しよく)” の例文
そも/\くま和獣わじうの王、たけくしてる。菓木このみ皮虫かはむしのるゐをしよくとして同類どうるゐけものくらはず、田圃たはたあらさず、まれあらすはしよくつきたる時也。
みゝづくでしよくろんずるあんまは、容體ようだい倨然きよぜんとして、金貸かねかしるゐして、借家しやくや周旋しうせん強要きやうえうする……どうやら小金こがねでその新築しんちくをしたらしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
阿蘇あそ活動かつどうみぎほか一般いつぱん火山灰かざんばひばし、これが酸性さんせいびてゐるので、農作物のうさくぶつがいし、これをしよくする牛馬ぎゆうばをもいためることがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しからば如何いかなる種類しゆるゐ食物しよくもつ適當てきたうであるかと具體的ぐたいてき實際問題じつさいもんだいになると、その解決かいけつはなは面倒めんだうになる。熱國ねつこく寒國かんこくではしよく適否てきひちがふ。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
貝塚の貝殼層中には鳥骨てうこつ有り獸骨じうこつ有り、コロボックルが鳥獸のにくしよくとせし事は明かなるが、如何なる方法を以て是等を捕獲ほくわくせしならんか。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
第一 毎日まいにちき、寢衣ねまき着替きかへ、蒲團ふとんちりはらひ、寢間ねま其外そのほか居間ゐま掃除さうじし、身體しんたい十分じふぶん安靜しづかにして、朝飯あさはんしよくすること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
つた聖約翰せいヨハネ荒野あれの蝗虫いなごしよくにされたとか、それなら余程よほどべずばなるまい。もつと約翰様ヨハネさま吾々風情われわれふぜいとは人柄ひとがらちがふ。
三八さんぱちといへる百姓は一人ひとりの母につかへて、至孝ならぶものなかりける。或年あるとし霜月しもつき下旬の頃、母たけのこしよくたきよしのぞみける。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あらそふて之をしよくす、探検たんけん勇気ゆうき此に於てさうさうきたる、相謂て曰く前途ぜんと千百の蝮蛇まむし応に皆此の如くなるべしと。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
盡し神佛かみほとけへも祈りしかど其しるしかつてなく後には半身はんしん叶はず腰も立ねば三度のしよくさへ人手をかりるほどなれどもお菊は少しも怠らず晝は終日ひねもす賃仕事ちんしごと或ひはすゝ洗濯せんたく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
... 寡人くわじんこのあらざれば、しよくあぢはひあましとせず。ねがはくはかれ』と。孫子そんしいはく、『しんすですでめいけてしやうたり。しやうぐんりては君命くんめいをもけざるところり』
いま山中さんちゆうむ熊とは違つて、北海道産ほつかいだうさんで、うしても多く魚類ぎよるゐしよくするから、毛が赤いて。甚「へえー、緋縅ひをどしよろひでもひますか。真「よろひぢやアない、魚類ぎよるゐ、さかなだ。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
みづうつつきうばはんとする山猿やまざるよ、無芸むげい無能むのうしよくもたれ総身そうみ智恵ちゑまはりかぬるをとこよ、よつうをもとくさうつへびをどろ狼狽うろたへものよ、白粉おしろいせて成仏じやうぶつせんことねが艶治郎ゑんぢらう
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
そこで用意ようゐとゝなふと、吾等われらに/\一個いつこづゝ爆裂彈ばくれつだんたづさへて立上たちあがつた。かね用意ようゐとりにくを、十きんばかり鐵檻てつおりあひだから投出なげだすと、しよくゑたる猛獸まうじうは、眞黒まつくろになつてそのうへあつまる。
かへればゑりあごうづめてしのびやかに吐息といきをつく、良人おつと不審ふしんつれば、うもこゝろわる御座ござんすからとてしよくもようはべられず、晝寢ひるねがちに氣不精きぶせうりて、次第しだいかほいろあほきを
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
佐用氏にゆきて老母の介抱いたはりねんごろ一二一あつらへ、出雲の国にまかるみちに、一二二飢ゑてしよくを思はず、寒きに衣をわすれて、まどろめば夢にもきあかしつつ、十日をて富田の大にいたりぬ。
かの山上に葡萄をしよくしつつのたまひしか
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
患者のしよく眼路めぢのかぎりに擴げられたり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そのうへ個人こじん經濟状態けいざいじやうたいよつ是非ぜひなく粗惡そあくしよく我慢がまんせねばならぬひともあり、是非ぜひなく過量くわりやう美味びみはねばならぬひともある。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
