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紅
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あけ
ふりがな文庫
“
紅
(
あけ
)” の例文
お吉の指す方、ドブ板の上には、向う側の家の戸口から射す
灯
(
あかり
)
を浴びて、
紅
(
あけ
)
に染んだ、もう一人の娘が倒れてゐるではありませんか。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
血を好むのだ。彼の目的は血を見るにある。女の血、美人の血。白い皮膚がパッと
紅
(
あけ
)
に染まる瞬間の美、それは彼に
譬
(
たと
)
え難い快感を与えるのだ。
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
我すなはち彼に、アルビアを
紅
(
あけ
)
に
色採
(
いろど
)
りし
敗滅
(
ほろび
)
と大いなる
殺戮
(
ほふり
)
とはかかる祈りを我等の
神宮
(
みや
)
にさゝげしむ 八五—八七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それは
精好
(
せいがう
)
の
紅
(
あけ
)
と白茶の金欄の張交箱に住みし小鼓 といふので、之亦偶〻取り出して見た趣きであらう。精好とは精好織の略で絹織物の一種である。
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
ところがその翌日、早朝乗組員の一人が、背後から心臓を貫かれて、
紅
(
あけ
)
に染まっているヴィデの屍体を発見した。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
猟夫
(
りょうし
)
が目くるめいて駆付けると、
凍
(
い
)
てざまの白雪に、ぽた、ぽた、ぽたと
紅
(
あけ
)
が染まって、どこを撃ったか、黒髪の乱れた、うつくしい女が、
仰向
(
あおむ
)
けに倒れ
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紅
(
あけ
)
に染まった生首、両手両足が、舞台のあちこちに、人喰い人種の部屋みたいに、ゴロゴロと転がっていた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かれ
匍匐
(
はひ
)
進起
(
しじま
)
ひて、庭中に跪ける時に、
水潦
(
にはたづみ
)
二五
腰に至りき。その臣、
紅
(
あか
)
き
紐
(
ひも
)
著けたる
青摺
(
あをずり
)
の
衣
(
きぬ
)
二六
を
服
(
き
)
たりければ、水潦紅き紐に觸りて、青みな
紅
(
あけ
)
になりぬ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
山尾はいくらか恥ずかしそうにホンノリ頬を
紅
(
あけ
)
に染めて、無言で天守を下りるのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
天皇陛下
(
てんのうへいか
)
万歳
(
ばんざい
)
!」と
叫
(
さけ
)
ぶとともに、
水
(
みず
)
を
紅
(
あけ
)
に
染
(
そ
)
めて
見
(
み
)
えなくなったのでした。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、カチェリーナをよく調べてみたとき、彼女はソーニャの考えたように、石にぶっつかって怪我をしたのではなく、歩道を
紅
(
あけ
)
に染めた鮮血は、彼女の胸から吐き出されたのだとわかった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
勿体
(
もったい
)
なさ——今になって考えましても、
蔀
(
しとみ
)
に迷っている、
護摩
(
ごま
)
の
煙
(
けぶり
)
と、右往左往に泣き惑っている女房たちの袴の
紅
(
あけ
)
とが、あの茫然とした
験者
(
げんざ
)
や術師たちの姿と一しょに、ありありと眼に浮かんで
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
独活の芽のかなしき
紅
(
あけ
)
がふふみたるこまごまし土はいまだ払はず
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
行きずりの道のべにして
茱萸
(
ぐみ
)
の
実
(
み
)
ははつかに
紅
(
あか
)
し
紅
(
あけ
)
極
(
きは
)
まらなむ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
浮葉きるとぬれし袂の
紅
(
あけ
)
のしづく
蓮
(
はす
)
にそそぎてなさけ教へむ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
紅
(
あけ
)
の緒の
金皷
(
きんこ
)
よせぬとさまさばやよく
寝
(
ね
)
る人をにくむ湯の宿
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
朝顔のひとつに露のあふれゐて葉かげの
紅
(
あけ
)
の鮮かなりけり
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
紫摩金
(
しまごん
)
の
榮
(
はえ
)
を盡して、
紅
(
あけ
)
に
朱
(
しゆ
)
に
矜
(
ほこ
)
り飾るも
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一壺の
紅
(
あけ
)
の酒、一巻の歌さえあれば
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
風よ惜しめ一つこもり居る薔薇の
紅
(
あけ
)
西林図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
細腰の
紅
(
あけ
)
のほそひもほそぼそに
砂がき
(旧字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
紅
(
あけ
)
に
染
(
そ
)
みたる草見れば
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お吉の指さす方、ドブ板の上には、向う側の家の戸口から
射
(
さ
)
す
灯
(
あかり
)
を浴びて、
紅
(
あけ
)
に染んだ、もう一人の娘が倒れているではありませんか。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところが、
紅
(
あけ
)
に染んで
斃
(
たお
)
れたのは、長子のウォルターだったので、
驚駭
(
