかるものが、人類虐殺のために、
明日
(
あす
)
の日にも落ちて来ないかと、漠然ながら今気遣っているのである。
ペンクラブと芸術院
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
私だけは
明日
(
あす
)
から食うことすらできないのだと思うと、私はもうこの世の中に生活してゆく資格のない人間であるかのように考えられてくるのです。
悪魔の聖壇
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
明日
(
あす
)
からは何を食べて、どこに
寝
(
ね
)
るのだろうと思いながら、早くみんなの顔が見たさにいっしょうけんめいに走った。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
さて、わたしも
寛
(
くつ
)
ろがう、
明日
(
あす
)
か
明後日
(
あさつて
)
、早速大磯に移ることにして、それから
皆
(
みんな
)
で真黒に丈夫になる競争をしよう。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
“明日”の意味
《名詞》
明 日(みょうにち、常用漢字付表:あす、常用外:あした)
(みょうにち、あす、あした)今日の次の日であり、明後日の前の日。
(あす、あした) (比喩的に)未来、将来。
(出典:Wiktionary)
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“明日”で始まる語句
明日香
明日中
明日今日
明日如何
明日帰洛
明日待酒
明日香風
明日香清御原