“紅羅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あから33.3%
がんぴ16.7%
あか16.7%
がんび16.7%
こうら16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土が白い色して、杜若かきつばたの花、紅羅がんぴつぼみも、色をおぼろに美しい。茱萸ぐみの樹を出ますと、真夜中の川が流れます。紀行を思うと、渡るのがあぶなっかしい。生えた草もまた白い。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うす寒げな白の袗衣うわぎに、紅羅あか裙子はかまを曳き、白粉おしろい痩せは、その頬に見えるだけでなく、肩にも弱々しげなかげがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも小砂利を敷いたつぼの広い中に、縞笹しまざさがきれいらしく、すいすいとが伸びて、その真青まっさおな蔭に、昼見る蛍の朱の映るのは紅羅がんびの花のつぼみです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気がついてみれば、自分はせまい一渓路けいろに立っており、渓流をへだてた彼方、すずりの如き絶壁の中層には、紅羅こうら金襴傘きんらんがさを中心に、一座百人以上な人影が立ちならんでいて、上には
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)