きょうがい
)
した主は、返す一撃で自分の心臓を貫いてしまった。次はそれから七年後で、次男ケントの自殺だった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
マラッカをはなれ来りて入つ日の雲のながきににほふ
紅
(
あけ
)
のいろ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
掌
(
て
)
の汗にしみみ粒だつ
紅
(
あけ
)
の種子葉鶏頭の種子は柔ら揉みつつ
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
君さけぶ道のひかりの
遠
(
をち
)
を見ずやおなじ
紅
(
あけ
)
なる
靄
(
もや
)
たちのぼる
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
紅
(
あけ
)
の緒の金鼓寄せぬと覚まさばやよく
寝
(
ね
)
る人を憎む湯の宿
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
母屋
(
もや
)
の
方
(
かた
)
へ
紅
(
あけ
)
三丈の鈴の
綱
(
つな
)
君とひくたび
衣
(
きぬ
)
もてまゐる
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
藍の花
紅
(
あけ
)
の花まじり十幾つ朝顔競ふ
獄庭
(
には
)
静かなる
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
紫摩金
(
しまごん
)
の
栄
(
はえ
)
を尽して、
紅
(
あけ
)
に
朱
(
しゆ
)
に
矜
(
ほこ
)
り飾るも
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
紅
(
あけ
)
に
染
(
そ
)
みたる草見れば
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
番頭に案内されて行くと、寶屋の廣い
構
(
かまへ
)
の一番奧、東向の小さい部屋を
紅
(
あけ
)
に染めて、娘のお島はもう冷たくなりかけて居りました。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雲分きて男神は明くれほのぼのと女神はいまだ
紅
(
あけ
)
にこもれり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
紅
(
あけ
)
に名の知らぬ花さく野の
小道
(
こみち
)
いそぎたまふな
小傘
(
をがさ
)
の
一人
(
ひとり
)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
精好
(
せいがう
)
の
紅
(
あけ
)
としら茶の
金襴
(
きんらん
)
のはりまぜ箱に住みし
小皷
(
こつゞみ
)
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
大袈裟
(
おおげさ
)
に斬られて、庭先に転げ落ちたのは丹之丞には遠い従弟で、綾野にはすぐの
従兄
(
あに
)
に当る、針目正三郎の
紅
(
あけ
)
に染んだ姿だったのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
瑞若葉
(
みづわかば
)
紅
(
あけ
)
の
扇骨木
(
かなめ
)
は日の照りを躑躅まじらひ花かとも見ゆ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
岸に立つ袖ふきかへしもみうらの
紅
(
あけ
)
を点じてゆくや河かぜ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
大袈裟
(
おほげさ
)
に斬られて、庭先に轉げ落ちたのは丹之丞には遠い從弟で、綾野には直ぐの
從兄
(
あに
)
に當る、針目正三郎の
紅
(
あけ
)
に染んだ姿だつたのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瑞若葉
(
みづわかば
)
紅
(
あけ
)
の
扇骨木
(
かなめ
)
は日の照りを躑躅まじらひ花かとも見ゆ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
舞ごろも五たり
紅
(
あけ
)
の
草履
(
ざうり
)
して河原に出でぬ千鳥のなかに
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
三田四國町の大地主、
老木屋
(
おいきや
)
勝藏の養父で今年六十八になる八郎兵衞は、その朝隱居所の二階で、
紅
(
あけ
)
に染んだ死骸になつて發見されました。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山村の水之尾村は落ちたまるつばきの
紅
(
あけ
)
に今日にぎはへり
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ドカドカ
雪崩
(
なだれ
)
込んだ子分たち、親分溝口屋鐘五郎が、
紅
(
あけ
)
に染んで
縡切
(
ことき
)
れた姿を見ると、さすがに乱酔の酒もさめてしまいます。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
このしめる雨や春雨木の
間
(
ま
)
ゆく馬のしりがひ
紅
(
あけ
)
褪せにけり
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
昨日の朝、お豊が朝の仕度をして、雨戸を開けに行くと、寅五郎は自分の部屋の中で、
紅
(
あけ
)
に染んで死んでいたというのです。
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鷄頭はつぶさに黒き
種子
(
たね
)
ながら
鷄冠
(
とさか
)
の
紅
(
あけ
)
よ燃えつきずけり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
昨日の朝、お豊が朝の仕度をして、雨戸を開けに行くと、寅五郎は自分の部屋の中で、
紅
(
あけ
)
に染んで死んでゐたといふのです。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鶏頭はつぶさに黒き
種子
(
たね
)
ながら
鶏冠
(
とさか
)
の
紅
(
あけ
)
よ燃えつきずけり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“紅”を含む語句
紅玉
淡紅
淡紅色
紅潮
紅色
紅葉
真紅
薄紅
口紅
微紅
爪紅
雁来紅
紅毛
頬紅
紅提灯
紅羅
紅絹
紅殻
紅々
鮮紅
...