床几しやうぎしたたはらけるに、いぬ一匹いつぴき其日そのひあさよりゆるもののよしやつしよくづきましたとて、老年としより餘念よねんもなげなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
初編しよへんにもしるしたるごとく、我国のけもの冬にいたれば山をこえて雪あさき国へさる、これ雪ふかくしてしよくにとぼしきゆゑなり。春にいたればもとのすみかへかへる。
直ちにくまいたきて相角しつひに之をころすなり、熊人をのがれんとするときも亦然すと云ふ、此回の探検中たんけんちうくまひし事なし、之れ夏間は人家ちかやまに出でてしよく
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
晏平仲嬰あんぺいちうえいは、(三六)らい夷維いゐひとなりせい靈公れいこう莊公さうこう景公けいこうつかへ、節儉力行せつけんりよくかうもつせいおもんぜらる。すでせいしやうとして、(三七)しよくにくかさねず、せふ(三八)きぬず。
わたりにふねたるが如く暗夜あんやにともし火をたるが如なりはた經文きやうもんの心をたるが如く也此經文きやうもんの心にて見ればうゑたるものしよくを得たるか旅人りよじんのこめなればひとへにはだかなる者衣類いるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
銀価ぎんか下落げらく心配しんぱいする苦労性くらうしやう月給げつきふ減額げんがく神経しんけい先生せんせいもしくは身躰からだにもてあますしよくもたれのぶた無暗むやみくびりたがる張子はりことらきたつて此説法せつぱう聴聞ちやうもんし而してのち文学者ぶんがくしやとなれ。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
歩哨ほせうは時のしよくきつす。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
畢竟ひつきやうにんいろで、けつして一りつにはかぬものでしよく本義ほんぎとか理想りそうとかをいてところ實際問題じつさいもんだいとしてはあまやくたぬ。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なんなりともかなひたるを、あくまでしよくすべし」と強附しひつけ/\、御菓子おんくわし濃茶こいちや薄茶うすちや、などを籠中かごのなかところせまきまでたまはりつ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
初編しよへんにもしるしたるごとく、我国のけもの冬にいたれば山をこえて雪あさき国へさる、これ雪ふかくしてしよくにとぼしきゆゑなり。春にいたればもとのすみかへかへる。
めに一人も中毒ちうどくひしものなし、此他めしの如き如何なる下等米といへども如何なる塵芥じんかいこんずると雖も、其味のなる山海の珍味ちんみも及ばざるなり、余の小食家もつねに一回凡そ四合をしよくしたり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
鳥獣とりけだもの雪中せつちゆうしよくなきをしりて雪あさき国へるもあれど一ぢやうならず。雪中にこもて朝夕をなすものは人と熊と也。
べつ煩雜わづらはしき御用ごようのあるにあらず、しよく御好次第おこのみしだいるもおきるも御心おこゝろまかせ、さりとはうらやましき御境遇ごきやうぐうさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雪中に穴居けつきよするはくまのみなり。熊は手に山蟻やまありをすりつけ、これをなめて穴居けつきよしよくとするよしいひつたふ。
引斷ひきちぎりては舌鼓したうちして咀嚼そしやくし、たゝみともはず、敷居しきゐともいはず、吐出はきいだしてはねぶさまは、ちらとるだに嘔吐おうどもよほし、心弱こゝろよわ婦女子ふぢよし後三日のちみつかしよくはいして、やまひざるはすくなし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そりを引てたきゞきることいひあはせてゆくときは、二三人のしよくを草にてあみたる袋にいれてそりにくゝしおくことあり。山烏やまからすよくこれをしりてむらがりきたり、袋をやぶりてしよく喰尽くらひつくす。
各自おの/\でうつゑたづさへ、續々ぞく/\市街しがい入込いりこみて、軒毎のきごとしよくもとめ、あたへざればあへらず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
渠等かれらおのれこばみたるもの店前みせさきあつまり、あるひ戸口とぐち立並たちならび、御繁昌ごはんじやう旦那だんなけちにしてしよくあたへず、ゑてくらふもののなになるかをよ、とさけびて、たもとぐれば畝々うね/\這出はひいづるくちなはつかみて
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
幼君えうくん「さてなんにてもしよくこのむべし、いふがまゝにあたふべきぞ、退屈たいくつならば其中そのなかにてうたひまひ勝手かつてたるべし。たゞ兩便りやうべんようほかそとづることをゆるさず」と言棄いひすててたまひぬ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たれしよくするものなかりしが、金澤かなざはひときて、れは結構けつこう豆府とうふつゆにしてつる/\と賞玩しやうぐわんしてより、同地どうちにてもさかんもちふるやうになりて、それまでかりしを金澤茸かなざはたけしようするよし實説じつせつなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)