“しよく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シヨク
語句割合
20.2%
16.8%
15.1%
嗜欲9.2%
5.9%
嗜慾5.9%
5.9%
4.2%
4.2%
2.5%
私慾2.5%
1.7%
私欲1.7%
0.8%
子翼0.8%
0.8%
恣欲0.8%
翅翼0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みゝづくでしよくろんずるあんまは、容體ようだい倨然きよぜんとして、金貸かねかしるゐして、借家しやくや周旋しうせん強要きやうえうする……どうやら小金こがねでその新築しんちくをしたらしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづ汲上くみあぐる釣瓶つるべおとはたおとかねこゑ神樂かぐらひゞき騷然さうぜん雜然ざつぜんげふこゑありてもくするはく、しよくおとありてきこえざるはきにいたれり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一念いちねん此處こヽあつまりては今更いまさらまぎらはすべき手段しゆだんもなく、あさひるしよくをとりても、はては學校がくかうきてもしよらきても、西行さいぎやううた令孃ひめ姿すがただれてまへはなれぬに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さらに、それをおもうたびに、まるでショウ・ウィンドウの向うの一皿料理を見るみたいな、それに手のとどかぬ焦躁しょうそうと猛烈な嗜欲しよくと絶望とをかんじるのだ。
煙突 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
薩州出身で未来の海軍大臣とまでのぞみしよくされて居る松島だから、梅子別段不足もあるまいぢや無いか——モー九時過ぎた、是りや梅子飛んだ勉強の邪魔した
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
偏屈人に対しては妙に心理洞察のカンのある彼は、食道楽であるこの中老紳士の舌を、その方面からそらんじてしまって、嗜慾しよくをピアノの鍵板けんばんのように操った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ろうしよくのぞむは人情にんじやうつねなるかも、ひやくいたればせんをとねがせんにいたればまたまんをと諸願しよぐわんやすときなければこゝろつねやすからず、つら/\おもへば無一物むいちぶつほど氣樂きらくなるはあらざるべし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
で、今度の売立うりたてで、木瓜のしよくは六千円といふ値にせり上げられたが、無事に生残つた飛青磁は大分だいぶん見倒みたふされて二千三百八十九円といふ事になつた。
天明てんめいろく丙午年ひのえうまどしは、不思議ふしぎ元日ぐわんじつ丙午ひのえうまとし皆虧かいきしよくがあつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
西洋の古い病理にタンペラマンを分つ類である。そして所謂年忌は形としよくとの相応せざるより生ずる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私の父は代議士のほかに新聞社長と株式取引所の理事長をやり、私慾しよくをはかればいくらでももうけられる立場にいたが全く私慾をはからなかった。
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
たとひ遠郷ゑんきやうむこよめにゆきて年をても鳥をしよくすれば必凶応あしきことあり、灵験れいげん煕々あきらかたる事此一を以て知るべし。されば遠郷ゑんきやう近邑きんいう信仰しんかうの人多し。
〔譯〕游惰いうだみとめて以て寛裕かんゆうと爲すことなかれ。嚴刻げんこくを認めて以て直諒ちよくりやうと爲すこと勿れ。私欲しよくを認めて以て志願しぐわんと爲すこと勿れ。
六時 明六時(卯) 東町奉行跡部良弼あとべよしすけは代官二人に防備を命じ、大塩平八郎の母兄大西与五郎に平八郎をひて処決せしむることをしよくす。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人々は、その大言に驚いて、誰かとみると、帳下の幕賓ばくひん蒋幹しょうかんあざな子翼しよくというものだった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかれども(二五)しよしよくつらね、ことじやうるゐし、もつ(二六)じゆぼく剽剥へうはくす。當世たうせい(二七)宿學しゆくがくいへど(二八)みづか解免かいめんすることあたはざるなり 其言そのげん(二九)洸洋自恣くわうやうじしもつおのれかなふ。
いましがたの切迫した争いを忘れたかのように、その表情は明るく、むしろうきうきしているし、万三郎を見る眼には、まえよりもじかな、情熱と恣欲しよくがあふれていた。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
請う、先生よ、余を愛したる念情はこれを他鳥に移せ。しかれども、余にもまた翅翼しよくあり、なお飛揚の術を忘れず。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)