“落莫”の読み方と例文
読み方割合
らくばく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家も住む人がなくなって売屋敷となっておるその落莫らくばくの感じのするところのものを、天然も冬枯れておる木立の中に尋ね入るのである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
彼はその当座とうざどこへ行っても、当然そこにいるべき母のいない事を見せられると、必ず落莫らくばくたる空虚の感じに圧倒されるのが常であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
という流言は、ほんの一時にせよ、魔符まふのように、武田陣のあいだに広まり、みるみるうち落莫らくばくたる気落ちの色が全軍をおおった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)