あか)” の例文
新字:
うらみ種々樣々にかなしみつゝ何卒して夫文右衞門殿が身のあかりの立工夫を授け給へ何か無實の難をのがるゝ樣なさしめ給へと神佛を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此價値をあかしするは、未來を洞察する豫感の力である。實現の要求を煽る現在の心熱である。刹那刹那に新生面を開展し行く現實の進歩である。
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
萬事に圖太くなり切れぬ小心な潔癖が結局組織者としても小さなうつはに過ぎぬことのあかしであるかも知れなかつた。
一過程 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
伯父の甚五兵衞が八丁堀へ行つた歸り提灯ちやうちんをつけて永代橋へ差しかゝつたところを、いきなり飛び出してなぐり殺し、死骸を大川へ投り込んだと見られてあかしが立たない
神在すとは 信うすきわれらが身には 何のあかしもなけれども
艸千里 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
付られては其分に差置さしおかれずと云は道理もつともなり番頭久兵衞とかいふやつこそあやしき曲者くせもの其者そのもの嚴敷きびしく吟味ぎんみせば文右衞門殿のあかりは立に相違なし是長八貴樣案内あんない
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
姉の下手人が誰といふ、はつきりしたあかりが立たないのに、うつかりした事をすると、お前はたゞの人殺しにされてお處刑しおきになるかも知れない。——姉のお銀を殺したのは誰だ
しん不亂ふらんに念じ居たりしが不※ふととなりの話しの耳の入女房お政は心付是は當時天下に名譽高き御奉行と評判ひやうばんある大岡越前守樣へ駈込かけこみ訴訟をして夫文右衞門が身のあかりの立樣に御慈悲ごじひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)