“こうら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
甲羅74.3%
甲良8.6%
黄羅2.9%
2.9%
公等2.9%
前科1.4%
功羅1.4%
劫羅1.4%
紅羅1.4%
香羅1.4%
高羅1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この蟹は螯脚こうきゃくがむやみと大きく、それが小さい甲羅こうらから二本ぬっと出ている姿は、まるで団子だんご丸太まるたをつきさしたような恰好かっこうである。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
石畳いしだたみ穿下ほりおろした合目あわせめには、このあたりに産する何とかいうかに甲良こうらが黄色で、足の赤い、小さなのがかずかぎりなくむらがって動いて居る。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今朝がた、霜ふかきうちに、敵の老兵ども一万も、いつのまにか殿軍しんがりの地を退いて消え失せ、間もなくまた、谷間の底地から、約七、八千の蜀勢があらわれ、黄羅こうら傘蓋さんがい
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると是は又何事であろう、やがて氏郷の眼からはハラハラと涙がこぼれた。家勝は直ちに看て取ってあやしんだ。が、たちまちにして思った、是は感喜の涙であろうと。かにこうらに似せて穴を掘る。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
のつぺらぽうに講義をいて、のつぺらぽうに卒業し去る公等こうら日本の大学生と同じ事と思ふは、天下の己惚うぬぼれなり。公はタイプ、ライターに過ぎず。しかも慾張つたるタイプ、ライターなり。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……手前の不吉いや前科こうらも知らねえでノメノメとこの船へ押しかけて来やがったのが癪にさわるんで……遠慮しやがるのが当前あたりまえだのに……ねえ……親方……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
が、疼々いた/\しいこはばつた、あめほこり日光につくわうをしたゝかにつた、功羅こうらへた鼠色ねづみいろおほき蝙蝠こうもり
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山は御祭礼おまつりで、お迎いだ——とよう。……此奴こやつはよ、でかきのこで、釣鐘蕈つりがねだけと言うて、叩くとガーンと音のする、劫羅こうら経た親仁おやじよ。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気がついてみれば、自分はせまい一渓路けいろに立っており、渓流をへだてた彼方、すずりの如き絶壁の中層には、紅羅こうら金襴傘きんらんがさを中心に、一座百人以上な人影が立ちならんでいて、上には
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白衫はくさん銀紗ぎんさ模様という洒落しゃれた丸襟の上着うわぎに、紅絞べにしぼりの腰当こしあてをあて、うしろ髪には獅子頭ししがしらの金具止め、黄皮きがわの靴。そして香羅こうら手帕ハンケチを襟に巻き帯には伊達なおうぎびんかざしには、季節の花。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新羅しんら高羅こうら百済はくさい」(シラギ、コマ、クダラ)を三年でまわり、「三韓の王は窮したろう」と仰せになった。それを、いつの日からか落語の『らくだの馬さん』は
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)